氏名

アツミ ケイイチロウ

厚見 恵一郎

職名

教授 (https://researchmap.jp/read0165421/)

所属

(社会科学部)

連絡先

URL等

研究者番号
00257239

本属以外の学内所属

兼担

社会科学総合学術院(大学院社会科学研究科)

政治経済学術院(大学院政治学研究科)

政治経済学術院(政治経済学部)

学内研究所等

現代政治経済研究所

兼任研究員 1989年-

イタリア研究所

研究所員 2017年-2018年

イタリア研究所

研究所員 2018年-

学歴・学位

学歴

-1990年 早稲田大学 政治経済学部 政治学科
-1996年 早稲田大学 政治学研究科 政治学専攻

学位

博士(政治学)----論文博士(2005)[博士後期課程は1996退学] 論文 早稲田大学 政治学

経歴

1993年-1996年早稲田大学社会科学部助手
1996年-1998年早稲田大学社会科学部専任講師
1998年-2005年早稲田大学社会科学部助教授
2005年-早稲田大学社会科学総合学術院教授
1999年-2000年プリンストン大学ウッドロー・ウィルソン・スクール客員研究員
2000年-2001年ハーバード大学政治学部訪問学者
2001年-2002年ハーバード大学歴史学部訪問学者

所属学協会

アメリカルネサンス学会

日本政治学会

政治思想学会

社会思想史学会

政治経済学会

受賞

飯島衛記念褒賞(早稲田大学大学院政治学研究科)

1992年04月

研究分野

キーワード

マキァヴェッリ、共和主義、ルネサンス人文主義、初期近代政治思想、

科研費分類

社会科学 / 政治学 / 政治学

人文学 / 哲学 / 思想史

研究テーマ履歴

ルネサンス人文主義におけるアウグスティヌスの受容と改変

個人研究

ルネサンス政治思想における人文主義の諸相

個人研究

マキァヴェッリの政治思想

個人研究

初期近代の共和主義政治思想

個人研究

歴史解釈の政治学

個人研究

西欧における近代主権国家概念の形成

個人研究

2015年-政治思想史におけるエピクロス主義

研究テーマのキーワード:エピクロス主義,ルクレティウス,快楽主義,人文主義,政治思想,ルネサンス

個人研究

論文

書評:村田玲『喜劇の誕生――マキァヴェッリの文芸諸作品と政治哲学』

厚見恵一郎

『社会思想史研究』(42)p.132 - 1352018年09月-

マキァヴェッリとルクレティウス

厚見恵一郎

『早稲田社会科学総合研究』16(1)p.95 - 1132015年12月-

レオ・シュトラウスはジョン・ロックの自然法論をどう読んだか

厚見恵一郎

『政治哲学』(18)p.38 - 632015年02月-

書評:『征服と自由——マキァヴェッリの政治思想とルネサンス・フィレンツェ』(鹿子生浩輝著、風行社、2013年)

厚見恵一郎

『社会思想史研究』(38)p.223 - 2262014年09月-

書評:『君主論』/『リウィウス論』問題と「マキァヴェッリの意図」:鹿子生浩輝著『征服と自由』書評

厚見恵一郎

『図書新聞』(3149)p.3 - 32014年03月-

ネイサン・タルコフ「マキァヴェッリの近代的転回」の翻訳

『早稲田政治経済学雑誌』(386)p.2 - 142013年10月-

訳者解説(レオ・シュトラウス著「ニッコロ・マキァヴェッリ1469-1527」)

厚見恵一郎

『政治哲学』(13)p.25 - 282012年12月-

レオ・シュトラウス「ニッコロ・マキァヴェッリ1469-1527」の翻訳

飯島昇藏と共訳

『政治哲学』(13)p.1 - 242012年12月-

訳者解説(レオ・シュトラウス著『哲学者マキァヴェッリについて』)

飯島昇藏・厚見恵一郎

2011年11月-

書評:石黒盛久著『マキアヴェッリとルネサンス国家——言説・祝祭・権力』

『社会思想史研究』(34)p.254 - 2572010年09月-

レオ・シュトラウス『マキァヴェッリについての諸思想』第Ⅱ章の翻訳

飯島昇藏・村田玲と共訳

『政治哲学』(8)p.1 - 392009年02月-

コメント「共和主義研究における思想史・規範理論・歴史叙述」

『社会思想史研究』(32)p.68 - 692008年09月-

初期近代共和主義研究への視角——ルネサンス・フィレンツェと十七世紀イングランド

『社会思想史研究』(32)p.30 - 402008年09月-

君主の地位と統治体——マキァヴェッリstato論の「文脈」再考

『政治思想研究』(8)p.4 - 292008年05月-

レオ・シュトラウス『マキァヴェッリについての諸思想』序文・序論・第Ⅰ章の翻訳

飯島昇藏・村田玲と共訳

『政治哲学』(7)p.27 - 782008年03月-

ハインリッヒ・マイアー「なぜ政治哲学か? わたくしがレオ・シュトラウスから学んできているもの」(英文講演ペーパーの日本語要旨)

ハインリッヒ・マイアー

2005-2007年度科学研究費補助金研究成果報告書(基盤研究B、課題番号17320022、研究代表者:石崎嘉彦)p.9 - 162008年03月-

目的論的自由の非政治性とペシミズム——半澤孝麿『ヨーロッパ思想史のなかの自由』を読む

『早稲田政治経済学雑誌』(366)p.69 - 792007年01月-

マキァヴェッリはどこまで古典的共和主義者か——ローマ史と内紛の解釈をめぐって

『早稲田社会科学総合研究』5(1)2004年07月-

フィレンツェ人文主義と共和主義——サルターティからブルーニへ

『早稲田社会科学総合研究』4(3)2004年03月-

マキァヴェッリと実践的歴史叙述の系譜——政治と歴史の関係をめぐる一考察

『早稲田社会科学総合研究』4(1)2003年07月-

マキァヴェッリと修辞術の伝統

『早稲田社会科学総合研究』3(3)2003年03月-

マキアヴェリ共和主義の再検討(上)——マキアヴェリの歴史的国家理論(2)

『早稲田社会科学研究』(55)1997年10月-

マキアヴェリにおける政体の設立と選択——マキアヴェリの歴史的国家理論(1)

『早稲田社会科学研究』(54)1997年03月-

政治と秩序をつなぐもの(下)——マキアヴェリと政治の秩序(6)

『早稲田社会科学研究』(53)1996年10月-

ラディカル・デモクラシーと討論の可能性——ウォリン、リンゼイ、シュミット

『早稲田社会科学研究』(52)1996年03月-

政治と秩序をつなぐもの(上)——マキァヴェリと政治の秩序(5)

『早稲田社会科学研究』(51)1995年10月-

現実主義と政治的人間(下)——マキァヴェリと政治の秩序(4)

『早稲田社会科学研究』(50)1995年03月-

現実主義と政治的人間(上)——マキァヴェリと政治の秩序(3)

『早稲田社会科学研究』(49)1994年10月-

中世秩序理念の解体と政治的現実主義(下)——マキァヴェリと政治の秩序(2)

『早稲田社会科学研究』(48)1994年03月-

中世秩序理念の解体と政治的現実主義(上)——マキァヴェリと政治の秩序(1)

『早稲田社会科学研究』(47)1993年10月-

N・マキアヴェリの政治思想(1)——序説

『早稲田政治公法研究』(42)1993年02月-

ヨーロッパ統合の文明史:小倉欣一編『ヨーロッパの分化と統合——国家・民族・社会の史的考察』(太陽出版)

『早稲田ウィークリー』(1025)2004年04月-

リンドバーグ夫人『海からの贈り物』(新潮文庫)

『早稲田ウィークリー』2002年01月-

永岡薫編『イギリス・デモクラシーの擁護者 A.D.リンゼイ——その人と思想』(聖学院大学出版会)

『本のひろば』、キリスト教文書センター1998年-

二つの学究気風に触れて

『社会科学部報』、早稲田大学社会科学部(42)2002年10月-

書籍等出版物

レオ・シュトラウスの政治哲学 : 『自然権と歴史』を読み解く

石崎嘉彦, 厚見恵一郎編著

ミネルヴァ書房2019年-2019年

LINK

詳細

ISBN:9784623083930;

『社会思想史事典』(項目「マキァヴェッリ」「人文主義」を執筆)

社会思想史学会編

2019年 01月-

詳細

事典・辞書総ページ数:888ISBN:978-4-621-30341-2

『ユートピアの再構築』(第2章「ルネサンス・イタリアにおける反キケロ主義とユートピア」を執筆)

石崎嘉彦・菊池理夫編(共著)

晃洋書房2018年 01月-

詳細

単行本(学術書)総ページ数:169担当ページ数:30-55ISBN:978-4-7710-2931-6

マキァヴェッリ、合理主義、喜劇、そして近代性――村田玲著『喜劇の誕生:マキァヴェッリの文芸諸作品と政治哲学』刊行に寄せて

厚見恵一郎(その他)

風行社2016年 09月-2016年 09月

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総ページ数:2

概要:新刊紹介

法と政治の境界線、思慮と狡知の境界線~ジョバンニ・ボッテーロ(石黒盛久訳)『国家理性論』刊行に寄せて

厚見恵一郎(その他)

風行社2016年 02月-

詳細

その他担当ページ数:4-6

『西洋政治思想資料集』に「マキァヴェッリ」の項目を分担執筆

杉田敦・川崎修編著

法政大学出版局2014年 09月-

『「政治哲学」のために』(第4章159-183, 373-374ページを飯島昇藏と共著)

飯島昇藏・中金聡・太田義器編

行路社2014年 02月-

『哲学者マキァヴェッリについて』(共訳)

レオ・シュトラウス(飯島昇藏・村田玲・厚見恵一郎訳)

勁草書房2011年 11月-

『レオ・シュトラウスと神学−政治問題』(第四章「なぜ政治哲学か?」を翻訳)

ハインリッヒ・マイアー(石崎嘉彦・飯島昇藏・太田義器監訳)

晃洋書房2010年 10月-

『公共性をめぐる政治思想』(第九章「共和主義、公共性、歴史叙述」を執筆)

齋藤純一編著

おうふう2010年 09月-

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担当ページ数:211-233

『イギリス哲学・思想事典』に項目「ルネサンス」を執筆

日本イギリス哲学会編

研究社2007年 11月-

『マキァヴェッリの拡大的共和国——近代の必然性と「歴史解釈の政治学」』

厚見恵一郎

木鐸社2007年 04月-

『リベラリズム——古代と近代』(第七章「パドゥアのマルシリウス」を翻訳)

レオ・シュトラウス

ナカニシヤ出版2006年 03月-

『藤原保信著作集』第3巻の解説を分担執筆

藤原保信(中金聡・厚見恵一郎編)

新評論2005年 09月-

『憲法と政治思想の対話』(第八章「市民の徳と政治の制度——『美徳なき時代』再読」を執筆)

飯島昇藏・川岸令和編

新評論2002年 07月-

詳細

担当ページ数:271-293

『社会正義論の系譜——ヒュームからウォルツァーまで』(第四章「パレートと正義の批判」を翻訳)

ディヴィッド・バウチャー、ポール・ケリー編

ナカニシヤ出版2002年 03月-

以下の18項目を『政治学事典』(弘文堂)に執筆:マキァヴェッリ、主権、国家理性、フォルトゥナ/ヴィルトゥ、ピュシス/ノモス、デュナミス/エネルゲイア、インペリウム、エウノミア(秩序)、エクレーシア、友愛(ピリア)、弁論術(レトリケー)、キケロ、トマス・ペイン、イソクラテス、ジョルダノ・ブルーノ、ダンテ、ヘロドトス、エラスムス

猪口孝、岡澤憲芙、スティーブン・R・リード、大澤真幸、山本吉宣編

弘文堂2000年 10月-

『西洋政治思想史Ⅰ』(第七章「マキアヴェリ」を執筆)

藤原保信・飯島昇藏編

新評論1995年 05月-

『国際化と人権——日本の国際化と世界人権体制の創造』(第五章「エコロジーと人権」を翻訳)

山本武彦、藤原保信、ケリー・ケネディ・クオモ編

国際書院1994年 09月-

講演・口頭発表等

小田英『宗教改革と大航海時代におけるキリスト教共同体』(文生書院)へのコメント

政治思想研究会2018年07月07日

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国内会議シンポジウム・ワークショップ パネル(指名)

翻訳、タイトル、直訳――「飯島昇藏とレオ・シュトラウス政治哲学」への一視角

厚見恵一郎

第35回政治哲学研究会2017年09月16日

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国内会議口頭発表(一般)開催地:国士舘大学

ルネサンス・イタリアにおける反キケロ主義とユートピア

厚見恵一郎

現代規範理論研究会2017年07月08日

詳細

国内会議口頭発表(一般)

村田玲『喜劇の誕生』をめぐって

厚見恵一郎

第33回政治哲学研究会(政治哲学研究会)2017年03月05日

詳細

国内会議口頭発表(一般)開催地:お茶の水女子大学

概要: 村田玲『喜劇の誕生』(風行社、2016年)へのコメント

ルネサンス・イタリアにおける反キケロ主義とユートピア

厚見恵一郎

2016年度日本政治学会研究大会(日本政治学会)2016年10月01日

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国内会議口頭発表(一般)開催地:立命館大学

シュトラウスはロックの自然法論をどう読んだか

第27回政治哲学研究会(北海道大学)2014年09月10日

詳細

口頭発表(一般)

鹿子生浩輝著『征服と自由——マキァヴェッリ政治思想とルネサンス・フィレンツェ』をめぐって

第174回成蹊大学思想史研究会(成蹊大学)2014年06月21日

詳細

口頭発表(一般)

村田玲氏報告へのコメント

第23回政治哲学研究会(北海道大学)2013年09月14日

詳細

口頭発表(一般)

ネイサン・タルコフ(シカゴ大学教授)講演「マキァヴェッリの近代的転回」日本語要約

政経130周年記念講演会(早稲田大学)2012年09月24日

詳細

口頭発表(一般)

『マキァヴェッリの拡大的共和国』をめぐって

第214回早稲田政治思想研究会(早稲田大学)2007年07月

詳細

口頭発表(一般)

『マキァヴェッリの拡大的共和国』をめぐって

東京大学政治理論研究会(東京大学)2007年07月

詳細

口頭発表(一般)

君主の地位と統治理性——マキァヴェッリstato論の「文脈」再考

第14回政治思想学会研究会(明治学院大学)2007年05月

詳細

口頭発表(一般)

共和主義、制度、階層——マキァヴェッリ混合政体論における気質と拡大

第30回社会思想史学会大会(岡山大学)2005年11月

詳細

口頭発表(一般)

外部研究資金

科学研究費採択状況

研究種別:基盤研究(C)

人文主義政治思想史における快楽主義の影響の研究:「徳の政治学」の功利的変容

2016年04月-2019年03月

研究分野:政治学

配分額:¥2080000

研究種別:

デモクラシーと宗教:政治思想史、政治理論、地域研究の総合的アプローチ

2013年-0月-2016年-0月

配分額:¥4160000

研究種別:

初期近代政治思想史における統治進言書の系譜

2011年-0月-2014年-0月

配分額:¥2210000

研究種別:

マキアヴェリ国家論の研究(歴史的公共体の理念と制度)

配分額:¥1400000

研究種別:

マキアヴェッリとフィレンツェの政治文化-社会形成に〈神〉は必要か

2018年-0月-2021年-0月

配分額:¥4290000

研究種別:

人文主義政治思想史における快楽主義の影響の研究:「徳の政治学」の功利的変容

2016年-0月-2019年-0月

配分額:¥2080000

学内研究制度

特定課題研究

初期近代人文主義政治思想史におけるエピクロス主義の影響

2017年度

研究成果概要:当該課題に関連して、2017年度は以下の研究活動を実施した。(1)2017年6月にケンブリッジ大学において実施された初期近代イタリア政治思想についてのカンファレンスに参加した。(2)(1)にあわせて、大英図書館、ケンブリッジ大学図...当該課題に関連して、2017年度は以下の研究活動を実施した。(1)2017年6月にケンブリッジ大学において実施された初期近代イタリア政治思想についてのカンファレンスに参加した。(2)(1)にあわせて、大英図書館、ケンブリッジ大学図書館、オクスフォード大学図書館にて、エピクロス主義者ルクレティウスのルネサンス期における写本調査と史料収集を実施した。(3)関連先行研究論文の読解と研究メモの執筆を進めた。 (4)「徳の政治学の系譜」との関連で、ルネサンス・イタリアにおけるユートピア政治思想にかんする次の論文を公刊した。厚見恵一郎「ルネサンス・イタリアにおける反キケロ主義とユートピア」、石崎嘉彦・菊池理夫編『ユートピアの再構築』、晃洋書房、2018年1月、30-55頁、ISBN:978-4-7710-2931-6

マキアヴェリ政治秩序観念に関する思想史的研究-現実主義と歴史-

1995年度

研究成果概要: 95年度は,論文(1)において,マキアヴェリの「現実主義」的な秩序観と人間観の成立を確認し,それを前提とした歴史叙述の手法と共和主義の倫理観および国家観を検討した。マキアヴェリの「現実主義」的な秩序観は,普遍的な実在規範が消失... 95年度は,論文(1)において,マキアヴェリの「現実主義」的な秩序観と人間観の成立を確認し,それを前提とした歴史叙述の手法と共和主義の倫理観および国家観を検討した。マキアヴェリの「現実主義」的な秩序観は,普遍的な実在規範が消失しながらもなお近代科学的な構成主義的秩序観が未成立であった時代にもたらされた世界像の動態化を前提としつつ,自然ではなく人為の力によってそれを秩序づけようとしたものであり,その際このような世界の動態化それ自身が,臨機応変な規範としての循環する歴史の物語を倫理基準として要請していったことを確認した。 また,論文(2)では,マキアヴェリ政治思想のなかに政治倫理の基準としての循環的・教訓的歴史が登場する経緯に焦点を絞って,古代との連続・非連続を考察した。マキアヴェリにおいて,哲学の補助手段でも事実の混沌とした集積でもなく教訓の宝庫としての歴史が成立しうるのは,歴史が秩序と無秩序の往復と考えられたからであり,循環する歴史(=フォルトゥナ)への期待があったからである。マキアヴェリにとって,世界は実体的形相の複合体ではなく,上下なき一様な運動の必然性であり,機能的に一元化された同質的空間と映った。人間はどの時代にも同じであり,古代と現代の隔たりは同一平面上での相対的なものにすぎず,しかも歴史が循環し繰り返すとすれば,過去の偉人と現代のわれわれは似通った経験を共有することができるし,過去に実際にあった栄誉はこれからも実現されうるであろう。歴史とは,一方向へと不可逆的に進展する普遍的な理念の実現過程ではなく,各時代各民族の文化の個性をひとつの典型として後世に伝え,永続的にその民族の文化を価値あらしめるような,想像力で補われた史料にもとづく描写である。マキアヴェリの政治学は,現実政治の客観的な観察から出発して,状況に応じた政策を提示しようとする帰納的性格だけでなく,歴史世界の同型性という前提のもとに,古代ローマを模範とした理念的人間像から出発して現実を構成していこうとする演繹的性格をももっているのである。 マキアヴェリにとっては,目的論と因果論がひとつになり,すべてを呑み込む必然性をもって目標に向かっていく直線的な普遍史観=歴史全体法則主義は,個々の出来事の独立した意味を歴史法則の必然によって薄めてしまい,過去の軽視を招くものであった。こうした必然から過去の生の事例の意味を救出し,それらを現在の生という「現実」に生かすことこそが,政治と秩序をつなぐ「現実主義」的な教訓的歴史の役割であった。可変的なものを独立して考究しようとするこのようなマキアヴェリの立場は,価値や意味は多元的なものとして個々の実例に内在していると考えるローマ的な歴史編纂の前提に則っている。そこでは,特殊を総合するための中心的な契機として「時間」を要請するような歴史概念は不要であった。個別を取りまとめて意味を付与し,たんなる実例の集積を教訓の手段たる「歴史」たらしめるものがあるとすれば,それは一定方向への時間の流れではなくて,あらゆる出来事がそれへと回帰する中心的かつ決定的な唯一の「はじまり」--すなわちローマの都市の「創設」という事件--だったのである。マキアヴェリが,現在の生に奉仕する歴史の模範をローマの創設時代に求めるのも,循環史観の始源回帰的性格のゆえであろう。論文(1)「マキアヴェリ-共和主義・国家理性・歴史」(藤原保信・飯島昇蔵編『西洋政治思想史I』,新評論,1995年5月)論文(2)「政治と秩序をつなぐもの(上)-マキアヴェリと政治の秩序(5)」(『早稲田社会科学研究』第51号,1995年10月)

マキアヴェリにおける歴史叙述と共和主義国家

1996年度

研究成果概要: 本研究は、マキアヴェリにおける歴史観と国家観のつながりについてひとつの解釈を提供しようとするものであった。これは、哲学的著作を残さなかったマキアヴェリの政治思想を、その世界観的基礎にまで遡って原理的かつ体系的に考察し、それを近代... 本研究は、マキアヴェリにおける歴史観と国家観のつながりについてひとつの解釈を提供しようとするものであった。これは、哲学的著作を残さなかったマキアヴェリの政治思想を、その世界観的基礎にまで遡って原理的かつ体系的に考察し、それを近代政治思想史の出発点に位置づけようとする試みの一部である。96年度発行の以下のふたつの論文にその成果がまとめられた。 (a)「政治と秩序をつなぐもの(下):マキアヴェリと政治の秩序(6)」(『早稲田社会科学研究』第53号、1996年10月) (b)「マキアヴェリにおける政体の設立と選択:マキアヴェリの歴史的国家理論(1)」(『早稲田社会科学研究』第54号、1997年3月) 論文(a)では、マキアヴェリの歴史観における歴史認識のありかた、つまり歴史物語から政治的教訓を読みとる解釈技法の実践的な性格を明らかにしつつ、そうした歴史解釈が公共体的国家論と結合していく論理的経過を考察した。論文(b)では、論文(a)の内容をもふまえて、とりわけ政体の設立と選択に関する古典的政治学との異同に焦点を当てながら、マキアヴェリの歴史的国家の具体的内容を検討した。97年度以降も、政体論を中心に、引き続きマキアヴェリの国家理論の研究をすすめていく予定である。

マキアヴェリ国家論の研究-歴史的公共体の政体論-

1997年度

研究成果概要:本研究は、マキアヴェリの国家論を、その政体論に焦点をしぼりつつ歴史的に検討するものである。かれの政治理念を歴史的公共体の政治思想として提示し、「近代政治思想の開幕者」「公民的共和主義の伝統の継承者」「国民国家形成期の絶対主権論を生...本研究は、マキアヴェリの国家論を、その政体論に焦点をしぼりつつ歴史的に検討するものである。かれの政治理念を歴史的公共体の政治思想として提示し、「近代政治思想の開幕者」「公民的共和主義の伝統の継承者」「国民国家形成期の絶対主権論を生み出した国家理性論者」といったマキアヴェリのさまざまな相貌間の緊張を調停するための一助としていきたいと考えている。 本年度は、『ディスコルシ』の読解をつうじて、マキアヴェリの国家論のなかでの政体論と共和主義との関係を考察した。キケロらに代表される伝統的共和主義とマキアヴェリの国家論との異同が、共同性を実現する栄誉を自由と考える自由観や、共同性の維持と不可分に結合した個々の徳目観にも見いだされることを確認することができ、それをマキアヴェリ共和主義を扱った別記論文として公表した。いかなる都市も自由なくして栄誉を獲得することはできないという主張、そして共和的政治体制の維持なくして自由な政治生活を維持することはできないという主張。これらがマキアヴェリ的共和主義が伝統的共和主義から継承した政治的自由観念の本質であった。たしかに、法にしたがって形成された体制=政治体制body politicを指すのにres publica, repubblicaの語を用いていた人文主義者たちの用語法と、ときとしてstatoをも用いるマキアヴェリの用語法とは異なる。しかし共通善と共和体制を不可分と考える点はマキアヴェリも伝統的共和主義者の人文主義者たちも同じであって、共和主義的な選挙体制下でのみ公民的偉大さが発達しうるとマキアヴェリは考えていた。換言すれば、マキアヴェリにとっても、政治や国家は「差異の」自由を擁護するためではなく、公共体に「共通する」自由を擁護するためにあるのである。マキアヴェリの歴史的公共体の国家論には、こうした共和主義の要素が含まれている。研究成果の発表:論文「マキアヴェリ共和主義の再検討(上)-マキアヴェリの歴史的国家理論(2)-」(『早稲田社会科学研究』第55号、1997年10月)

共和主義と自由主義-マキアヴェリ共和主義の再検討-

1998年度

研究成果概要: 国家形成理念としての共和主義は、近代的自然権概念の成立以降は、自由主義政治思想の背後に退いてしまったのであろうか。ポコック・テーゼ以降、共和主義思想史の掘り起こしが盛んになっているが、本研究はマキァヴェッリの政治概念の再検討の視... 国家形成理念としての共和主義は、近代的自然権概念の成立以降は、自由主義政治思想の背後に退いてしまったのであろうか。ポコック・テーゼ以降、共和主義思想史の掘り起こしが盛んになっているが、本研究はマキァヴェッリの政治概念の再検討の視角から、初期近代における共和主義と自由主義の関係の一面を探ろうとするものである。Q.スキナーやP.ペティットが述べているように、積極的自由(客観的善への参与=アリストテレス)と消極的自由(私的独立と平和の享受=ホッブズ)というバーリン的な区別によっては、近代共和主義の自由概念を十分に捉えることはできない。むしろ両主義の自由概念の違いは、自由を公私両面にわたる妨害一般の不在と考えて、あらゆる法を妨害除去のための必然的強制力とみる自然権的自由主義に対して、共和主義は、自由を恣意的妨害の不在と考えて、恣意的妨害除去のためにはわれわれ自身という公的領域(=法)に頼りつつ集団的自治を達成しなければならないとみる点に存する。客観的善のうえに国家を基礎づけることができないからこそ私的領域よりも公的領域(法共同体)への献身を優先せねばならないとする共和主義を、マキアヴェリは自身の政治学の中軸としている。かれが、中立国家ではなく、市民的徳を教える歴史の伝統を重視して市民を育てる倫理的国家を要請する理由もここにある。マキアヴェリは、古典古代の共和主義者と違って、公的役割の完遂と人間の卓越性の完成とを区別している。かれにとって公的徳とは人間の卓越的本性の完成ではなく、公務への献身による法秩序それ自体の維持拡大である。公的徳は幸福という自然的共通目標をもたないからである。古典古代から見れば道徳的善と共通善との逆転(L.シュトラウス)と映ったであろう、こうした有徳と幸福の分離、公的徳と私的善の分離は、後のアメリカ革命における自由主義と共和主義との協調(ジェファソン)の下地となっていった。

フィレンツェ共和主義の比較研究--サルターティ、ブルーニ、グッチャルディーニ、マキァヴェッリ--

1999年度

研究成果概要: 1999年度は、14-16世紀のフィレンツェ共和主義を代表する3人の著述家---Coluccio Salutati (1331-1406), Leonardo Bruni (1369-1444), Francesco Guic... 1999年度は、14-16世紀のフィレンツェ共和主義を代表する3人の著述家---Coluccio Salutati (1331-1406), Leonardo Bruni (1369-1444), Francesco Guicciardini (1483-1540)---の所説を検討しつつ、とくに共和的自由・市民的徳・政体の概念について、マキァヴェッリとの比較を通じて、共和主義の近代的源泉に迫ることを試みた。 研究の焦点は、ペトラルカ流の人文主義的な修辞学の影響をなお強く受け継いでいるサルターティ、ブルーニ、グッチャルデーニの共和主義と対照して、マキァヴェッリの共和主義の近代的性格を明らかにすることであった。その際、唯一の公共意志への献身という市民的徳に支えられた一様な政治共同体を前提とするルソー的な一元的共和主義の要素と、国家内での階層対立を前提とする複合的な共和主義の要素とが、マキァヴェッリ共和主義のなかで同居している点に着目した。他国との事実上の力関係によって傲慢と卑屈を往復するのではなく、政治の論理と政治権力、公的正義と私的利害とを峻別しつつ、内なる独立と外なる独立、個人の自立と国家の自立とを不可分のものと考えていく点に、マキァヴェッリ国家論の共和主義的性格と近代的性格との双方が存する。マキァヴェッリの「永続的(運動の)共和国」(perpetual republic)が近代の非人格的国家への道を開いたとするH.マンスフィールドの主張や、マキァヴェッリの近代性の一端は道徳的徳と共和的徳との伝統的優位関係を逆転させた点に存するとするL.シュトラウスの主張は、共和主義と近代性との関係を考察する際の有益な示唆を与えてくれる。 本研究の特徴は、大西洋圏共和主義の伝統にマキァヴェッリを位置づけるJ.G.A.ポコックの手法にならいながらも、ポコックが同一地平上に見たマキァヴェッリとフィレンツェ共和主義者たちとの相違をむしろ浮き立たせ、近代的共和主義の観念を明確化しようとする点に存する。1999年度は、歴史的アプローチと理論的アプローチを併用しながら、サルターティ、ブルーニ、グッチャルデーニ、マキァヴェッリの著作および研究文献の収集と読解をすすめた。

シヴィック・ヒューマニズム概念の再検討-フィレンツェ歴史叙述における祖国愛と修辞術

2001年度

研究成果概要:研究成果の一部は、下記研究成果発表記載の論文(1)において公表された。以下はその論文の英文による要約である。 This article aims to put Machiavelli's Il Principe in the...研究成果の一部は、下記研究成果発表記載の論文(1)において公表された。以下はその論文の英文による要約である。 This article aims to put Machiavelli's Il Principe in the Florentine rhetorical tradition, and to review its relation to his historiography under the early modern transformation of philosophy/rhetoric problem. As some recent studies show, the revival of ancient rhetoric in the 15-16th centuries' Florentine humanism had a great influence on the style and composition of Il Principe. However, rhetorical factors in Il Principe such as paragone and periodus suggest not only that Machiavelli is in the Ciceronian tradition of practical----not aesthetic----rhetoric, but also that classical rhetoric/philosophy debate undergoes an important change in Florentine and Machiavelli's rhetorical historiography.  Ciceronian tradition of practical rhetoric emphasized two aspects of philosophy-rhetoric relation. (1)Philosophical truth (ratio) needs rhetoric (oratio) as persuasive means to be effective truth (verita effettuale), i.e., philosophers must be rhetoricians. (2)Eloquence must have philosophical truth as foundation of it, i.e., rhetoricians must be philosophers. Machiavelli's (and Florentine) practical and rhetorical historiography presupposes just the first meaning, and omits the second.  In my view, the first meaning of the practical rhetoric is in the center of Florentine instructive historiography. In Renaissance humanism, history is regarded as the mixed field of philosophy and eloquence. In other words, the mixture of 'history as discovery of truth (=true intention of the political man)' and 'history as effective policy lessons' formed 'the politics of history' in Renaissance, which can be traced back to Thucydides and Polybius. According to Leo Strauss, Hobbes discontinued this 'politics of history' as a kind of historicism, and Rousseau resumed it as 'the second wave of modernity'.

15-16世紀イタリア政治思想における古代ローマの継受

2004年度

研究成果概要: 2004年度は、おもに当該テーマにかかわる国内外の一次・二次文献の収集をおこない、読解に着手した。なかでも、インターネット古書サイトを利用して、現在品切れ中のThe Digest of Justinian(ローマ法原文ラテン語英... 2004年度は、おもに当該テーマにかかわる国内外の一次・二次文献の収集をおこない、読解に着手した。なかでも、インターネット古書サイトを利用して、現在品切れ中のThe Digest of Justinian(ローマ法原文ラテン語英語対訳)を海外の古書店より入手できたことは、文献上の収穫であった。 ローマ法そのものの研究への着手にくわえて、もうひとつの課題であるルネサンス・フィレンツェ政治思想(とりわけマキァヴェッリ)へのローマ法思想の影響についても研究を進めた。マキァヴェッリにおけるローマ・イメージと共和主義の近代的性格について、研究文献の読解と論文執筆を継続し、これまでの研究にさらに内容を加味することができた。これらをふまえて、これまでのマキァヴェッリ研究の成果を「マキァヴェッリの拡大的共和国----近代の必然性と「歴史の政治学」」と題した博士学位論文にまとめ、2005年1月に早稲田大学大学院政治学研究科に提出し、同2月9日付で受理通知をいただいた。この博士学位請求論文をもとにした単著を2005-2006年度内に上梓することを計画し、現在出版社と交渉中である。あわせて、そのための出版助成金の申請も準備中である。 2004年度後期から学術院長補佐としての職務が加わったこともあって、当初予定していたアメリカ政治学会への出張は実現できなかったが、これまでの研究の取りまとめと新たな文献収集・読解への着手ができたことは、申請者の研究経過において大きな意味をもつ1年であったと考えている。(2/19/2005)

貴族政の政治思想史:イタリア人文主義におけるローマ史像転換を軸として

2006年度

研究成果概要:2006年度は、当該テーマにかかわる文献の収集をおこなった。また、当該テーマそのものとは若干異なるものの、当該テーマに深くかかわるこれまでの研究をまとめた単著が、2007年3月下旬もしくは4月上旬に木鐸社より刊行されることになって...2006年度は、当該テーマにかかわる文献の収集をおこなった。また、当該テーマそのものとは若干異なるものの、当該テーマに深くかかわるこれまでの研究をまとめた単著が、2007年3月下旬もしくは4月上旬に木鐸社より刊行されることになっている。これらをふまえて、今後の研究に生かしていく所存である。

現在担当している科目

科目名開講学部・研究科開講年度学期
プレ政治学演習 (厚見恵一郎)政治経済学部2019冬クォーター
政治学演習 I (厚見恵一郎)政治経済学部2019春学期
政治学演習 II (厚見恵一郎)政治経済学部2019秋学期
政治学演習 III (厚見恵一郎)政治経済学部2019春学期
政治学演習 IV (厚見恵一郎)政治経済学部2019秋学期
政治学演習論文 (厚見恵一郎)政治経済学部2019春学期
政治学演習論文 (厚見恵一郎)政治経済学部2019秋学期
現代市民権理論社会科学部2019春学期
政治学入門 A社会科学部2019春学期
政治学入門 B社会科学部2019秋学期
政治学史 I社会科学部2019春学期
政治学史 II社会科学部2019秋学期
ゼミナールI(政治思想研究/秋学期)社会科学部2019秋学期
ゼミナールII(政治思想研究/春学期)社会科学部2019春学期
ゼミナールII(政治思想研究/秋学期)社会科学部2019秋学期
ゼミナールIII(政治思想研究/春学期)社会科学部2019春学期
ゼミナールIII(政治思想研究/秋学期)社会科学部2019秋学期
政治思想史・政治哲学 I大学院社会科学研究科2019秋学期
政治思想史・政治哲学 II大学院社会科学研究科2019春学期
政治思想研究演習 I(春学期)大学院社会科学研究科2019春学期
政治思想研究演習 I(秋学期)大学院社会科学研究科2019秋学期
政治思想研究演習 II(春学期)大学院社会科学研究科2019春学期
政治思想研究演習 II(秋学期)大学院社会科学研究科2019秋学期

教育内容・方法の工夫

毎回の講義におけるハンドアウトの配布

詳細

概要:講義科目においては、学生の理解に資すると同時に参考文献を紹介する等するため、講義内容を項目別に要約したハンドアウトを出席者全員にほぼ毎回配布し、それにもとづいた講義を行なっている。