Assistant Professor(without tenure)
(School of Culture, Media and Society)
Faculty of Human Sciences(School of Human Sciences)
Humanities / Cultural anthropology
2016
Research Results Outline: 本研究課題では、栃木県栃木市都賀町家中地区の鷲宮神社で毎年の例大祭に執り行われる「強卵式」を題材に、新設の儀礼が地域住民のアイデンティティ表象に及ぼ 本研究課題では、栃木県栃木市都賀町家中地区の鷲宮神社で毎年の例大祭に執り行われる「強卵式」を題材に、新設の儀礼が地域住民のアイデンティティ表象に及ぼす影響と、地域外のマス・メディア上で強卵式が再表象される際の特徴を考察した。強卵式は、家中地区の様... 本研究課題では、栃木県栃木市都賀町家中地区の鷲宮神社で毎年の例大祭に執り行われる「強卵式」を題材に、新設の儀礼が地域住民のアイデンティティ表象に及ぼす影響と、地域外のマス・メディア上で強卵式が再表象される際の特徴を考察した。強卵式は、家中地区の様々な思惑を抱く人々によって運営されているにも関わらず、各自の思惑に即して各主体が積極的に立ち働いたため、逆説的に「地域の祭り」としての伝統性を強固にしている。一方、地域外のマス・メディア上で、強卵式は「奇祭」として再表象されてきた。地域内外の強卵式表象は相互作用を生じさせており、強卵式を取り巻く言説空間は、入れ子状の構造をなしていると結論付けられる。
2017
Research Results Outline: 本研究課題では、近年高知市沿岸部の地域住民の間で共有されつつある、将来の南海トラフ地震がもたらす被害に対する不安――「予感」――を対象として、現代社 本研究課題では、近年高知市沿岸部の地域住民の間で共有されつつある、将来の南海トラフ地震がもたらす被害に対する不安――「予感」――を対象として、現代社会における「予感」の特徴を、聞き取り調査を主軸とする民俗学・文化人類学の視座から考察した。考察の結... 本研究課題では、近年高知市沿岸部の地域住民の間で共有されつつある、将来の南海トラフ地震がもたらす被害に対する不安――「予感」――を対象として、現代社会における「予感」の特徴を、聞き取り調査を主軸とする民俗学・文化人類学の視座から考察した。考察の結果、昭和南海地震を体験したインフォーマントが南海トラフ地震と他地域の災害を弁別して考える一方、昭和南海地震を経験していないインフォーマントにはテレビ番組の報道など他地域の震災情報から南海トラフ地震の被害を予測する傾向が見られた。 今後の研究では、より若い世代のインフォーマントを対象として、情報技術と「予感」の関係を明らかにする予定である。
2020
Research Results Outline: 本研究課題は、高知市の御畳瀬地区周辺において、将来の南海トラフ地震に対し、地域住民がどのような意識を抱いているかを民俗学・文化人類学を主軸に考察する 本研究課題は、高知市の御畳瀬地区周辺において、将来の南海トラフ地震に対し、地域住民がどのような意識を抱いているかを民俗学・文化人類学を主軸に考察するものである。調査の結果、以下の知見が見出された。 南海トラフ地震に備える人々は、将来の南海地震がも... 本研究課題は、高知市の御畳瀬地区周辺において、将来の南海トラフ地震に対し、地域住民がどのような意識を抱いているかを民俗学・文化人類学を主軸に考察するものである。調査の結果、以下の知見が見出された。 南海トラフ地震に備える人々は、将来の南海地震がもたらす被害を、地震を含む様々な自然災害に関する情報から想像する傾向がある。これは高度にメディアが発達した現代社会において引き起こされた事態だと考えられる。加えて、地域におけるグループ単位で南海トラフ地震へ備える傾向もうかがえる。 南海トラフ地震へ備えない人々は、南海トラフ地震が発生した場合に命を落とす可能性があることも含め半ば仕方ないとしている。また、耐震工事や防災訓練などの備えにもあまり着手していない。
2015
Research Results Outline: 本研究では、戦後70年間での高知県における「犬神」の変容の要因を、これまで顧みられることのなかった事象に求めることを試みた。具体的には、戦後高知県の 本研究では、戦後70年間での高知県における「犬神」の変容の要因を、これまで顧みられることのなかった事象に求めることを試みた。具体的には、戦後高知県の生活改善諸活動に着目し、県下で「生活改善」の語として広く受け入れられたこの運動の隆盛と衰退が、「犬... 本研究では、戦後70年間での高知県における「犬神」の変容の要因を、これまで顧みられることのなかった事象に求めることを試みた。具体的には、戦後高知県の生活改善諸活動に着目し、県下で「生活改善」の語として広く受け入れられたこの運動の隆盛と衰退が、「犬神」にまつわる語りの増減と一致することを指摘した。また、「生活改善」に端を発する地域振興は、形を変え今日まで高知県で継承されてきたことも明らかとなった。なお、こうした地域振興を主体的に担ったのは女性達であり、高知県の戦後社会において女性達が社会に参加し地位を築いていく過程と「犬神」の変容との関わりを明らかにすることを、今後の重要な課題とした。
Course Title | School | Year | Term |
---|---|---|---|
Seminar I (Development Anthropology) | School of Human Sciences | 2021 | spring semester |
Seminar II (Development Anthropology) | School of Human Sciences | 2021 | fall semester |
Required Core Seminar 9 | School of Culture, Media and Society | 2021 | spring semester |
Elective Core Seminar | School of Culture, Media and Society | 2021 | fall semester |
Frontiers of Cultural Anthropology 1 | School of Culture, Media and Society | 2021 | spring semester |
Frontiers of Cultural Anthropology 1 | School of Humanities and Social Sciences | 2021 | spring semester |
Frontiers of Cultural Anthropology 2 | School of Culture, Media and Society | 2021 | fall semester |
Frontiers of Cultural Anthropology 2 | School of Humanities and Social Sciences | 2021 | fall semester |
Contemporary Human Studies 1 | School of Culture, Media and Society | 2021 | fall semester |
Contemporary Human Studies 1 | School of Humanities and Social Sciences | 2021 | fall semester |
Folklore of Modern and Future | School of Culture, Media and Society | 2021 | spring semester |
Folklore of Modern and Future | School of Humanities and Social Sciences | 2021 | spring semester |
Technology and Folklore | School of Culture, Media and Society | 2021 | fall semester |
Technology and Folklore | School of Humanities and Social Sciences | 2021 | fall semester |
Logic and Ethics in Cyberspace (CHS Advanced Seminar) | School of Culture, Media and Society | 2021 | fall semester |
Methods of Case Study (CHS Advanced Seminar) | School of Culture, Media and Society | 2021 | spring semester |
Graduation Research (SAKAI, Takahiro) | School of Culture, Media and Society | 2021 | full year |