氏名

フクヤマ ユウコ

福山 佑子

職名

講師(任期付)

所属

(国際教養学部)

本属以外の学内所属

学内研究所等

ヨーロッパ文明史研究所

研究所員 2018年-

ヨーロッパ文明史研究所

研究所員 2012年-2013年

イタリア研究所

研究所員 2018年-

学歴・学位

学位

博士

外部研究資金

科学研究費採択状況

研究種別:

ドミティアヌスの「記憶」と帝位継承

2012年-0月-2014年-0月

配分額:¥2470000

研究種別:

帝政前期ローマにおける政権交代と過去の記憶

2019年-0月-2023年-0月

配分額:¥2470000

学内研究制度

特定課題研究

帝政初期ローマにおける帝位継承と記録の断罪

2012年度

研究成果概要: 古代ローマでは、ダムナティオ・メモリアエと呼ばれる処分が行われていた。これは、当該人物の死後、その人物に関連する記録/記憶を断罪し、公の場から抹消するというものであった。本研究では、これまで行なってきたダムナティオ・メモリアエの... 古代ローマでは、ダムナティオ・メモリアエと呼ばれる処分が行われていた。これは、当該人物の死後、その人物に関連する記録/記憶を断罪し、公の場から抹消するというものであった。本研究では、これまで行なってきたダムナティオ・メモリアエの基礎研究を踏まえながらも、公的な領域における処分に主眼を移し、皇帝を取り囲む政治抗争の中で記録の断罪がいかに利用されたのかという点に着目して検討を行った。 これに際し、本研究助成を利用して、8月には執政官や宗教祭祀団の暦表、皇帝関連碑文が多数収録されているローマ国立博物館4館において資料撮影を行ったほか、ベルリンのフンボルト大学で、関連する文献史料の複写等を行った。8月27日から31日には、ベルリンで開催された第14回ギリシャ・ローマ国際碑文学会(XIV Congressus Internationalis Epigraphiae Graecae et Latinae)に参加し、ダムナティオ・メモリアエや記録の抹消を扱ったS. Benoist, C. Rouecheらの研究報告を聞いたほか、新発見史料や新たなデータベース構築についてなど、様々な研究テーマの報告から多くの知見を得た。 これらの調査を経て、2013年3月に刊行された『ヨーロッパ・「共生」の政治文化史』において、「クラウディウスによる『共生』の模索とカリグラの記憶」と題した論文を執筆した。これは、カリグラの暗殺からクラウディウスへの帝位継承の際に行われた記録/記憶の破壊を取り上げたもので、皇帝に対して行われたダムナティオ・メモリアエの先駆例とされる事例を、文献史料と碑文史料を組み合わせて検討したものである。特に、碑文史料を時系列に整理した結果、当初はカリグラの記録/記憶を擁護する姿勢を見せたクラウディウスが、徐々にカリグラの記録/記憶に対する攻撃を強めていく過程を明らかにすることができた。またこの時点では、皇帝の死の直後に記録/記憶の破壊が1つの処分として行われたわけではなく、漸次的に破壊行為や「悪帝」としてのイメージ形成が行われていった点を明示できたことも、今後のダムナティオ・メモリアエ研究において1つの布石になると考えている。

伝記史料におけるダムナティオ・メモリアエの変容

2013年度

研究成果概要: 本研究の目的は、ダムナティオ・メモリアエについての伝記史料の記述の差異を詳細に検討することで、この処分に対するローマ人の見解がどのように変容していったのかを明示することであった。 特に、古代ローマ史の伝記史料として極めて重要な作... 本研究の目的は、ダムナティオ・メモリアエについての伝記史料の記述の差異を詳細に検討することで、この処分に対するローマ人の見解がどのように変容していったのかを明示することであった。 特に、古代ローマ史の伝記史料として極めて重要な作品である、紀元後2世紀初めに執筆されたスエトニウスの『ローマ皇帝伝』と、4世紀末頃に執筆された作者不詳の『ヒストリア・アウグスタ』を比較し、それぞれにおける皇帝に対するダムナティオ・メモリアエ描写の差異を調べた。その上で、これら2作品におけるダムナティオ・メモリアエについての認識の違いの背景を探り、これらの時期における、ローマ人の皇帝や記録に対する見解の変容を明らかにしようと試みた。 その結果、スエトニウスの記述ではダムナティオ・メモリアエが悪帝に対して元老院が行った記録の破壊行為であったとしてのみ描写されているのに対し、4世紀の『ヒストリア・アウグスタ』では、神々の敵である悪帝に対して行われた報いであったり、神々による懲罰という理由付けのもとに処分が行われており、ダムナティオ・メモリアエに対する神々の介在という特徴があることが判明した。『ヒストリア・アウグスタ』では「神々の敵hostis deorum」という言葉が散見されるが、この言葉は4世紀まで歴史叙述では「悪帝」に対して用いられることのなかった表現である。もっとも、「神の敵」という表現はキリスト教叙述において以前から確認できる。異教よりの人物である作者がこの表現を使っていることは、4世紀の異教の歴史叙述におけるキリスト教の影響についての検討の契機にもなると考えられることから、今後は本研究を発展させる形での研究を進めていきたい。 また、北京師範大学で開催されたThe Tenth China-Korea-Japan Symposium on Ancient European History “City-State, Empire and Identity in the Ancient World”においては、”The intervention of gods in the punishment of “bad” emperors in the Historia Augusta”と題した口頭報告も行っている。

現在担当している科目

科目名開講学部・研究科開講年度学期
Introduction to Cross-cultural and International Education国際教養学部2019春学期
Introduction to Cross-cultural and International Education国際教養学部2019秋学期
Intermediate Seminar 16国際教養学部2019春学期
First Year Seminar A 20国際教養学部2019春学期
First Year Seminar A 85国際教養学部2019秋学期
Historical Survey (Ancient and Medieval Europe) 01国際教養学部2019春学期
Selected Topics in Italian Studies 51国際教養学部2019秋学期
Seminar on History 05国際教養学部2019春学期
Seminar on History 55国際教養学部2019秋学期