マチダ モリヒロ
教授 (https://researchmap.jp/read0213401/)
(教育学部)
教育・総合科学学術院(大学院教育学研究科)
研究院(研究機関)/附属機関・学校(グローバルエデュケーションセンター)
兼任研究員 1989年-
-1974年 | 早稲田大学 教育学部 国語国文学科 |
博士(教育学) 論文 早稲田大学
1974年-2002年 | 早稲田大学系属早稲田実業学校教諭 |
1987年-1993年 | 立正大学教養部非常勤講師 |
1996年-2003年 | 関東学院大学文学部非常勤講師 |
1997年-2002年 | 早稲田大学教育学部非常勤講師 |
2013年-2019年 | 信州大学人文学部非常勤講師 |
早稲田大学国語教育学会 代表委員(2012年から2018年まで)
日本国語教育学会 常任理事,高等学校部会長
全国大学国語教育学会 関東地区理事
日本文学協会
早稲田大学国文学会
解釈学会 常任委員
大村はま記念国語教育の会 理事
室生犀星学会
日本マンガ学会
2009年12月
社会科学 / 教育学 / 教育学
研究テーマのキーワード:境界線上の教材
個人研究
研究テーマのキーワード:出会い 挑発 戦略
個人研究
研究テーマのキーワード:楽しく、力のつく
個人研究
研究テーマのキーワード:メディア・リテラシー
個人研究
個人研究
個人研究
個人研究
月刊国語教育研究54(565)p.2 - 32019年05月-
ISSN:03861783
早稲田大学大学院教育学研究科紀要(29)p.105 - 1182019年03月-
ISSN:1340-2226
町田 守弘
実践国語研究42(5)p.64 - 642018年09月-
ISSN:0288-8653
実践国語研究42(4)p.64 - 642018年07月-
ISSN:0288-8653
町田 守弘
月刊国語教育研究553(555)p.2 - 32018年07月-
ISSN:0386-1783
実践国語研究42(3)p.64 - 642018年05月-
ISSN:0288-8653
早稲田大学教育・総合科学学術院『学術研究』(人文科学・社会科学編)(第66号)p.97 - 1152018年03月-
月刊国語教育研究52(548)p.2 - 32017年12月-
ISSN:0386-1783
教育科学国語教育59(6)p.84 - 872017年06月-
ISSN:2188-4250
実践国語研究41(1)p.4 - 52017年01月-
ISSN:0288-8653
町田守弘
室生犀星研究(室生犀星学会)(39)p.5 - 172016年11月-
ISSN:0918-4678
教育科学国語教育58(8)p.16 - 212016年08月-
月刊国語教育研究51(530)p.2 - 32016年06月-
月刊国語教育研究51(527)p.28 - 312016年03月-
月刊国語教育研究50(524)p.2 - 32015年12月-
月刊国語教育研究49(511)p.10 - 112014年11月-
文学(岩波書店)15(5)p.154 - 1552014年09月-
実践国語研究38(5)p.9 - 102014年09月-
月刊国語教育研究49(508)p.2 - 32014年08月-
教育科学国語教育(明治図書)56(5)p.82014年05月-
学術研究—人文科学・社会科学編(62)p.163 - 1812014年03月-
月刊国語教育研究48(500)p.14 - 152013年12月-
学術研究—人文科学・社会科学編(61)p.169 - 1822013年03月-
早稲田教育評論21(1)p.183 - 1922013年03月-
月刊国語教育研究47(485)p.2 - 32012年09月-
月刊国語教育研究47(480)p.22 - 272012年04月-
月刊国語教育研究46(475)p.172011年11月-
授業力&学級統率力49(11)p.72011年11月-
月刊国語教育研究46(472)p.2 - 32011年08月-
解釈57(5.6)p.2 - 112011年06月-
月刊国語教育研究46(467)p.46 - 472011年03月-
月刊国語教育研究46(466)p.46 - 472011年02月-
月刊国語教育研究46(465)p.46 - 472011年01月-
月刊国語教育研究45(464)p.48 - 492010年12月-
教育科学国語教育52(15)p.17 - 192010年12月-
教育科学国語教育52(12)p.26 - 282010年10月-
月刊国語教育研究45(461)p.46 - 472010年09月-
月刊国語教育研究45(461)p.2 - 32010年09月-
月刊国語教育研究45(460)p.48 - 492010年08月-
月刊国語教育30(6)p.44 - 452010年08月-
月刊国語教育30(5)p.46 - 492010年07月-
月刊国語教育研究45(459)p.46 - 472010年07月-
月刊国語教育研究45(458)p.48 - 492010年06月-
月刊国語教育研究45(457)p.46 - 472010年05月-
月刊国語教育研究45(456)p.46 - 472010年04月-
早稲田大学国語教育研究(30)p.1 - 122010年03月-
日本語学29(3)p.18 - 252010年03月-
月刊国語教育29(6)p.34 - 372009年08月-
解釈55(5-6)p.2 - 92009年06月-
月刊国語教育研究44(446)p.2 - 32009年06月-
月刊国語教育2009.5別冊『明日を拓く国語科重要用語辞典』(東京法令出版)29(3)p.52 - 532009年05月-
月刊国語教育2009.5別冊『明日を拓く国語科重要用語辞典』(東京法令出版)29(3)p.54 - 552009年05月-
教育科学国語教育50(8)p.24 - 272008年07月-
国語教育研究所編「教育科学国語教育」(2008年6月号臨時増刊No.694)50(7)p.83 - 842008年06月-
三重県高等学校国語科研究会研究紀要「はまゆう」(57)p.28 - 342008年06月-
月刊国語教育2008.5別冊『国語科指導開発事典』(東京法令出版)28(3)p.130 - 1312008年05月-
月刊国語教育2008.5別冊『国語科指導開発事典』(東京法令出版)28(3)p.66 - 672008年05月-
三省堂国語教育「ことばの学び」(15)p.4 - 72008年02月-
早稲田大学教育学部「学術研究」(56)p.1 - 142008年02月-
解釈53(5・6)p.2 - 102007年06月-
月刊国語教育2007.5別冊『国語科重要用語辞典』(東京法令出版)27(3)p.64 - 652007年05月-
月刊国語教育2007.5別冊『国語科重要用語辞典』(東京法令出版)27(3)p.62 - 632007年05月-
月刊国語教育研究42(421)p.2 - 32007年05月-
尾木和英、河野庸介、田中孝一、町田守弘
月刊国語教育27(1)p.28 - 412007年04月-
早稲田大学大学院「教育学研究科紀要」(17)p.137 - 1502007年03月-
早稲田大学教育学部「学術研究」(55)p.1 - 132007年02月-
月刊国語教育研究42(417)p.22 - 272007年01月-
教育科学国語教育48(10)p.5 - 72006年10月-
月刊国語教育研究41(411)p.61 - 612006年07月-
月刊国語教育2006.5別冊26(3)p.10 - 132006年06月-
月刊国語教育(東京法令出版)26(2)p.12 - 152006年05月-
早稲田大学大学院教育学研究科紀要(16)p.129 - 1452006年03月-
学術研究—国語・国文学編(早稲田大学教育学部)(54)p.55 - 692006年02月-
月刊国語教育研究40(403)p.4 - 52005年11月-
全国大学国語教育学会(第109回大会)2005年10月-
教育科学国語教育47(9)p.8 - 102005年09月-
解釈(解釈学会)51(5,6)p.2 - 72005年06月-
『生徒を引きつける言語活動開発マニュアル』(『月刊国語教育』2005.5別冊、東京法令出版)2005年05月-
日本言語技術教育学会編「言語技術教育」(14)p.94 - 982005年04月-
教育科学国語教育47.32005年03月-
早稲田大学大学院教育学研究科紀要(15)p.115 - 1272005年03月-
教育科学国語教育47.22005年02月-
早稲田大学教育学部「学術研究」(53)p.1 - 142005年02月-
教育科学国語教育47.12005年01月-
教育科学国語教育46.122004年12月-
『中学校国語科教育CD−ROM授業実践資料集・理論編1』株式会社ニチブン2004年12月-
教育科学国語教育46.112004年11月-
教育科学国語教育46.10 2004年10月-
教育科学国語教育46.92004年09月-
教育科学国語教育46.82004年08月-
教育科学国語教育46.72004年07月-
実践国語研究(明治図書)28.72004年07月-
ことばの学び(三省堂)5 2004年06月-
教育科学国語教育46.62004年06月-
教育科学国語教育46.52004年05月-
新しい国語科を拓く教材研究・開発マニュアル(『月刊国語教育』2004.5別冊、東京法令出版)2004年05月-
教育科学国語教育(明治図書)46.42004年04月-
早実研究紀要382004年03月-
月刊国語教育23.132004年03月-
月刊国語教育研究2004年03月-
月刊国語教育23.132004年03月-
早稲田大学大学院教育学研究科紀要142004年03月-
月刊国語教育23.122004年02月-
学術研究−国語・国文学編−/早稲田大学教育学部522004年02月-
日本国語教育学会(平成15年度第2回大学部会)2003年12月-
月刊国語教育23.92003年11月-
月刊国語教育23.82003年10月-
全国大学国語教育学会(第105回大会)2003年10月-
月刊国語教育研究2003年09月-
月刊国語教育23.72003年09月-
教育科学国語教育(明治図書)45.8 2003年08月-
月刊国語教育23.62003年08月-
月刊国語教育23.52003年07月-
月刊国語教育23.4 2003年06月-
解釈(解釈学会)49.5・6 2003年06月-
三省堂高校国語教育2003年05月-
月刊国語教育(2003.5別冊『厳選指導技法ハンドブック』)23.32003年05月-
月刊国語教育23.22003年05月-
月刊国語教育23.12003年04月-
早稲田大学大学院教育学研究科紀要132003年03月-
早実研究紀要(早稲田実業学校)372003年03月-
月刊国語教育22.132003年03月-
月刊国語教育22.132003年03月-
月刊国語教育22.122003年02月-
学術研究-国語・国文学編−/早稲田大学教育学部512003年02月-
月刊国語教育22.112003年01月-
高校国語教育(三省堂)2002年12月-
月刊国語教育22.102002年12月-
月刊国語教育22.92002年11月-
全国大学国語教育学会(第103回大会)2002年10月-
日本語学(明治書院)21.122002年10月-
月刊国語教育22.82002年10月-
月刊国語教育22.72002年09月-
月刊国語教育22.62002年08月-
早稲田大学国語教育学会(2002年度大会)2002年07月-
月刊国語教育22.52002年07月-
月刊国語教育22.42002年06月-
月刊国語教育研究2002年06月-
月刊国語教育22.22002年05月-
月刊国語教育22.12002年04月-
早実研究紀要2002年03月-
月刊国語教育21.132002年03月-
月刊国語教育研究(日本国語教育学会)2002年03月-
月刊国語教育21.132002年03月-
月刊国語教育21.122002年02月-
月刊国語教育21.112002年01月-
月刊国語教育21.102001年12月-
月刊国語教育21.9 2001年11月-
月刊国語教育21.82001年10月-
月刊国語教育21.72001年09月-
月刊国語教育21.62001年08月-
日本語学(明治書院)2001年07月-
月刊国語教育21.52001年07月-
公明新聞2001年06月-
月刊国語教育21.42001年06月-
月刊国語教育21.22001年05月-
月刊国語教育(東京法令出版)21.12001年04月-
『月刊国語教育』(2000.5別冊)東京法令出版2000年05月-
町田守弘 他(共編著)
東洋館出版社2018年 08月-
ISBN:978-4-491-03560-4
菊地栄治、三尾忠男、町田守弘、池俊介、谷山公規、松坂ヒロシ、加藤尚志(分担執筆)
学文社2017年 03月-
単行本(学術書)担当ページ数:P36-P48ISBN:9784762027215
「読み」の授業研究会編 町田守弘分担執筆 Ⅳ提言3「アクティブ・ラーニング」につながる国語科の授業開発(分担執筆)
学文社2016年 08月-
担当ページ数:152-159ISBN:9784762026690
全国大学国語教育学会編 町田守弘分担執筆 第3章第3節「メディア文化の領野からの国語科カリキュラム論―言語文化の将来を視野に収めつつ」(分担執筆)
学芸図書株式会社2016年 06月-
単行本(学術書)担当ページ数:65-70ISBN:978-4-7616-0440-0
町田 守弘(単著)
岩波書店2015年 10月-
単行本(学術書)総ページ数:222ISBN:978-4-00-023061-2
浜本純逸(監修)・奥泉香(編) 町田守弘分担執筆 第9章 映画を扱った授業実践—学習者の興味・関心喚起のために—
溪水社2015年 05月-
ISBN:978-4-86327-298-9
町田守弘(編著)
学文社2014年 03月-
ISBN:978-4-7620-2447-4
町田守弘(編著)
学文社2012年 09月-
ISBN:978-4-7620-2306-4
町田守弘(編著)
三省堂2011年 07月-
ISBN:978-4-385-36567-1
町田 守弘(単著)
朝日新聞出版(朝日新書265)2010年 11月-
ISBN:978-4-02-273365-8
日本国語教育学会監修(町田守弘編集責任・共編著)(共編著)
東洋館出版社2010年 08月-
ISBN:978-4-491-02597-1
町田 守弘(編集・監修)
東京法令出版2010年 05月-
ISBN:978-4-8090-9465-1
町田 守弘(単著)
東洋館出版社2009年 08月-
ISBN:978-4-491-02504-9
町田 守弘(単著)
明治図書出版2005年 10月-
ISBN:4-18-310916-7
町田 守弘(単著)
三省堂2003年 10月-
ISBN:4-385-36188-6
町田 守弘(単著)
東洋館出版社2001年 04月-
ISBN:4-491-01705-0
伊藤 洋(編)、沖田吉穂、野地恵子、古沢謙次、甲斐崎由典、大平浩哉、町田守弘、岩崎 淳(分担執筆)
学文社2001年 03月-
ISBN:4-7620-1027-8
鈴木慎一、関根荒正、町田守弘(共著)
学文社1998年 03月-
ISBN:4-7620-0775-7
町田 守弘(単著)
三省堂1995年 02月-
ISBN:4-385-40422-4
町田 守弘(単著)
三省堂1990年 01月-
ISBN:4-385-40411-9
町田守弘
2015年度室生犀星学会秋季大会(室生犀星学会)2015年11月07日
国内会議公開講演
日本国語教育学会主催「倉澤栄吉先生追悼研究集会」2015年05月09日
口頭発表(一般)
全国大学国語教育学会2014年11月09日
口頭発表(一般)
日本国語教育学会第77回国語教育全国大会2014年08月08日
口頭発表(一般)
日本教育心理学会第55回総会2013年08月18日
口頭発表(一般)
早稲田大学大学院教育学研究科創設20周年記念講演会2010年06月
口頭発表(一般)
言語文化教育学会第9回大会2009年11月
口頭発表(一般)
早稲田大学教育総合研究所10周年記念講演会2008年12月
口頭発表(一般)
町田守弘
教育最前線講演会シリーズⅩⅩⅢ(早稲田大学教育総合研究所)2016年07月16日
町田守弘
埼玉県高等学校国語科教育研究会(埼玉県高等学校国語科教育研究会)2016年05月18日
2004年度
研究成果概要: パーソナル・コンピュータと携帯電話の普及によって、子どもたちをめぐるメディア環境は大きく変わりつつある。教師は時代の流れを敏感に受け止めつつ、子どもたちの「いま、ここ」を的確に把握しなければならない。そのうえで、常に効果的な教育... パーソナル・コンピュータと携帯電話の普及によって、子どもたちをめぐるメディア環境は大きく変わりつつある。教師は時代の流れを敏感に受け止めつつ、子どもたちの「いま、ここ」を的確に把握しなければならない。そのうえで、常に効果的な教育内容と方法を模索する必要がある。 ところでこのところ、メディア・リテラシーの問題に言及した研究や実践が目立つようになった。国語教育関連の著書や論文の中に、メディア・リテラシーに言及したものが増えつつある。子どもたちを取り巻くメディアの世界がますます広がる様相を呈する中で、メディアとことばとの関係に着目しつつ、メディア・リテラシーを育てる国語教育の可能性を追求することが重要な課題となっている。 今回の研究では、メディア・リテラシーを扱うに際して、学習者に身近なサブカルチャーに注目し、その教材化による国語科の授業構想を検討するという方向を重視した。国語教育が常に「いま、ここ」を生きる子どもたちと直接関わるものである以上、歴史研究とともに実態調査を重視しなければならない。そこで今回の研究において、修士課程二年の院生を中心とした調査チームを編成して、「高校生のコミュニケーション及びサブカルチャーに関する意識調査」を実施することにした。携帯電話というコミュニケーション・ツールが普及して、すべての高校生が例外なく所持しているという状況の中で、コミュニケーションのあり方に何らかの変容がもたらされているのではないかと考えられる。実態調査の第一の目的は、高校生のコミュニケーションのあり方を明らかにするという点にある。特に彼らがことばとどのように関わっているのかという問題は、国語科担当者としては興味の尽きない問題であった。なお、子どものコミュニケーション意識に関わる先行研究として、田近洵一編著『子どものコミュニケーション意識』(学文社、2002.3)がある。今回の調査は、この研究成果に多くを学びつつ展開したものである。 まずはコミュニケーションに関わる調査を実施したうえで、広くサブカルチャーとして括られる身近な素材に対して、高校生がどのような意識を持っているのかという点を調査することを主な目標に据えた。なお今回の調査では、特に漫画と音楽を具体的な素材として取り上げることにした。そこから高校生の実像を垣間見ることができればよいという思いがあった。彼らの現実を可能な限り的確に把握して、その実像に対応した教材開発を目指したいと考えたわけである。ことばのコミュニケーションの実態を探りつつ、サブカルチャーに関する意識を明らかにしたうえで、高校生の身近な場所にことばの「学び」を立ち上げるという国語教育の戦略が、調査の背景にある。 今回の調査結果に関しては、すでに小冊子『高校生のコミュニケーション及びサブカルチャーに関する意識調査報告』(早稲田大学大学院教育学研究科町田守弘研究室、2004.8)にまとめて公にしている。この「調査報告」では、高校生に対する調査結果と現場教師に対する調査結果とに分けて報告した。高校生対象の調査項目は、大きく次の5つに分けることができる。 ① コミュニケーションの手段 ② メディア ③ 作文 ④ 漫画 ⑤ 音楽 ①から③は、高校生のことばによるコミュニケーションの現実を探ることに主眼を置く。④と⑤は高校生が身近な場所で接するサブカルチャーの中から、代表的な漫画と音楽を選んで、それぞれどのように接しているのかを探ることを目標とした。 今回の調査では、生徒とともに担当する教師の意識をも確認するという意図から、生徒とは別に国語科の教師へのアンケート調査も実施することにした。まず教師の視点から生徒たちの現実をどのように把握しているのかを尋ね、さらに生徒と同じ問いを掲げることによって、教師と生徒との世代間のずれの実態を明らかにするというねらいもあった。回答を寄せてくれたのは、男性教師27名、女性教師21名の合計48名である。回答者の年齢は、20代が3名、30代4名、40代28名、50代以上が13名という内訳だった。 教師に対する質問項目には、生徒のどのような点が最も問題であると感じているかという内容がある。この問いに対しては、最も多かったのは「学習意欲の低さ」で、次いで「基礎学力の不足」が挙げられた。その他の項目として挙げられたのは、「集中力・根気の欠如」や「好奇心・関心の低さ」「まじめさの欠如」であった。 教師に対する質問事項として、今回特に重視したのは、漫画と歌詞の教材化の実態である。それぞれ、次の三つの選択肢を用意した。①(副教材も含めて)既に教材として扱ったことがある②(副教材も含めて)教材として扱ってみたい③教材として扱う必要はない 結果は、漫画の場合、①52.1%、②18.8%、③29.2%であった。実際に授業で漫画を扱ったという教師が半数以上、これから扱ってみたいという教師も二割近くということから、教室で漫画を扱うことに対しては教師の側からもそれなりの支持を得ていると見ることができる。 漫画、音楽を取り入れた授業は、ともにメディア・リテラシーに関わりを持つ。上記の報告書および論文「国語科におけるサブカルチャー教材の可能性を探る-高等学校現場へのアンケート調査に即して」(早稲田大学教育学部『学術研究』2005.2)に、研究成果を報告させていただいた。
2006年度
研究成果概要: 教職課程科目「国語科教育法」は、国語教育の研究と現場の教育実践を結ぶ大切な科目として把握できる。今回の研究では、「国語科教育法」の授業改善のための基礎資料として、中等教育現場の現状の把握に主眼を置くことにした。大学院で担当する研... 教職課程科目「国語科教育法」は、国語教育の研究と現場の教育実践を結ぶ大切な科目として把握できる。今回の研究では、「国語科教育法」の授業改善のための基礎資料として、中等教育現場の現状の把握に主眼を置くことにした。大学院で担当する研究室の2006年度修士課程1年および2年の院生の協力を得て、2回にわたって全国の中等教育現場を対象としたアンケート調査を実施した。この調査結果を整理・分析することによって、教育現場における学習者の現状を把握し、それをそのまま「国語科教育法」の授業改善に生かすことを目標に据えた。 ここでは修士課程2年の院生を中心とした研究チームによるアンケートに言及する。調査を実施した時期は、2005年10月から12月にかけての期間で、あらかじめ調査に協力可能な学校を確定してからアンケート用紙を届けることにした。この調査では、学習者とともに指導する国語科の教師を対象としたアンケートも同時に実施した。結果として関東地方を中心とする中学校・高等学校から回答が寄せられた。ちなみに、回答が届いた学校と人数は次のようになっている。まず学習者の状況である。 中学校 17校 1394人 高等学校 30校 3407人 続いて、担当教師の状況である。 中学校 16校 33人 高等学校 29校 88人 なお男女比は学習者・教師ともおおよそ半々である。 今回の調査結果に関しては、すでに小冊子『国語科教科書教材の受容に関する実態調査―新教材の開発に向けて―調査報告書』(早稲田大学大学院教育学研究科町田守弘研究室、2007.2)にまとめて公にした。ここでは例として、最初の質問項目のみ紹介する。最初の質問事項は学習者の日常生活に関するもので、携帯電話とインターネット使用の実態を問うものである。まず携帯電話の所持率だが、中学生は70パーセント、高校生は95パーセントと、ほとんどの学習者が所持しているという実態が明らかになった。アンケートが学校で実施されたという状況を勘案すると、実態として所有率はこの数値よりさらに多いものと思われる。そして、平均してどの程度メールをするかという問いにたいしては、中学生は1日に30から50回程度、高校生は1日に10回程度という回答が最も多い。続いてインターネットの使用に関しては、中学・高校生とも2、3日に1回程度という回答が最も多かった。「今までで一番感動したこと」に関する質問では、最も多かったのは「テレビや映画を観たとき」であった。メディアが学習者に与える影響の大きさを物語っている。その一方で、「感動したこと」や「楽しかったこと」の上位に「部活動」や「友達と遊んだこと」「旅行に行ったこと」が挙げられている。メディアの影響とともに、やはり現実に体験したことの重さは学習者の中で確かな位置を占めている。以下、具体的なデータは前掲の小冊子に紹介した。 ところで「国語科教育法」ではどのようなことを授業の目標にするのかという点について、主に以下のような点を中心に「国語科教育法」の目標を考えている。(1)国語科教育の今日的課題に関する受講者の認識を深める。(2)受講者が自ら問題意識を持って自主的に授業を構想し、実践することができるようにする。(3)国語科教育に関する興味・関心を喚起し、受講者の教職に対する意識を高める。 以上のような目標を設定したうえで、基本的な授業の方向としては、特に次のような点に留意することにしたい。(1)「国語科教育法」の授業そのものをテクストとした、入れ子構造型の授業を目指す。(2)大学の「国語科教育法」の授業と中学・高校現場との交流を可能な限り実現する。(3)講義法による展開に偏らず、研究発表や模擬授業を取り入れた実践的な内容を工夫する。(4)受講者との対話を密にする。(5)学部学生と大学院の院生との交流を図る。 今回の研究は、教育現場の現状を明らかにするものであり、授業改善に向けての基盤作りに資するものであった。
2014年度
研究成果概要: 本研究は、国語科においてマンガを教材として取り上げることの効果と課題を明らかにしつつ、その可能性を探る点に主眼を置く。研究方法としては、学習指導要領および教科書での扱いの調査、さらにマンガを扱った国語教育の先行研究・先行実践の調... 本研究は、国語科においてマンガを教材として取り上げることの効果と課題を明らかにしつつ、その可能性を探る点に主眼を置く。研究方法としては、学習指導要領および教科書での扱いの調査、さらにマンガを扱った国語教育の先行研究・先行実践の調査を実施した。学習指導要領の言語活動例に、「図表」や「画像」が取り上げられるようになったことは、国語科教科書へのマンガ採録の可能性を拓いたと見ることができる。マンガの教材化に際しては、大別して「補助教材」としての位置付けと「主教材」としての位置付けとに分けて考えることができる。今後は様々な課題を克服しながら、特に「主教材」としてのマンガの可能性が追究されるべきである。
2014年度
研究成果概要: 本研究では、国語科の教材としてのマンガの実態についての調査を実施し、考察を加えたうえで、今後の展望を持つことを目指したものである。国語科教科書の調査を中心に研究を進めたが、様々なマンガが教科書に採録されていることが明らかになった... 本研究では、国語科の教材としてのマンガの実態についての調査を実施し、考察を加えたうえで、今後の展望を持つことを目指したものである。国語科教科書の調査を中心に研究を進めたが、様々なマンガが教科書に採録されていることが明らかになった。教材化されているのは主に四コママンガで、方向としては、古典特に漢文の故事成語の理解に補助的に用いられること、表現活動のための教材として用いられることが多い。マンガを取り入れた説明文が教材化され、マンガを通してオノマトペや日本文化の理解が深まるような扱いも工夫されている。総じてマンガは補助教材としての扱いにとどまっているが、今後は本教材としての可能性を検討してみたい。
2015年度
研究成果概要: 本研究では大学の教職課程における「国語科教育法」の授業を研究対象として取り上げ、教育現場において有効な成果を得るために、どのような授業が求められるのかという課題へのアプローチを試みた。まず教職課程を設置する大学において「国語科教... 本研究では大学の教職課程における「国語科教育法」の授業を研究対象として取り上げ、教育現場において有効な成果を得るために、どのような授業が求められるのかという課題へのアプローチを試みた。まず教職課程を設置する大学において「国語科教育法」で扱われている内容に関する実態を把握するために、web上に公開されたシラバスの調査を実施した。さらにその結果を踏まえて、現職教員に対するアンケート調査を実施し、「国語科教育法」のどのような内容が特に現場で有効であったのかを分析し考察した。その結果、直ちに授業に活用できるような実践に役立つ知見や指導法の扱いを中心とした、効果的なカリキュラムの構築が求められることが明らかになった。
2017年度
研究成果概要: 国語教育における学習者の興味・関心喚起のための方略としてゲーミフィケーションの考え方を導入し、「遊び」をいかに「学び」につなげるかについて、教科書や先行研究の調査をもとに具体的な可能性を探ることにした。教科書でゲームを直接扱うも... 国語教育における学習者の興味・関心喚起のための方略としてゲーミフィケーションの考え方を導入し、「遊び」をいかに「学び」につなげるかについて、教科書や先行研究の調査をもとに具体的な可能性を探ることにした。教科書でゲームを直接扱うものはほとんど見られず、例えばディベートを「討論ゲーム」として取り上げるような扱いにとどまっている。先行研究・実践においても、ゲームに関するテーマを取り上げたものはきわめて少ないことが明らかになった。例えば読書指導で読書へのアニマシオンやビブリオバトルを導入する実践が目立つ。ICT教育の分野も含めて、ゲームを活用した教材開発・授業開発は今後の重要な課題となる。
2002年度
研究成果概要: 高等学校の国語科教育において小説教材をどのように扱うかという問題に関しては、多くの先行研究および実践がある。特に教科書の「定番教材」と称される小説教材は、教師用の指導書その他の場所において多様な観点から様々な指導法が提案されてい... 高等学校の国語科教育において小説教材をどのように扱うかという問題に関しては、多くの先行研究および実践がある。特に教科書の「定番教材」と称される小説教材は、教師用の指導書その他の場所において多様な観点から様々な指導法が提案されている。今回の研究では、2003年度から実施に移された新課程の選択必修科目「国語総合」に焦点を当てて、小説教材の傾向を確認しつつ、その効果的な指導法に関する実践的課題を明らかにしたうえで、具体的な指導法を提案することを目標とした。 まず「国語総合」の教科書教材の調査を試み、「長さ」の面から短くて1~2時間の授業で扱うことができるものに着目した。「国語総合」の教科書は10社から20種24点発行されているが、教科書のページ数で6ページ以内の小説教材としては次のような教材が収録されていた。なおカッコ内は教科書のページ数である。武田泰淳「信念」(3)、菊池寛「形」(4)、河野多恵子「少女」(4)、干刈あがた「レバー・ストーン」(5)、江國香織「子供たちの晩餐」(6)、葉山嘉樹「セメント樽の中の手紙」(6)。今回の研究ではこの中から「少女」を取り上げて、その指導法について具体的な提案をまとめることができた。この研究成果に関しては、「短編小説の学習指導論-河野多恵子『少女』に即して」(『解釈』2003.5-6)という論文において報告する。 続いて、すべての「国語総合」の教科書に共通教材として収録された芥川龍之介の「羅生門」を取り上げることにした。今回すべての教科書に収録されたという事実はきわめて特徴的である。各社の教師用指導書を検討して、教材化の意図を比較することによって、「羅生門」が何故共通教材としての位置を獲得したのかを考えてみた。小説の基本的な読み方に関する学習指導を展開することができる教材として、「羅生門」は位置付けられている。例えば学習指導要領の「読むこと」の指導事項として掲げられた「文章に描かれた人物、情景、心情などを表現に即して読み味わうこと」という点について、「羅生門」を通して指導することができる。これまでの実践の歴史の中で定着してきた方法によって、安定した学習指導を展開できることが、共通教材としての位置を確かなものにしている。 今回の研究では、多くの先行研究・実践を整理しながら「羅生門」の学習指導事項とその指導法をまとめることによって、小説教材の学習指導に関するいくつかの課題を発見することができた。それを踏まえて、一つの学習指導法を提案してみた。この研究成果に関しては、「『国語総合』で小説教材をどう扱うか-総合性に配慮して」(『早実研究紀要』2003.3)という論文において報告した。
2008年10月-2008年11月
機関: 遼寧大学(中国)
科目名 | 開講学部・研究科 | 開講年度 | 学期 |
---|---|---|---|
新国語教育講座 | 教育学部 | 2019 | 秋学期 |
新国語教育講座 | 大学院教育学研究科 | 2019 | 秋学期 |
国語科教育法2 A | 教育学部 | 2019 | 春学期 |
教職実践演習(中・高) AJ | 教育学部 | 2019 | 秋学期 |
ゼミナール P | 教育学部 | 2019 | 通年 |
国語表現論 B | 教育学部 | 2019 | 通年 |
国語教育実践演習 A | 教育学部 | 2019 | 通年 |
国語科教育特論3 | 大学院教育学研究科 | 2019 | 春学期 |
国語科教育特論4 | 大学院教育学研究科 | 2019 | 秋学期 |
国語科教育研究指導(M-1)(町田) | 大学院教育学研究科 | 2019 | 春学期 |
国語科教育研究指導(M-2)(町田) | 大学院教育学研究科 | 2019 | 秋学期 |
国語科教育演習(M1-1)(町田) | 大学院教育学研究科 | 2019 | 春学期 |
国語科教育演習(M1-2)(町田) | 大学院教育学研究科 | 2019 | 秋学期 |
国語科教育演習(M2-1)(町田) | 大学院教育学研究科 | 2019 | 春学期 |
国語科教育演習(M2-2)(町田) | 大学院教育学研究科 | 2019 | 秋学期 |
国語科教育学研究指導(D-1)(町田) | 大学院教育学研究科 | 2019 | 春学期 |
国語科教育学研究指導(D-2)(町田) | 大学院教育学研究科 | 2019 | 秋学期 |
国語科教育研究演習(D-1)(町田) | 大学院教育学研究科 | 2019 | 春学期 |
国語科教育研究演習(D-2)(町田) | 大学院教育学研究科 | 2019 | 秋学期 |
2016年07月
概要:夏季国語教育セミナー(IREC言語教育文化研究所主催)「アクティブ・ラーニング」の講演・ワークショップの講師
2014年11月
概要:神奈川県立荏田高等学校教員研修会「生徒を見つめた授業づくり」の講師 会場=神奈川県立荏田高等学校
2012年11月
概要:常葉国語教育研究会の講師 会場=常葉学園大学
2012年10月
概要:千葉大学国語教育研修会の講師 会場=千葉大学
2011年11月
概要:千葉県私立中学高等学校第23回千葉県私学教育研修集会—国語科研修会の講師 会場=市川高等学校
2011年08月
概要:三重県教育委員会「高校国語」研修会の講師
2011年07月
概要:石川県高等学校教育研究会国語部会講演会の講師
2011年05月
概要:平成23年度茨城県高等学校教育研究会国語部講演会の講師
2011年02月
概要:朝日カルチャーセンター講座の講師
2010年11月
概要:東京都教職員研修センター「平成22年度専門性向上研修国語ⅡA(第3回)」の講師
2010年02月
概要:日本国語教育学会研究部栃木地区研究集会の講師
2010年02月
概要:「平成21年度国語力向上実践事業研修会」(山梨県教育委員会主催)の講師
2004年08月
概要:「第7回国語教育セミナー〈東京〉」(教育文化研究会主催)のワークショップ講師