氏名

ミヤモト マサヤ

宮本 雅也

職名

助手

所属

(教育学部)

外部研究資金

科学研究費採択状況

研究種別:

運の平等主義との対比によるロールズ理論の再評価

2017年-0月-2019年-0月

配分額:¥1040000

研究種別:

関係論的平等主義の正義の理論構築

2020年-0月-2023年-0月

配分額:¥3250000

学内研究制度

特定課題研究

関係論的平等主義の正義論の再検討

2019年度

研究成果概要: 現代の社会正義論における関係論的平等主義の理論を責任の観点から再検討した。関係論的平等主義による運の平等主義に対する批判は、責任の観点からの批判として再構成する必要がある。運の平等主義の責任構想は、個人の過去の選択に阻害要因がな... 現代の社会正義論における関係論的平等主義の理論を責任の観点から再検討した。関係論的平等主義による運の平等主義に対する批判は、責任の観点からの批判として再構成する必要がある。運の平等主義の責任構想は、個人の過去の選択に阻害要因がなかった場合にその分配上の帰結を受け容れるように要請する。しかし、この責任構想では、個人の選択の背景に存在する社会構造の維持や変革のための負担・コストを引き受けることを責任の問題として要請できない。そうした社会構造に対する責任を個人に要請しなければならない。そうした責任の要請を個人の善の構想の追求の尊重の要請と適切にバランスさせる社会正義の構想を提示していく必要がある。

ジョン・ロールズの分配的正義論の再評価

2017年度

研究成果概要:ジョン・ロールズの分配的正義論を再評価するために、ロールズ理論を現代自由論の観点から考察した。特に、フィリップ・ペティットら現代共和主義者からリベラリズムに向けられる批判に照らしてロールズ理論の魅力を指摘した。現代共和主義によれば...ジョン・ロールズの分配的正義論を再評価するために、ロールズ理論を現代自由論の観点から考察した。特に、フィリップ・ペティットら現代共和主義者からリベラリズムに向けられる批判に照らしてロールズ理論の魅力を指摘した。現代共和主義によれば、ロールズを含むリベラルな理論家は、自由を干渉の不在として理解するために、社会に存在する支配関係の諸問題を見逃してしまう。しかし、報告者は、ロールズの多元主義に対する理解の仕方に注目することで、ロールズの理論が支配の不在を重視する共和主義の自由論と親和性を有しているという点を明確化した。本成果は田上孝一編『支配の政治理論』(社会評論社)に所収の論文として発表される。

分配的正義論における責任概念の再検討

2018年度

研究成果概要: 運の平等主義における責任の構想が抱える問題点を明らかにした。運の平等主義の立場からすれば、責任は、各個人の分配上の取り分と当人の過去の選択の賢さの程度が合致することを要請する。しかし、本研究で明らかになったように、こうした責任理... 運の平等主義における責任の構想が抱える問題点を明らかにした。運の平等主義の立場からすれば、責任は、各個人の分配上の取り分と当人の過去の選択の賢さの程度が合致することを要請する。しかし、本研究で明らかになったように、こうした責任理解には以下二つの問題点がある。第一に、個人の選択は社会における制度や規範を背景としており、上記の責任理解では、当人の選択には帰せない制度・規範の影響を割引かなければ責任の判断ができない。しかし、そうした割引の計算は困難である。第二に、不正な社会構造(社会制度・規範)が存在する場合、そのような構造(制度・規範)を是正することも、市民の責任とみなされうる。しかしながら、上記の責任理解では、このような社会構造の変革の責任を考慮に入れることができない。

支配関係の不在が有する分配上の合意の検討

2019年度

研究成果概要: 社会正義論における関係論的平等主義との関連という点から、支配の不在としての自由の構想を検討した。この自由の構想は、「支配」関係の不在、すなわち他者の恣意的な干渉にさらされる可能性がないことを自由とみなす。この構想の代表的理論家で... 社会正義論における関係論的平等主義との関連という点から、支配の不在としての自由の構想を検討した。この自由の構想は、「支配」関係の不在、すなわち他者の恣意的な干渉にさらされる可能性がないことを自由とみなす。この構想の代表的理論家であるP. ペティットは二つの異なる方向からの批判にさらされている。第一に、純粋な消極的自由論者からの批判が存在し、第二に、支配の不在としての自由に社会構造の観点を組み込もうとする理論家からの批判が存在する。支配の不在としての自由の構想がこれらの批判を免れるためには、ペティットのような帰結主義の枠組みからこの構想を切り離し、契約主義の枠組みに位置づけなおす必要がある。