氏名

クボ カツユキ

久保 克行

職名

教授 (https://researchmap.jp/read0205493/)

所属

(商学部)

連絡先

メールアドレス

メールアドレス
kkubo@waseda.jp

URL等

WebページURL

http://www.f.waseda.jp/kkubo

研究者番号
20323892

本属以外の学内所属

兼担

商学学術院(大学院商学研究科)

学内研究所等

現代日本社会システム研究所

研究所員 2009年-2013年

商学学術院総合研究所

運営委員 2012年-2014年

トランスナショナルHRM研究所

研究所員 2013年-2016年

IT戦略研究所

研究所員 2016年-

トランスナショナルHRM研究所

研究所員 2016年-

学歴・学位

学位

Ph.D.(Industrial Relations) ロンドン大学 LSE 経済政策

経歴

2004年-一橋経済研究所専任講師

研究分野

キーワード

労働経済学、コーポレート・ガバナンス

科研費分類

社会科学 / 経済学 / 経済政策

研究テーマ履歴

日本の経営者の金銭的・非金銭的インセンティブ

研究テーマのキーワード:役員報酬 コーポレート・ガバナンス  インセンティブ

個人研究

成果主義賃金

個人研究

論文

The effect of mergers on employment and wages: Evidence from Japan

K. Kubo and T. Saito

Journal of the Japanese and international economies

Corporate mission,corporate policies and business outcomes: evidence from Japan

S. Hirota, K. Kubo, H. Miyajima, P. Hong, Y. Park

Management Decision48(7)p.1134 - 11532010年-

コーポレートガバナンスと配当性向

久保克行 齋藤卓爾

早稲田商学408p.25 - 43

合併・買収と従業員の賃金

久保克行・齊藤卓爾

日本労働研究雑誌560p.4 - 16

合併・買収は従業員にとって、悪いニュースか

久保克行

日本労働研究雑誌570p.14 - 26

The Relationship between Financial Incentives for Company Presidents and Firm Performance in Japa

Katsuyuki Kubo and Takuji Saito

Japanese Economic Review59(4)p.401 - 4182008年12月-

配当政策と経営者持株:エントレンチメントの観点から

久保克行 斎藤卓爾

経済研究60(1)p.47 - 59

日本企業のコントロールメカニズム:経営理念の役割

久保克行、広田真一、宮島英昭

季刊 企業と法創造4p.113 - 1242005年-

合併に伴う人事制度の統合と雇用・処遇の変化—個人データによる分析

久保克行

日本労働研究雑誌(529)p.24 - 362004年08月-

経営者インセンティブが企業業績に与える影響

久保克行

早稲田商学(401)p.535 - 5482004年09月-

日本企業の報酬構造 —企業内人事データによる資格、査定、賃金の実証分析

都留康、阿部正浩、久保克行

経済研究54(3)p.264 - 2852003年-

役員賞与とメインバンク

久保克行

経済研究53(2)p.151 - 1612002年-

英国の最低賃金・オランダの最低賃金

久保克行

『諸外国における最低賃金制度』日本労働研究機構2003年-

イギリスの最近の賃金制度

久保克行

海外労働時報、日本労働研究機構2002年-

“Executive Compnesation Policy and Company Performance in Japan”

Katsuyuki Kubo

Corporate Governance: An International Review13(3)p.429 - 4432005年05月-

Executive Pay in Japan: The Role of Bank-Appointed Monitors and the Main Bank Relationship

Naohito Abe, Noel Gaston, Katsuyuki Kubo

Japan and the World Economy13(3)p.429 - 432005年-

CEO Compensation and Firm Performance in Japan: Evidence from New Panel Data on Individual CEO Pay

Takao Kato, Katsuyuki Kubo

Journal of the Japanese and International Economiesp.1 - 192006年-

Directors’ Incentive in Japan and the UK

Katsuyuki Kubo

Vierteljahrshefte zur Wirtschaftsforschung70(2)2001年-

Ranking Hierarchy and Rank Order Tournament

Katsuyuki Kubo

Hitotsubashi Journal of Economics42(1)2001年-

The effect of corporate governance on firms' decent work policies in Japan

Kubo, Katsuyuki

Asia Pacific Journal of Human Resources2018年01月-2018年01月 

DOIScopus

詳細

ISSN:10384111

概要:© 2018 Australian HR Institute. It is often argued that globalization of financial markets leads to change in firms' human resource practices and employees' well-being. To examine the effect of corporate governance on employees' well-being, we examine the determinants of firm policies on decent work. Decent work was proposed as a goal by the International Labour Organization, and includes such dimensions as 'work in conditions of freedom', 'equity in work' and 'security in work'. We develop a scoring system for firms' policies on decent work using data on 1258 of Japan's listed firms in 2015. Using this unique dataset, we examine the effect of foreign ownership and outside director ratio on these scores. There is a positive relationship between these corporate mechanisms and firms' policies. It is suggested that decent work may be promoted by a change in corporate governance.

日本の経営者インセンティブとストック・オプション

久保克行

商事法務(2041)p.49 - 592014年08月-2014年08月 

書籍等出版物

「日本の経営者と取締役改革」久本憲夫 編 『労使コミュニケーション 叢書 働くということ』

久保克行

ミネルヴァ書房2009年 12月-

『コーポレート・ガバナンス 経営者の交代と報酬はどうあるべきか』

久保克行

日本経済新聞出版社2010年 01月-

「第13章 企業統治と従業員 変化する会社との関係 」阿部正浩・ 松繁寿和編『キャリアの見方』

久保克行

有斐閣2010年 02月-

「企業組織再編と従業員:経済学の視点から」毛塚勝利編『企業組織再編における労働者保護 企業買収・企業グループ再編と労使関係システム』

久保克行

中央経済社2010年 06月-

International and comparative employment relations 5th edition (Chapter contribution)

H. Suzuki and K. Kubo

Allen and Unwin2011年-

The Multi-Dimensions ofIndustrial Relations in the Asian Knowldge-Based Economies (chapter contribution)

H. Suzuki and K. Kubo

Chandos Publishing2010年-

日本企業の人事改革−人事データによる成果主具の検証

都留康、阿部正浩、久保克行

東洋経済新報社2005年 03月-

"Financial Incentive of Bank Directors: Evidence from East Asia"

Katsuyuki Kubo

Nam, Sang-Woo, Lum, Chee Soon, eds., Corporate Governance of Banks in Asia, Asia Development Bank Institute, Toky2006年-

「従業員の処遇は悪化するのかーM&Aと雇用調整」

久保克行 斎藤卓爾

宮島英昭編『日本のM&A—企業統治・組織効率・企業価値へのインパクト』、東洋経済新報社2007年-

「日本の経営者は株価を最大化するインセンティブを持っているのか」

久保克行 斎藤卓爾

宮島英昭編『企業統治分析のフロンティア』 叢書企業社会の変容と法創造、日本評論社2008年 08月-

「日本企業のコーポレートガバナンスと企業の行動・業績:先行研究の展望」

久保克行

浅子和美他編 『現代経済学の潮流2008』東洋経済新報社2008年 08月-

成果主義は望ましいのだろうか

久保克行

清家篤・駒村康平・山田篤弘 編『労働経済学の新展開』慶應義塾大学出版会2009年 06月-

“Japan: The Resilience of Employment Relationships and the Changing Conditions of Work”

Katsuyuki Kubo

Lee, Sangheon and F. Eyraud eds. Globalization, Flexibilization and Working Conditions in Asia and the Pacific, Chandos Publishin2008年 11月-

入門ビジネス・エコノミクス

早稲田大学商学部ビジネスエコノミクス研究会

中央経済社2006年 05月-

日本型モデルの革新方策の選択

宮本光晴、久保克行

楠田丘編『日本型成果主義—人事賃金制度の枠組と設計』生産性出版、社会経済生産性本部 日本型成果主義研究委員会2002年-

アジア通貨危機と雇用調整:企業パネルデータを用いた分析

久保克行

寺西重郎編『アジアのソーシャル・セーフティネット』勁草書房2003年-

経営者インセンティブと内部労働市場

久保克行

寺西重郎・花崎正晴編『コーポレート・ガバナンスの経済分析:変革期の日本と金融危機後の東アジア』、東京大学出版会2003年-

日本企業の戦後50年 -そのガバナンス・行動・組織-」

小田切宏之、久保克行

橘木俊詔編『戦後日本経済を検証する』、東京大学出版会2003年-

The Determinants of Executive Compensation in Japan and UK: Agency Hypothesis or Joint Determination Hypothesis?”

Katsuyuki Kubo

Fan, J., Teranishi, J., and Hanazaki, M., eds., Designing Financial Systems in East Asia & Japan, Routledge2004年-

外部研究資金

科学研究費採択状況

研究種別:基盤研究(A)

多様化する日本の企業統治の再設計と経営戦略:特性・パフォーマンスの解明と国際発信

2010年-2014年

研究分野:財政学・金融論

配分額:¥45500000

研究種別:

合併・買収が労働者と株主に与える影響

配分額:¥4290000

研究種別:基盤研究(A)

変貌する日本企業の統治構造とパフォーマンス:企業組織・所有構造・市場競争と補完性

2007年-2009年

研究分野:財政学・金融論

配分額:¥26780000

研究種別:

日本および東アジアのコーポレート・ガバナンスにおける動学的分析

配分額:¥47450000

研究種別:

エンプロヤビリティ志向の人的資源管理政策と組織コミットメントの流動化の調査研究

配分額:¥2900000

研究種別:

コーポレートガバナンス改革と企業内労働市場

配分額:¥3600000

研究種別:

日本および東アジアの金融システムとコーポレートガバナンス

配分額:¥4000000

研究種別:

日本と英国における賃金構造と役員報酬に関する研究

配分額:¥2200000

研究種別:基盤研究(C)

ステークホルダー型コーポレート・ガバナンスと経営者の金銭的インセンティブ

2015年-2019年

研究分野:金融・ファイナンス

配分額:¥4550000

研究種別:基盤研究(C)

コーポレート・ガバナンスと雇用調整・配当調整:利害関係者への配分の決定要因

2011年-2015年

研究分野:財政学・金融論

配分額:¥4680000

研究種別:

ステークホルダー型コーポレート・ガバナンスと経営者の金銭的インセンティブ

2015年-0月-2020年-0月

配分額:¥4550000

研究種別:

企業統治と企業成長:変容する日本の企業統治の理解とその改革に向けて

2015年-0月-2020年-0月

配分額:¥35100000

研究種別:

コーポレート・ガバナンスと雇用調整・配当調整:利害関係者への配分の決定要因

2011年-0月-2016年-0月

配分額:¥4680000

学内研究制度

特定課題研究

コーポレート・ガバナンス、金融不祥事と企業の業績

2013年度

研究成果概要: 本研究課題ではコーポレート・ガバナンスと金融不祥事の関係を実証的に分析した。粉飾決算などの金融不祥事は世界中で起きている。このような不祥事の背景にはコーポレート・ガバナンスの問題がある、との問題意識からアメリカを中心にこの分野の... 本研究課題ではコーポレート・ガバナンスと金融不祥事の関係を実証的に分析した。粉飾決算などの金融不祥事は世界中で起きている。このような不祥事の背景にはコーポレート・ガバナンスの問題がある、との問題意識からアメリカを中心にこの分野の実証研究が進んできている。しかしながら、日本ではこのような分析は少ない。また、日本とアメリカではコーポレート・ガバナンスのあり方が大きく異なるため、日本における実証分析が重要となる。言うまでもなく、日本においても金融不祥事は社会的にも大きな関心事であり、このメカニズムを明らかにすることには大きな意義がある。特に日本のコーポレート・ガバナンスはアメリカと比較してさまざまな相違点があることから、アメリカの先行研究と異なる結果が得られる可能性もある。また、監査役制度のようなアメリカにはない制度の影響を分析することは世界的にも大きな意味を持つと期待できる。 具体的にはコーポレート・ガバナンスが金融不祥事の発生確率に与える影響を実証的に分析した。こういった分析では金融不祥事をどのように定義するかが一つの問題となる。本研究では証券取引等監視委員会からディスクロージャーに関する課徴金納付命令勧告、刑事告発の対象となった企業をサンプルとした。対象とする期間は2005年から2009年である。これら不祥事を起こした企業とその他の企業を比較し、コーポレート・ガバナンスにどのような違いがあるかを確認する。ただ、ここで重要なのは、不祥事を起こしていない企業とただ比較することは望ましくないということである。これは産業や企業の規模によって企業のあり方は大きく異なるためである。そこで、適切な比較対象企業(マッチングサンプル)を抽出したうえで、不祥事をおこした企業と比較することが重要となる。ここで、コントロール企業(マッチングサンプル)をどのように選択するかが問題となる。選択方法の違いにより結果も異なってくる可能性がある。 先行研究などを参考にしながら複数の比較対象企業群を抽出した。一つ目の方法は産業と企業規模をもとにマッチングする方法である。まず、不祥事を起こした企業と同様の証券取引所に上場している企業で2ケタの産業コードが同じ企業から資産規模が近い企業を選択した。不祥事を起こした企業1社につき、4社のマッチング企業を選択している。もうひとつの方法は、プロペンシティ・スコア・メソッドを用いて同等の企業を選択した。 このデータセットを用いて分析を進めている。現在のところ、大株主がいる企業では不祥事が起きる確率は有意に低いが、経営者の金銭的インセンティブは有意ではない、という結果が得られている。

ファンドによる投資が従業員の雇用・処遇に与える影響に関する実証分析

2014年度

研究成果概要:コーポレートガバナンスが変化し、株主価値を重視する経営がなされるようになると、従業員と企業との関係も変化すると考えられる。株主重視になると、従業員の利害が阻害されるのではないかと考えられることが多い。しかし、一方で、株主価値重視で...コーポレートガバナンスが変化し、株主価値を重視する経営がなされるようになると、従業員と企業との関係も変化すると考えられる。株主重視になると、従業員の利害が阻害されるのではないかと考えられることが多い。しかし、一方で、株主価値重視で企業が成長すると結果的に雇用や賃金が増大する可能性もある。本研究では、長期のデータを用いて、日本の大企業と従業員の関係が変化しているかを検証している。まだ、研究の途上であり、結論がはっきりしている訳ではないが、現在のところでは2000年前後を境に企業の雇用に関する行動が変化していると考えかたと整合的な結果が得られている。

監査役会の構成、背景と金融不祥事

2015年度

研究成果概要: 本研究では、金融不祥事の決定要因を分析している。分析の対象としては、まず証券取引等監視委員会によって課徴金もしくは告発の対象となった企業に注目した。比較対象企業を設定した上で、コーポレート・ガバナンスが金融不祥事の発生確率に与え... 本研究では、金融不祥事の決定要因を分析している。分析の対象としては、まず証券取引等監視委員会によって課徴金もしくは告発の対象となった企業に注目した。比較対象企業を設定した上で、コーポレート・ガバナンスが金融不祥事の発生確率に与える影響について分析した。比較対象企業は不祥事発生企業と同じ産業に所属し、同程度の規模の企業である。実証分析の結果、業績が悪化している企業で金融不祥事が発生しやすいことが確認された。また、大株主がいる企業では金融不祥事の発生確率が低いことが確認された。

ストックオプションと経営者のリスクテイク

2016年度

研究成果概要: 日本企業がリスクを避ける傾向にあるということはしばしば指摘されてきた。実証研究でも諸外国と比較して日本の上場企業のROAの分散が小さいことが示されている。経営者がリスクをとるインセンティブを付与する際にストックオプションが有効に... 日本企業がリスクを避ける傾向にあるということはしばしば指摘されてきた。実証研究でも諸外国と比較して日本の上場企業のROAの分散が小さいことが示されている。経営者がリスクをとるインセンティブを付与する際にストックオプションが有効に機能する可能性がある。すなわちストックオプションを付与された経営者はリスクをとるインセンティブをもつ。これはストックオプションの価値と株価の分散に正の関係があるためである。 この観点から、日本の上場企業のストックオプションについて実証的に分析している。その結果、アメリカと比較してリスクをとるインセンティブが小さいことが示されている。

コーポレート・ガバナンスが企業の社会的責任(CSR)に与える影響

2017年度

研究成果概要:本研究の目的は、コーポレートガバナンス が企業の社会的責任 (CSR)に与える影響を分析することであった。企業の社会的責任には様々な側面があるが、ここでは特に従業員の働き方に注目した。まず、日本の労働市場における変化を分析した。こ...本研究の目的は、コーポレートガバナンス が企業の社会的責任 (CSR)に与える影響を分析することであった。企業の社会的責任には様々な側面があるが、ここでは特に従業員の働き方に注目した。まず、日本の労働市場における変化を分析した。この分析の結果は、中国および韓国との比較としてRoutledge handbook of human resource managementの一章としてまとめられている。また、コーポレートガバナンスが雇用の質 (Decent work)に与える影響について実証的に分析した。この結果は、Asia Pacific Journal of Human Resourcesに採択された。

コーポレート・ガバナンス改革と経営者インセンティブ

2003年度

研究成果概要:この研究では日本における経営者のインセンティブとコーポレート・ガバナンス改革の関係を分析することが目的である。ここでは、経営者が株主の利害を最大化するようなインセンティブを持っているのか、また、どのような経営者によってコーポレート...この研究では日本における経営者のインセンティブとコーポレート・ガバナンス改革の関係を分析することが目的である。ここでは、経営者が株主の利害を最大化するようなインセンティブを持っているのか、また、どのような経営者によってコーポレート・ガバナンス改革が行われているのか、またコーポレート・ガバナンスは実際にどの程度おこなわれるのかということが分析のモチベーションである。平成15年度には、これらの分析のためのデータ収集、整理、基本統計量の確認および簡単な推計を行った。まず、上場企業を中心に、さまざまな企業のコーポレート・ガバナンスに関する情報を収集することを中心に行った。特に、ここでは経営者のインセンティブに関する情報を収集した。経営者のインセンティブについては電子的なデータベースでは入手不可能なものもあるため、過去の有価証券をあたって、必要な情報を収集しデータとして整理を行った。経営者のインセンティブに関するデータとしては、過去の研究と比較してももっとも広範かつ詳細なデータを収集・整理を行った。 また、実際に経営者のインセンティブを分析するために、企業の業績と役員報酬との関係のデータを整理し、簡単な分析を開始している。具体的には、業績の変化に対しての役員報酬の感応度を計測を始めている。この分析においては金銭的な報酬だけではなく、持ち株、ストック・オプションの価値の変化をもあわせて考えている。ストック・オプションに関してはブラック・ショールズ式を用いて価値を分析した。役員報酬の研究の問題点として、日本においては最高経営責任者の報酬額が公表されていないということが指摘されている。そこで、取締役会の構成およびその他の情報から、最高経営責任者の報酬を推定した。    

コーポレート・ガバナンスと企業の不法行為

2005年度

研究成果概要:この研究では日本におけるコーポレート・ガバナンス企業の行動の関係を分析した。コーポレート・ガバナンスとは、企業の経営者を監視し、インセンティブをコントロールするためのメカニズムである。株主は、経営者が企業価値を最大化するように経営...この研究では日本におけるコーポレート・ガバナンス企業の行動の関係を分析した。コーポレート・ガバナンスとは、企業の経営者を監視し、インセンティブをコントロールするためのメカニズムである。株主は、経営者が企業価値を最大化するように経営することを望む一方で、経営者は自己の利害を守るように行動する可能性がある。このような経営者の機会主義的な行動をコントロールするためには、何らかのチェック機構が必要である。このようなチェック機構として、経営者のインセンティブおよび監視機構に着目した。本年度には、上場企業を中心に、さまざまな企業のコーポレート・ガバナンスに関する情報および経営者のインセンティブに関する情報を分析した。ここで使用した経営者のインセンティブに関するデータは、先行研究と比較してももっとも広範かつ詳細なデータである。これらのデータを用いて、経営者に対するインセンティブ・システムが企業に与える影響について分析している。経営者に対するインセンティブ・システムは経営者に対する直接報酬(役員報酬、役員賞与)、ストック・オプションの付与、株価変動による持株の価値の変動、株価変動による所有ストック・オプションの価値の変動がある。分析の結果、日本の上場企業経営者は株主価値を最大化するような金銭的インセンティブは非常に小さいことが明らかになった。また、経営者のインセンティブ構造の異なる企業でも、企業の業績の差はそれほど大きくはないことも示された。現在、多くの日本企業がストック・オプションの導入などのコーポレート・ガバナンス改革を行っている。本年度の研究の結果は、ストック・オプションの導入は狙い通りの目的を達成しない可能性があることを示していると考えられる。

退任後の社長のキャリアとインセンティブ:経営者のキャリア・コンサーンの実証分析

2006年度

研究成果概要:日本の経営者が、退任後にどのようなキャリアを経ることになるのかを調査した。また、あわせて社長在任時の企業業績と退任後のキャリアの関係を実証的に分析した。さらに、日本の経営者の退任後に大きな意味を持つと思われる勲章制度と、社長在任時...日本の経営者が、退任後にどのようなキャリアを経ることになるのかを調査した。また、あわせて社長在任時の企業業績と退任後のキャリアの関係を実証的に分析した。さらに、日本の経営者の退任後に大きな意味を持つと思われる勲章制度と、社長在任時の企業の特性との関係を実証的に分析した。経営者は企業の様々な意思決定を行っており、その決定は、従業員、取引先、株主などに大きな影響を与える。そこで、勲章が経営者の行動にどのような影響を与えるのかについて考えてみよう。そもそも経営者が企業の意思決定を行う際にどのようなインセンティブをもっているのかということはコーポレートガバナンスの観点から大きな関心をもたれてきた。日本の企業が伝統的にアメリカと比較して株価よりも規模や従業員を重視したということはしばしば指摘されているが、その原因の一つとして経営者の報酬と株価の関係が弱かったことが指摘されている 。分析結果は以下のようにまとめることができる。日本の経営者はアメリカの経営者と比較して、退任後他の会社の社長になることが比較的少ない。典型的には、大企業の社長は退任後、会長になる。業界団体の役員や経済団体の役員を歴任し、そのゴールとして叙勲がある。大企業の社長266人のうち、184人が勲章を受け、82人が勲章を受け取っていない。また、勲章を受ける確率と社長在任時の利益率の間には正の相関があった。さらに、売上高の大きい企業の経営者ほど高いランクの勲章を受け取っていた。 勲章がキャリア・コンサーンとして機能しているという考え方は一見奇異に見えるかもしれない。金銭的な価値のない勲章が本当にインセンティブとして機能するのであろうか。この点に関しては、近年の行動経済学の発展が参考となろう。経済学者は伝統的に金銭的なインセンティブに着目してきたが、近年では非金銭的なインセンティブの重要性に注目が集まってきている 。勲章に限らず、さまざまな制度がインセンティブとして機能している可能性がある。どのような制度がどのような機能を果たしているかは今後の研究が必要となろう。

従業員参加型コーポレート・ガバナンスの決定要因と企業の行動・業績に与える影響

2010年度

研究成果概要: この研究では、従業員がどのように企業のコーポレート・ガバナンスに影響を与えるのか、また、従業員の影響力の強い企業の行動が他の企業と比較してどのように異なるのかを分析した。 経営者が従業員の利害を重視するためには、従業員からの意思... この研究では、従業員がどのように企業のコーポレート・ガバナンスに影響を与えるのか、また、従業員の影響力の強い企業の行動が他の企業と比較してどのように異なるのかを分析した。 経営者が従業員の利害を重視するためには、従業員からの意思を表明するためのメカニズムが必要である。特に重要なのは、労働組合と労使協議制である。労働組合は言うまでもなく労働者と経営者の間の重要なコミュニケーションのツールである。しかし、従業員が企業経営に対して意見を表明するのは、労働組合だけではない。こういったメカニズムとしては、労使協議制などが代表である。労働組合が行う団体交渉では、賃金や労働時間などの労働条件が主な交渉事項となるが、労使協議制は、さまざまなトピックをカバーすることが特徴である。 そこで、労使協議制や労働組合が企業の人事政策に与える影響を分析した。従業員の意思が経営に反映されるような仕組みを持っている企業では、雇用を守り、従業員の処遇を向上させる可能性がある。たとえば、この考え方によれば従業員の発言力が強い企業では長期雇用が普及していると考えることができる。 分析の結果は以下のとおりであった。雇用施策について言うと、使協議制度がある企業では、長期雇用を維持する傾向が強い。しかし一方で、非正規雇用を活用しようという意欲は高く、また正規従業員を非正規従業員で置き換えようとしている。ただし、非正規従業員比率は低い。これらのことは、正社員の長期雇用を維持することを第一の目的としているのではないかと考えることができる。非正規社員を増大させることは正社員の利害を阻害するようにも考えられる。しかし、非正規社員が多い企業では業績悪化の際に非正規社員を解雇することで正社員の雇用を守ることができる。これらの結果は、従業員が企業の雇用政策に大きな影響を与えていることを示している。

海外研究活動

研究課題名: 企業統治に関する実証研究

2015年03月-2017年03月

機関: ブリティッシュ・コロンビア大学(カナダ)

現在担当している科目

科目名開講学部・研究科開講年度学期
基礎経済学 5商学部2019秋学期
企業の経済学IA商学部2019春学期
企業の経済学IB商学部2019秋学期
企業の経済学IIA商学部2019春学期
企業の経済学IIB商学部2019秋学期
企業経済学研究大学院商学研究科2019春学期
Corporate Governance and M&A大学院商学研究科2019集中講義(秋学期)
企業経済学演習大学院商学研究科2019春学期
企業経済学演習大学院商学研究科2019秋学期
企業経済学研究指導 (M)大学院商学研究科2019春学期
企業経済学研究指導 (M)大学院商学研究科2019秋学期
企業経済学研究指導 (D)大学院商学研究科2019春学期
企業経済学研究指導 (D)大学院商学研究科2019秋学期
企業データ分析(夜間主)大学院商学研究科2019秋クォーター
企業データ分析(夜間主)大学院経営管理研究科2019秋クォーター

教育内容・方法の工夫

課題による理解度のチェックおよび実践力の養成

詳細

概要:「企業のデータ分析」では授業での実習に加えて毎週宿題を課し、授業で学んだ手法の理解度をチェックした。

作成した教科書・教材・参考書

都留康、阿部正浩、久保克行(2005)『日本企業の報酬構造 —企業内人事データによる資格、査定、賃金の実証分析』東洋経済新報社

詳細

概要:本書は研究書であるが、労働経済学・人的資源管理に関する上級の教科書としても使用可である。

教育方法・教育実践に関する発表、講演等

授業用ウエブサイトの作成
詳細

概要:「企業のデータ分析」では、授業で配布したハンドアウトをホームページ上で公開している。