Name

KASUYA, Noriko

Official Title

Assistant Professor(without tenure)

Affiliation

(School of Humanities and Social Sciences)

On-campus Research System

Special Research Project

19世紀ロシアにおけるリアリズム小説の成立経緯

2017

Research Results Outline: 本課題では19世紀後半のロシアリアリズム小説において、出来事の欠如と作中人物の心理描写とがいかなる関係にあるかを考察した。イヴァン・トゥルゲーネフと 本課題では19世紀後半のロシアリアリズム小説において、出来事の欠如と作中人物の心理描写とがいかなる関係にあるかを考察した。イヴァン・トゥルゲーネフとアントン・チェーホフの小説や戯曲はともに、プロットの核心をなす出来事が欠如していることが、これまで... 本課題では19世紀後半のロシアリアリズム小説において、出来事の欠如と作中人物の心理描写とがいかなる関係にあるかを考察した。イヴァン・トゥルゲーネフとアントン・チェーホフの小説や戯曲はともに、プロットの核心をなす出来事が欠如していることが、これまでにたびたび指摘されている。とくにトゥルゲーネフの「大街道での会話」とチェーホフの「荷馬車で」は、どちらも主人公が馬車に乗って移動する場面を中心に構成され、主人公の言動は極端に制限されている。またプロットを大きく転換するような重大な出来事がなく、出来事の欠如の代表的な作例としてしばしば挙げられる。 小説の意味作用の中核をなすような出来事が欠如しているにもかかわらず、この二つの作品がリアリズム小説としての説得力を持っているのは、両作品の心理描写の性質にあると考え、出来事の欠如と心理描写がどのような関係にあるかを分析した。その結果、 二つの作品はともにプロット上の出来事の重要性ではなく、語りの言説を話法ごとに分割して、それぞれに対応する心理の層を詳細に書き分けることで心理描写の説得力を持たせた重層的な構成があったと結論づけた。

イヴァン・トゥルゲーネフの中編小説における構成法

2009

Research Results Outline: 本課題では、トゥルゲーネフの中編小説に回想体が多いことに着目し、当時一般的であった回想体小説の構成がトゥルゲーネフの中編小説にどのように現れているか 本課題では、トゥルゲーネフの中編小説に回想体が多いことに着目し、当時一般的であった回想体小説の構成がトゥルゲーネフの中編小説にどのように現れているかを明らかにすることが当初の目的であった。 その理由の第一には、トゥルゲーネフの小説の構成が特異であ... 本課題では、トゥルゲーネフの中編小説に回想体が多いことに着目し、当時一般的であった回想体小説の構成がトゥルゲーネフの中編小説にどのように現れているかを明らかにすることが当初の目的であった。 その理由の第一には、トゥルゲーネフの小説の構成が特異であり、当時からしばしば批判されてきたことがある。中編小説における構成の方法を明らかにすれば、トゥルゲーネフ小説全体の成り立ちを明らかにできると考えたのである。第二に、トゥルゲーネフは生涯にわたって詩と散文双方におけるあらゆるジャンルの可能性を追求し続けたといえる。中編小説全体に見られる構成の特徴を抽出できれば、トゥルゲーネフにとって詩と散文が各々どのような機能をもつものとしてとらえられているかが明確になると考えた。 結果として、中編小説に現れた回想体小説の構成法、即ち断片性、途中性等の特徴は、ジルムンスキーが指摘するロマン主義ポエマの構成と共通するものであると確認できた。トゥルゲーネフの散文小説には構成の点で、詩の要素が入りこんでいたのである。また出来事の展開を逐一追うことよりも、人物描写(回想体小説における「ポートレート」)を中心に据えることで、トゥルゲーネフ小説の最大の特徴の一つである心理描写が豊かな発展を見せたことも、中編小説の構成の具体的な成果であることがわかった。 しかし研究を進めるにつれて、このような中編小説の構成の特徴を明らかにするだけでは、トゥルゲーネフの小説の歴史的な意義を明確に表現することは難しいと考えるに至った。そこで回想体小説としての中編小説そのものを論の中心に据えるのではなく、それらの要素を継承および反転させて初めて可能になった長編小説を軸に再構成することに思い至った。この方向で今年度は論文にまとめる予定である。

Lecture Course

Course TitleSchoolYearTerm
Required Core Seminar 54School of Humanities and Social Sciences2019spring semester
Russian I (Step 1) 2School of Culture, Media and Society2019spring semester
Russian I (Step 1) 2School of Humanities and Social Sciences2019spring semester
Russian IV (Step 1) 2School of Culture, Media and Society2019spring semester
Russian IV (Step 1) 2School of Humanities and Social Sciences2019spring semester
Russian I (Step 2) 2School of Culture, Media and Society2019fall semester
Russian I (Step 2) 2School of Humanities and Social Sciences2019fall semester
Russian IV (Step 2) 2School of Culture, Media and Society2019fall semester
Russian IV (Step 2) 2School of Humanities and Social Sciences2019fall semester
Reading in Russian 1School of Culture, Media and Society2019spring semester
Reading in Russian 1School of Humanities and Social Sciences2019spring semester
Russian in Exercises 2School of Culture, Media and Society2019fall semester
Russian in Exercises 2School of Humanities and Social Sciences2019fall semester
Seminar in Russian Studies 3 (Literature, Art and Society II)School of Humanities and Social Sciences2019fall semester