氏名

ナカオ ヨウイチ

中尾 洋一

職名

教授 (https://researchmap.jp/read0056996/)

所属理工学術院

(先進理工学部)

連絡先

メールアドレス

メールアドレス
ayocha@waseda.jp

URL等

WebページURL

http://www.chem.waseda.ac.jp/nakao/

研究者番号
60282696

本属以外の学内所属

兼担

理工学術院(大学院先進理工学研究科)

研究院(研究機関)/附属機関・学校(グローバルエデュケーションセンター)

学内研究所等

実践的ナノ化学G

研究所員 2007年-2011年

東日本大震災復興研究拠点・先端環境医工科学研究所

研究所員 2011年-2013年

早稲田バイオサイエンスシンガポール研究所

研究所員 2011年-2015年

ケミカルバイオロジー研究所

プロジェクト研究所所長 2008年-2012年

東日本大震災復興研究拠点・先端環境医工科学研究所

運営委員 2013年-2013年

東日本大震災復興研究拠点・先端環境医工科学研究所

プロジェクト研究所所長 2013年-2013年

ライフサポートイノベーション研究所

研究所員 2014年-2014年

ライフサポートイノベーション研究所

研究所員 2015年-

早稲田バイオサイエンスシンガポール研究所

研究所員 2016年-2016年

理工学術院総合研究所(理工学研究所)

兼任研究員 2018年-

産学融合国際戦略研究所

研究所員 2018年-

学歴・学位

学位

博士(農学) 課程 東京大学

所属学協会

日本がん分子標的治療学会

日本エピジェネティクス研究会

日本水産学会

日本分子生物学会

日本農芸化学会

日本ケミカルバイオロジー学会

日本化学会

研究分野

キーワード

ケミカルバイオロジー、天然物化学、エピジェネティクス、幹細胞

科研費分類

複合領域 / 生体分子科学 / 生体分子化学

研究シーズ

新規抗リーシュマニア剤

シーズ分野:ライフサイエンス

海洋天然化合物

シーズ分野:ライフサイエンス

神経細胞分化促進剤

シーズ分野:ライフサイエンス

高血糖によるエピゲノム異常の抑制剤

シーズ分野:ライフサイエンス

研究テーマ履歴

幹細胞のケミカルエピゲノミクス

国内共同研究

書籍等出版物

海洋生物成分の利用

シーエムシー

特許

整理番号:1311

環状デプシペプチドの新規使用方法(日本)

中尾 洋一, 前島 寛

特願2012-193433、特開2014- 47193

整理番号:1860

フェルラ酸誘導体含有組成物及びその製造方法(日本)

中村 文彬, 中尾 洋一, 塩田 邦郎, 新井 大祐

特願2016-213183、特開2018- 70518

整理番号:211-JP

腔腸動物由来抗原虫化合物(日本)

中尾 洋一, 石上 進太郎

特願2012-504529、特許第5721186号

整理番号:220-JP

新規環状デプシペプチドおよびその用途(日本)

中尾 洋一, 勝俣 良祐

特願2012-551816、特開2013-530125

外部研究資金

科学研究費採択状況

研究種別:

海洋微生物の共生-進化系理解のための日-欧連携フィールドワーク

2013年-0月-2016年-0月

配分額:¥14300000

研究種別:

エピジェネティクス変化を指標とする幹細胞の化学分化誘導プロセスの解析

2013年-0月-2014年-0月

配分額:¥3900000

研究種別:

海洋無脊椎動物共生微生物系のケミカルバイオロジー

2012年-0月-2013年-0月

配分額:¥4030000

研究種別:

アジア・太平洋海域における有用海洋生物資源調査

配分額:¥17420000

研究種別:

幹細胞分化制御機構のケミカルバイオロジー

配分額:¥18850000

研究種別:

化学遺伝学的手法による血管新生阻害剤の探索

配分額:¥4200000

研究種別:

ALPHASCREENによるソフトな膜タンパク質間相互作用の解析法開発

配分額:¥3600000

研究種別:

海洋無脊椎動物からのガン関連酵素を標的とする機能分子の探索

配分額:¥25100000

研究種別:

海洋無脊椎動物からの血管新生阻害剤の探索

配分額:¥5500000

研究種別:

部位特異的MT1-MMP阻害剤の探索

配分額:¥28080000

研究種別:

漁業混獲物の高度利用:深海海綿からの医薬素材の探索

配分額:¥17200000

研究種別:

海洋無脊椎動物からの血管新生阻害剤の探索

配分額:¥4200000

研究種別:

海洋無脊椎動物からの血管新生阻害剤の探索

配分額:¥3000000

研究種別:

水圏生物からの細胞内情報伝達系解析用研究試薬の開発

配分額:¥12600000

研究種別:

海洋無脊椎動物からの抗トロンビンリード化合物の探索

配分額:¥2000000

研究種別:

カビ細胞壁生合成酵素の阻害に基づく海洋無脊椎動物からの高選択的抗カビ化合物の探索

配分額:¥15200000

研究種別:

なぜ多くの微生物は培養困難なのか?未知増殖制御メカニズムの発見と解明

2018年-0月-2020年-0月

配分額:¥6240000

研究種別:

細胞分化を調節する低分子化合物の探索

2018年-0月-2021年-0月

配分額:¥17420000

研究種別:

エピジェネティック活性をもつ化学物質の影響把握と新たな環境リスクの予防策

2015年-0月-2019年-0月

配分額:¥45500000

研究種別:

天然化合物の革新的標的分子同定法の確立とケミカルエピジェネティクス

2014年-0月-2019年-0月

配分額:¥195260000

学内研究制度

特定課題研究

医薬品・生化学試薬としての海洋天然化合物の再探索

2010年度

研究成果概要:日本およびアジア太平洋各地で採集した海洋無脊椎動物からスクリーニング用サンプルの調製を行った。調製したスクリーニングサンプルに対して、抗がん、抗原虫、幹細胞分化制御活性などのスクリーニングを行い、ヒットサンプルを浮かび上がらせた。...日本およびアジア太平洋各地で採集した海洋無脊椎動物からスクリーニング用サンプルの調製を行った。調製したスクリーニングサンプルに対して、抗がん、抗原虫、幹細胞分化制御活性などのスクリーニングを行い、ヒットサンプルを浮かび上がらせた。抗原虫活性を示した鹿児島県の海底火山で採集した腔腸動物ヤギ類から、クリスタキセニシンと命名した新規化合物を活性本体として単離し、その構造を明らかにした。本化合物は低細胞毒性でリーシュマニア原虫に対する選択的抗原虫活性を示したため、国際特許出願を行った。また、宮城県産のホヤから、マウスES細胞に対する未分化維持活性を有する新規化合物を単離、構造決定した。本化合物は1ng/mL以下のごく低濃度でマウスES細胞の未分化状態を維持するとともに、本化合物投与下で維持されたES細胞をヌードマウスに皮下移植するとテラトーマを形成し、三胚葉すべての組織への分化が認められたことから、本化合物で維持されたES細胞は万能性も維持されていることを明らかにできた。以上の結果から、本化合物について米国仮出願申請を行った。

動的平衡としての海洋微生物共生系のケミカルバイオロジー

2010年度

研究成果概要:カリキュリンを含む海綿Discodermia calyxの新たな生息地を首都圏近郊に発見することができたので生息域の違いによる含有化合物の違いを検討している。また、人工飼育中の海綿から随時共生微生物を取り出して、カリキュリンの生産...カリキュリンを含む海綿Discodermia calyxの新たな生息地を首都圏近郊に発見することができたので生息域の違いによる含有化合物の違いを検討している。また、人工飼育中の海綿から随時共生微生物を取り出して、カリキュリンの生産微生物を含む微生物群について、抽出したゲノム遺伝子を用いてメタゲノム解析の準備を行っている。メタゲノム解析が終了次第、PKSおよびNRPS遺伝子配列をもとにカリキュリン生合成遺伝子の遺伝子配列の解析を行う。一方、新たな生合成遺伝子探索のターゲットとして、抗がん剤エクテナサイジンと同じ骨格を有するレニエラマイシンを選び、本化合物を含有する海綿の採集および人工飼育を検討した。この結果、本海綿はD.calyxと異なり、約1カ月程度しか飼育下では生存できないことが明らかとなったため、採集方法および飼育条件の検討を行っている。なお、本海綿から共生微生物を取り出し、化合物の含有量をもとにレニエラマイシン産生微生物の絞り込みを行い、得られた候補微生物に関してメタゲノム解析の準備を進めている。

iPS細胞へのリプログラミング活性を有する海洋天然化合物に関する研究

2011年度

研究成果概要:本研究では、遺伝子の改変なく細胞をリプログラミングしてiPS細胞をへと導かせることができるような手法の開発を目指して、iPS細胞誘導に必要な4遺伝子の機能を代替できるような化合物を海洋生物から探索することを目的とした。探索源となる...本研究では、遺伝子の改変なく細胞をリプログラミングしてiPS細胞をへと導かせることができるような手法の開発を目指して、iPS細胞誘導に必要な4遺伝子の機能を代替できるような化合物を海洋生物から探索することを目的とした。探索源となる海洋生物はすでに所有する約1500検体に加えて、新たに約250サンプルを日本各地およびインドネシアにて採集した。採集したサンプルから調製した抽出物ライブラリーに対して、2通りの方法で活性化合物の探索を行った。1.まず、京都大学山中らのプロトコールに従い、Nanog-GFP-puroマウスから取り出した繊維芽細胞に対して、山中カクテルと呼ばれる4因子(Oct4、Klf4、Sox2、cMyc)の遺伝子導入を行うと、GFPを発現し緑色に光るiPS細胞を誘導できる。本研究では山中4因子から1因子ずつを取り除き、3因子を導入した状態の細胞に対してサンプルを投与して、取り除いた1因子の機能を代替してiPS細胞を誘導しうるような活性を有するサンプルを探索する。これまでに、Oct4を除いた3遺伝子を導入した細胞に対するiPS細胞誘導活性スクリーニングを行い、複数のサンプルでGFPを発現したコロニーを見出しているので、現在これらのサンプルから活性本体の精製を行っている。2.次に、マウスES細胞を用いて、ES細胞の未分化状態を維持する活性を有する化合物の探索を行った。ES細胞の未分化状態を維持する活性を有する化合物は、iPS細胞の誘導時に補助的な機能が期待されるばかりでなく、作用メカニズムの解析によって細胞の分化制御機構をあきらかにできれば、より効率的なiPS細胞の誘導法の開発にとって有用な知見となりうる。これまでの研究で、50pg/mLという極めて低濃度でES細胞の未分化状態を維持できる化合物を見出すことに成功した。本化合物投与下で培養したES細胞をヌードマウスに移植したところ、テラトーマが形成され、三胚葉すべての組織に分化していることが確認されたため、本化合物によってES細胞の未分化性が維持されていることがわかった。現在、その作用メカニズムの解析を行っている。

アジア・太平洋海域における有用海洋生物資源調査・2

2012年度

研究成果概要:2012年度は国内(南西諸島:奄美大島、徳之島、中之島、大島新曽根、竹島、伊豆諸島:式根島)で海綿、腔腸、原索動物などの海洋無脊椎動物を中心として139検体の海洋生物サンプルを採集した。採集したサンプルに対して、アルコール抽出エキ...2012年度は国内(南西諸島:奄美大島、徳之島、中之島、大島新曽根、竹島、伊豆諸島:式根島)で海綿、腔腸、原索動物などの海洋無脊椎動物を中心として139検体の海洋生物サンプルを採集した。採集したサンプルに対して、アルコール抽出エキスから調製した脂溶性および水溶性成分のライブラリーを作成した。同時に共生微生物のゲノム遺伝子採取用にサンプル小片をエタノール中冷凍保存し、遺伝子ライブラリーとした。また、生理活性化合物を作っている共生微生物の単離・同定・培養法確立のため、式根島産の海綿 Discodermia calyxを採集し、実験室内で長期飼育を行い、飼育サンプルから共生微生物を取り出して、メッシュによる分画とセルソーターによる共生微生物の分離を試みた。得られた微生物画分に関して、産業総合科学研究所(木村信忠主任研究員)およびNITE(山副敦司研究職員)との共同研究によって次世代シーケンサーを用いたメタゲノム解析を実施し、主要な共生微生物の同定およびゲノム遺伝子解析を行った。一方、イタリア・ナポリ大学のグループ(M. V. D’Auria教授およびA. Zampella教授)と新たにTheonella 属の海綿に含まれる、ステロイド誘導体成分の構造-活性相関研究に関する共同研究を開始した。まず天然の主成分であるセオネラステロールを大量に単離して、天然化合物をメチル化・アセチル化・酸化・還元・脱水などの化学的操作によって各種誘導体に導いた。導いた各誘導体をつかって、胆汁鬱滞の治療薬標的として期待されるFXRアゴニスト活性を調べ、さらにドッキングモデル解析を行うことで、構造-活性相関を明らかにした。(論文1)本共同研究が基盤となり、2013年度の基盤研究(B)海外学術調査は、イタリアのグループとの共同研究の内容「海洋微生物の共生-進化系理解のための日-欧連携フィールドワーク」で研究助成申請を行い、採択された。

多剤耐性緑膿菌に対する抗菌剤の探索

2013年度

研究成果概要:2010以来、多剤耐性菌による院内感染が国内でも大きな問題となりつつあり、その対策が急務となっている。2010年に問題になった院内感染ではアシネトバクターが大きく取り上げられていたが、実際には多剤耐性緑膿菌(Multi-Drug ...2010以来、多剤耐性菌による院内感染が国内でも大きな問題となりつつあり、その対策が急務となっている。2010年に問題になった院内感染ではアシネトバクターが大きく取り上げられていたが、実際には多剤耐性緑膿菌(Multi-Drug Resistant Pseudomonas aeruginosa: MDRP)も検出されており、院内感染の現場においてはむしろこちらのほうが大きな問題となっている。緑膿菌は、生来多くの抗菌剤に耐性であるため、セフタジディムやイミペネム等のβ-ラクタム剤やアミカシンやトブラマイシン等のアミノグリコシド剤など、ごく限られた中から選んだ薬剤を治療に用いられているが、1980年代初頭から、これらのカルバペネム系、フルオロキノロン系、アミノグリコシド系に対しても、3系統の抗菌剤全てに耐性を示す多剤耐性緑膿菌が出現しているため、これらの耐性菌に対する対策が急務となっている。そこで本研究では、多剤耐性緑膿菌に対して有効な抗菌剤開発のリード化合物を探索するため、表現型指向性アッセイである多剤耐性菌を用いた抗菌活性試験と、薬剤耐性の原因となる酵素のAACおよびMBLに対する酵素阻害活性を標的指向型アッセイとして組み合わせ、多剤耐性を克服できるような新規抗菌剤を見出すことを目的とした。本研究は多剤耐性菌と戦う最前線の現場である国立国際医療研究センターとの密接なコラボレーションによって行い、以下に述べる成果をあげることができた。当研究室が保有する海洋無脊椎動物抽出物1816検体についてMIC法による抗菌活性を評価したところ、7検体に抗菌活性が確認された。特に顕著な活性を示した鹿児島県産Agelas属海綿から活性本体の探索を試みた。本海綿をメタノールで抽出し、抽出液を濃縮後、水とクロロホルムにより二層分配し、水層はさらにn-ブタノールで抽出した。クロロホルム層とn-ブタノール層を合一して濃縮後、ヘキサン層と90%メタノール層に二層分配した。その後、活性を示した90%メタノール可溶性画分をODSカラムクロマトグラフィーによって分画し、6つの画分を得た。最も強い抗菌活性を示し、かつサンプル量が豊富であった70%メタノール可溶性画分を逆相HPLCに付し、活性主成分として大腸菌、および枯草菌に対する抗菌活性物質として知られるoroidin、およびその類縁体を同定した(MIC 6.25~50 µg/mL)。得られた化合物の多剤耐性緑膿菌に対する抗菌活性、およびHeLa細胞、P388細胞に対する細胞毒性を評価した。これらの化合物の共通の特徴はブロモピロールと2-アミノイミダゾールを含むことであった。oroidinのダイマーを基本骨格としているageliferin、bromoageliferin、dibromoageliferin、mauritiamineはoroidinを上回る抗菌活性を示し、2-アミノイミダゾールの部分構造を含まない4,5-dibromopyrroll-2-carboxylic acidは抗菌活性を示さなかった。特に、ageliferinは最も強い抗菌活性を示し、最も弱い細胞毒性が確認された。そこで本化合物の作用機序を研究するため、本化合物に対する耐性株を作製した。耐性株に対する抗菌活性はNCGM2.S1株のそれと比較して8倍以上のMIC値を示した。次世代シーケンサーによって本耐性菌株のゲノムを解析し、変異点から標的タンパク質の絞り込みを行って作用メカニズムの解析を行っている。

海洋生物由来抗原虫活性化合物のケミカルバイオロジー研究

2013年度

研究成果概要:リーシュマニア症はサシチョウバエによって媒介される節足動物媒介性人獣共通感染症であり、WHOによって対策の最も困難な熱帯感染症(カテゴリーI)として位置づけられ、重点対策10大熱帯感染症の一つにも指定されている。そこで本研究ではユ...リーシュマニア症はサシチョウバエによって媒介される節足動物媒介性人獣共通感染症であり、WHOによって対策の最も困難な熱帯感染症(カテゴリーI)として位置づけられ、重点対策10大熱帯感染症の一つにも指定されている。そこで本研究ではユニークな構造と生物活性を有する化合物の宝庫である海洋生物を探索源として、抗リーシュマニア薬開発につながるような化合物の探索を行うこととした。本研究では緑色蛍光タンパク質(GFP)導入原虫を用いた迅速な抗原虫活性評価法を用いて、幅広く海洋無脊椎動物抽出物について研究分担者後藤がスクリーニングを行い、抗リーシュマニア活性化合物の探索を行った。スクリーニングにより活性が認められた海綿サンプルについて、活性化合物の単離を試みた結果、ミクロネシア産海綿に含まれる抗リーシュマニア活性化合物を単離・同定することができた(学会発表1)。一方、以前の研究で見出された強い抗リーシュマニア活性を有する化合物cristaxenicin Aについて、in vitroの活性評価および作用メカニズム解析のためのプローブ開発に向けて、研究分担者の細川が全合成研究を継続している。また、これまでに得られている抗リーシュマニア活性化合物ciliatamideについて、研究分担者木村がciliatamideを構成する環状アミノ酸部(c-Lys)、アミノ酸部(Me-Phe)、脂肪酸部を入れ替えた類縁体ライブラリーを合成し、活性評価を行った。この結果、c-Lysは環状アミンでも代替がきくこと、Me-Pheの他のアミノ酸への置換は活性に大きく影響すること、脂肪酸部分は炭素数が10程度のものが望ましいことが明らかとなった(学会発表2)。本化合物は比較的単純なユニットで活性を保持した誘導体を簡便に合成できるため、今後のin vitro活性評価や作用メカニズム解析のプローブ分子への転用が期待できる。

多剤耐性緑膿菌に対する抗菌剤の作用メカニズム解析

2014年度共同研究者:切替照夫

研究成果概要:本研究では、海洋生物エキスから得られた、多剤耐性緑膿菌に対する抗菌化合物Aの作用メカニズムを明らかにして、有効な薬剤開発につなげるための基礎的知見を得ることを目的として研究を行った。具体的には単離した抗菌化合物Aに対する耐性株の作...本研究では、海洋生物エキスから得られた、多剤耐性緑膿菌に対する抗菌化合物Aの作用メカニズムを明らかにして、有効な薬剤開発につなげるための基礎的知見を得ることを目的として研究を行った。具体的には単離した抗菌化合物Aに対する耐性株の作成を行い、耐性株のゲノム配列を次世代シーケンサーで解析し、変異点をみつけることによって見出した抗菌化合物Aの標的遺伝子を探索した。この結果、明らかとなった標的遺伝子候補について、大腸菌による組み換え体の発現を試み、抗菌化合物Aに対する耐性株由来の変異酵素については発現を確認している。現在は化合物A感受性株由来の組み換え酵素の発現条件の検討中である。

白血病幹細胞ニッチを標的とした新規抗がん剤の探索

2015年度共同研究者:浅野茂隆

研究成果概要:白血病幹細胞(LSC)の性質を有する株化細胞であるMB-1細胞を用いたアッセイ系によって、独自に保有する海洋生物抽出物ライブラリーから白血病幹細胞のニッチ形成を標的とする抗がん剤リード化合物の探索を行った。ここで活性化合物として得...白血病幹細胞(LSC)の性質を有する株化細胞であるMB-1細胞を用いたアッセイ系によって、独自に保有する海洋生物抽出物ライブラリーから白血病幹細胞のニッチ形成を標的とする抗がん剤リード化合物の探索を行った。ここで活性化合物として得られた海洋生物由来天然化合物Aについて、MB-1細胞のCA形成に対する影響を解析したところ、本来はヒト慢性骨髄性白血病の第一選択薬のイマチニブ(IM)に耐性であるMB-1細胞のIM感受性が回復することが示唆された。以上のように、白血病幹細胞のニッチ形成を標的とする新たな抗がん剤リード化合物を得ることができた。

白血病幹細胞ニッチを標的とした新規抗がん剤の探索

2016年度

研究成果概要:本研究では、白血病幹細胞(LSC)の性質を有する株化細胞であるMB-1細胞によるニッチ形成を簡便にin vitroで再現できるアッセイ系を用いて、白血病幹細胞に効く抗がん剤を探索した。この結果、われわれが独自に保有する海洋生物抽出...本研究では、白血病幹細胞(LSC)の性質を有する株化細胞であるMB-1細胞によるニッチ形成を簡便にin vitroで再現できるアッセイ系を用いて、白血病幹細胞に効く抗がん剤を探索した。この結果、われわれが独自に保有する海洋生物抽出物ライブラリーから、低濃度でMB-1細胞のニッチ形成を阻害する化合物を見出すことができた。ニッチを形成したMB-1細胞は慢性骨髄性白血病の第1選択薬であるイマチニブに対して薬剤抵抗性を示すことが知られているため、本化合物によるニッチ形成阻害が薬剤抵抗性におよぼす影響を解析したところ、本化合物によってMB-1細胞のイマチニブ感受性が回復することを明らかにできた。

海洋生物由来血管新生阻害剤の探索

2007年度

研究成果概要:ユニークな構造と強烈な生物活性を有する化合物を豊富に含むことが知られる海洋無脊椎動物を探索源として、がんの増殖・転移に深くかかわることが知られる血管新生を阻害する新規化合物の探索研究を行った。1.まず、日本各地(鹿児島から青森まで...ユニークな構造と強烈な生物活性を有する化合物を豊富に含むことが知られる海洋無脊椎動物を探索源として、がんの増殖・転移に深くかかわることが知られる血管新生を阻害する新規化合物の探索研究を行った。1.まず、日本各地(鹿児島から青森までの5か所)において海洋無脊椎動物サンプルの採集を行い、約200検体のサンプルを採集した。2.次いで、これらのサンプルをアルコールで抽出し、水とクロロホルムで二層分配後、濃縮してそれぞれの層を水溶性画分および脂溶性画分とした。これらの各分をさらにC18のカラムを用いた固相抽出法にてそれぞれ6つに分画し、最終的に約2000のスクリーニング用サンプルを調製した。3.調製したスクリーニングサンプルについては現在血管新生阻害活性スクリーニングを開始している。4.血管の管腔構造構築を阻害する活性を有する鹿児島県産Sinularia属の軟サンゴから、活性本体として、新規オキシリピンを単離構造決定した(投稿中の論文参照)。5.また、鹿児島県産のMicale属の海綿から単離していた血管新生阻害作用を有するヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤azumamideについて、京都大学山中らによって開発された人工多能性(iPS)細胞を用いた血管再構築系によって抗血管新生作用を調べ、顕著な血管新生阻害活性を見出し報告した(世界最初のiPS細胞を用いたケミカルバイオロジー研究の論文)。以上の研究を通して海洋無脊椎動物の血管新生阻害剤探索源としての有望性を示すことができたと同時に、現在世界中で極めて熾烈な研究競争が行われているiPS細胞の研究においても世界に先駆ける研究成果を挙げることができた。

新規抗リーシュマニア剤の探索研究

2008年度

研究成果概要:本研究はリーシュマニア症に苦しむ発展途上国の人々の窮状を救うべく、医薬品素材となる新規化合物の宝庫である海洋無脊椎動物から、抗リーシュマニア原虫作用を示す化合物を探索することを目的とした。まず、GFP導入原虫(LaEGFP)を用い...本研究はリーシュマニア症に苦しむ発展途上国の人々の窮状を救うべく、医薬品素材となる新規化合物の宝庫である海洋無脊椎動物から、抗リーシュマニア原虫作用を示す化合物を探索することを目的とした。まず、GFP導入原虫(LaEGFP)を用いた、細胞内アマスティゴートに対する迅速な薬剤試験方法を用いて海洋無脊椎動物抽出物から、抗原虫活性を有する化合物の探索、同定を目的とし、研究代表者が日本近海で採集した海洋生物からスクリーニングサンプル作り、活性化合物の単離・構造決定、および化合物の誘導体化は研究代表者が行い、抗原虫活性試験は研究協力者が行った。スクリーニングサンプル:採集した海洋無脊椎動物をアルコールで抽出し、濃縮後水とクロロホルムで二層分配し、それぞれの層を濃縮してスクリーニングサンプルとした。スクリーニング:以上のように調整したスクリーニングサンプル計1360を抗原虫活性スクリーニングに付した。方法としては、96穴プレートにマウスマクロファージ細胞J774を1x106個まき、その後2x107個の原虫で感染させた。16時間後に非感染原虫をPBS洗浄により除いた後、培地によって希釈された化合物を加えて48時間培養した。その後蛍光プレートリーダーで各ウェルの蛍光強度を測定して、その強度により原虫数および薬剤の抗原虫活性の算出を行った。アンフォテリシンBを用いた試験においては薬剤存在下において原虫由来GFPの減衰がみられ、蛍光強度から算出されたIC50の値は、従来の方法(顕微鏡観察による原虫数の計測)を用いて求められた値と極めて近い値を示し、この方法の有用性が確認されている。活性化合物の単離・構造決定:スクリーニングで浮かび上がった鹿児島県奄美大島産の海綿サンプルから抗原虫活性を指標として3種の活性化合物の単離を行い、単離した化合物の構造をはMS、NMRなどのスペクトル分析により既知のaaptamine (1)、isoaaptamine (2)、および9-demethylaaptamine (3)であると同定した。化合物の活性評価:以上の得られた化合物1-3について抗原虫活性を調べたところ、LaEGFPに対してそれぞれIC50 2.3、0.9、および0.5ug/mLの抗原虫活性を示した。また、鹿児島県産の海綿から単離された新規化合物glacilioether Bに抗リーシュマニア原虫活性を見出すとともに(68%阻害 10ug/mL)、別種の海綿から新規抗リーシュマニア化合物ciliatamides AおよびBを見出した(IC50 10ug/mL)。

新規エピジェネティック治療薬の探索研究

2008年度

研究成果概要:『エピジェネティクス』とは『世代を超えて継承され得る、塩基配列を伴わない遺伝子発現の変化』のことであり、おもにDNAのメチル化とヒストンの修飾によって多くの遺伝子の発現が制御されうることが知られている。がん治療では、DNAメチル化...『エピジェネティクス』とは『世代を超えて継承され得る、塩基配列を伴わない遺伝子発現の変化』のことであり、おもにDNAのメチル化とヒストンの修飾によって多くの遺伝子の発現が制御されうることが知られている。がん治療では、DNAメチル化酵素(Dnmt)阻害剤やヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤を同時投与することによる相乗効果でがん抑制遺伝子の発現を高いレベルで誘導可能になると期待され、欧米を中心にDnmt阻害剤やHDAC阻害剤をがん治療に応用しようというエピジェネティック治療が推し進められており、現在、Dnmt阻害剤の5-Aza-CdRおよび5-Aza-CRが骨髄異型性症候群の治療薬として、HDAC阻害剤のSAHAが皮膚T細胞リンパ腫の治療薬としてFDAに承認され、治療効果をあげている一方、研究代表者はこれまで海洋無脊椎動物を対象として、さまざまな酵素に対する阻害剤の探索研究を行い、鹿児島県産の海綿からアズマミドA-E(AzA-E)と命名した5種類の新規HDAC阻害剤を見出している。以上のような背景下、本研究では、酵素阻害剤の宝庫である海洋無脊椎動物を探索対象として新たなDnmt阻害剤の探索を目的として研究を行った。まず、1型のDNAメチル化酵素であるDnmt1によるDNAメチル化阻害活性を調べるアッセイ系を確立した。ついで本アッセイ系を用いたスクリーニングを、日本近海で採集した海洋無脊椎動物の抽出物ライブラリー約400サンプルについて行い、約50サンプルに活性を認めた。今後はスクリーニングを継続するとともに、ヒットサンプルから活性化合物の単離・構造決定を行う予定である。

カリキュリン生産に関わる海洋微生物共生系のケミカルバイオロジー

2009年度

研究成果概要:海綿に代表される海洋無脊椎動物は、陸上の生物が作り出す化合物とは構造が大きく異なるユニークな化合物の宝庫であることが知られ、医薬品素材の探索源としても有望視されている。一方、多くの海洋天然化合物が海洋無脊椎動物に共生している微生物...海綿に代表される海洋無脊椎動物は、陸上の生物が作り出す化合物とは構造が大きく異なるユニークな化合物の宝庫であることが知られ、医薬品素材の探索源としても有望視されている。一方、多くの海洋天然化合物が海洋無脊椎動物に共生している微生物によって生合成されていると考えられている。そこで本研究では、代表的な海洋天然化合物として知られているカリキュリンを含む海綿Discodermia calyxをモデルに選び、海綿という海洋微生物共生系における化合物の産生機構の理解につながる知見を得ることを目的として研究を行っている。まず、海綿D. calyxを採集し、研究室内で飼育することにより、いつでも共生微生物が存在した健康的な状態の海綿を実験に使えるような飼育条件を検討した。これまでの研究において、室温で飼育すると1週間程度しか海綿が健康な状態で生存できないこと、低温(4度)で飼育すると相当期間飼育が可能なことが分かっていたため、海綿の健康的な状態を保つためには温度が非常に重要なファクターであると考え、水温30度、25度、20度にて飼育実験を行ってみたところ、20度で飼育すれば良好な健康状態を保ったまま飼育ができることを明らかにできた。一方、カリキュリンを生合成していると考えられる微生物は我々の研究結果から16S rDNAの配列解析から、最近になって初めて存在が明らかになったOD1(OP11-derived 1, OP= Obsidian Pool)という新しい門に属する培養不可能な微生物に近いものであることが示唆されている。そこで、30度と20度で飼育した海綿から経時的に体の一部を切り取り、そこに含まれる微生物相の変化を遺伝解析によって行い、カリキュリン含量の変化とリンクさせて比較解析することで、カリキュリン生合成微生物の特定を行っている。

現在担当している科目

科目名開講学部・研究科開講年度学期
化学C 基幹(1)基幹理工学部2018秋学期
理工学基礎実験1A Iブロック基幹理工学部2018春学期
理工学基礎実験1A Iブロック創造理工学部2018春学期
理工学基礎実験1A Iブロック先進理工学部2018春学期
Science and Engineering Laboratory 1B基幹理工学部2018秋学期
Science and Engineering Laboratory 1B創造理工学部2018秋学期
Science and Engineering Laboratory 1B先進理工学部2018秋学期
生命化学実験先進理工学部2018秋学期
生命化学実験  【前年度成績S評価者用】先進理工学部2018秋学期
生命化学C先進理工学部2018春学期
生命化学C  【前年度成績S評価者用】先進理工学部2018春学期
卒業論文先進理工学部2018通年
卒業論文  【前年度成績S評価者用】先進理工学部2018通年
生命化学D先進理工学部2018秋学期
Graduation Thesis A先進理工学部2018秋学期
Graduation Thesis B先進理工学部2018春学期
International Project for Advanced Science and Engineering大学院先進理工学研究科2018集中(春・秋学期)
先進理工海外プロジェクト大学院先進理工学研究科2018集中(春・秋学期)
修士論文(化学)大学院先進理工学研究科2018通年
Research on Chemical Biology大学院先進理工学研究科2018通年
ケミカルバイオロジー研究大学院先進理工学研究科2018通年
Advanced Chemical Biology大学院先進理工学研究科2018春学期
ケミカルバイオロジー特論大学院先進理工学研究科2018春学期
Seminar on Chemical Biology A大学院先進理工学研究科2018春学期
ケミカルバイオロジー演習A大学院先進理工学研究科2018春学期
Seminar on Chemical Biology B大学院先進理工学研究科2018秋学期
ケミカルバイオロジー演習B大学院先進理工学研究科2018秋学期
Seminar on Chemical Biology C大学院先進理工学研究科2018春学期
ケミカルバイオロジー演習C大学院先進理工学研究科2018春学期
Seminar on Chemical Biology D大学院先進理工学研究科2018秋学期
ケミカルバイオロジー演習D大学院先進理工学研究科2018秋学期
Experiments in Chemistry and Biochemistry大学院先進理工学研究科2018通年
化学・生命化学特別実験大学院先進理工学研究科2018通年
Master's Thesis (Department of Chemistry and Biochemistry)大学院先進理工学研究科2018通年
ケミカルバイオロジー研究大学院先進理工学研究科2018通年
化学・生命化学特別演習A大学院先進理工学研究科2018春学期
化学・生命化学特別演習B大学院先進理工学研究科2018秋学期
化学・生命化学海外特別演習大学院先進理工学研究科2018通年
海への誘いグローバルエデュケーションセンター2018秋クォーター