氏名

イケ シュンスケ

池 俊介

職名

教授 (https://researchmap.jp/read0010843/)

所属

(教育学部)

連絡先

URL等

研究者番号
30176078

本属以外の学内所属

兼担

教育・総合科学学術院(大学院教育学研究科)

学歴・学位

学位

博士(学術) 論文 早稲田大学 地理学

所属学協会

日本地理学会 地理教育専門委員

日本地理教育学会 常任委員長

人文地理学会

日本社会科教育学会 常任委員、評議員

富士学会 評議員

受賞

日本地理学会 研究奨励賞

1987年04月

研究分野

キーワード

人文地理学、地理教育

科研費分類

人文学 / 人文地理学 / 人文地理学

研究テーマ履歴

1987年-地理教育研究

研究テーマのキーワード:地理教育、社会科教育、地誌学習

個人研究

1997年-ポルトガル地誌研究

研究テーマのキーワード:ポルトガル、地誌

個人研究

1984年-村落共有空間の観光的利用に関する研究

研究テーマのキーワード:入会林野、地先漁場、観光

個人研究

論文

ポルトガルにおけるESDの展開と地理教育

池 俊介

早稲田大学大学院教育学研究科紀要(26)p.1 - 142016年03月-

中国の地理教育における観光学習

李碩と共著

新地理63(3)p.33 - 452015年12月-

ポルトガルにおける中学校地理教育の特徴と課題

新地理(日本地理教育学会)63(1)p.1 - 182015年04月-

高校地理教育における野外調査の実施状況と課題−神奈川県内の高校を対象としたアンケート調査結果から−

福元雄二郎と共著

新地理(日本地理教育学会)62(1)p.17 - 282014年04月-

過疎地域における高校の存在意義について

宮口侗廸・山本隆太と共著

早稲田教育評論(早稲田大学教育総合研究所)28(1)p.43 - 672014年03月-

中国雲南省拉市海周辺における乗馬観光の展開

杜国慶・白坂蕃・張貴民と共著

E-journal GEO(日本地理学会)8(2)p.208 - 2222013年11月-

ポルトガルの地理学

地學雑誌(東京地学協会)121(4)p.664 - 6722012年08月-

地理教育における地域調査の現状と課題

E-journal GEO(日本地理学会)7(1)p.35 - 422012年04月-

地域調査を活かした地理授業—1970年代の多摩高校の実践の分析—

早稲田大学大学院教育学研究科紀要(22)p.1 - 152012年03月-

地理学習における時間的変化の視点の重要性

中等社会科教育研究(中等社会科教育学会)(29)p.1 - 122011年03月-

過疎地域における廃校舎の活用の実態とその意義

宮口侗廸・湯川次義・米浜健人と共著

早稲田教育評論(早稲田大学教育総合研究所)25(1)p.39 - 562011年03月-

伊豆半島におけるダイビング観光地の成立と展開

立教大学観光学部紀要(11)p.79 - 962009年03月-

市町村合併に伴う社会科副読本の課題

早稲田大学大学院教育学研究科紀要(18)p.1 - 142008年-

ポルトガル・マディラ諸島の土地と生活

静岡大学教育学部研究報告(人文・社会科学篇)(56)p.27 - 502006年-

ポルトガルにおける森林火災〜2003年夏の大火災を中心に〜

静岡大学教育学部研究報告(人文・社会科学篇)(55)p.257 - 2662005年-

Characteristics of the common land in Saruba, Biratori town, Hokkaido

Geographical Review of Japan, English Edition(日本地理学会)(1)p.132 - 1582002年-

伊東市富戸におけるスキューバダイビング導入に伴う地域社会の変容

新地理(日本地理教育学会)48(4)p.18 - 372001年-

ポルトガル・アソーレス(マゾレス)諸島 -ヨーロッパとアメリカの結節点-

静岡大学教育学部研究報告(50)p.222000年-

伊豆半島大瀬崎におけるダイビング観光地の発展

新地理(日本地理教育学会)47(2)p.221999年-

特集ポルトガル

地理(古今書院)44(2)p.401999年-

北海道平取町去場における入会林野の特質

地理学評論(日本地理学会)70(11)p.7241997年-

愛鷹山南東斜面における土地利用の変遷

沼津市史研究(4)p.1 - 381995年-

山梨県市川大門町山保地区における山村生活の変容と近郊性

静岡大学教育学部研究報告421991年-

山梨県清里高原における観光地域の形成

静岡大学教育学部研究報告401989年-

学校林とその教育的活用について

山村研究年報(五箇山山村研究センター)91988年-

森林における自然観察学習の展開

新地理(日本地理教育学会)35(3)1987年-

長野県飯田市における入会林野利用の展開

学術研究(早稲田大学教育学部)351986年-

長野県蓼科の観光地化による入会林野利用の変容

地理学評論(日本地理学会)59(3)1986年-

東京都桧原村の一集落における生業の変遷

山村研究年報(五箇山山村研究センター)41983年-

中国雲南省拉市海周辺における乗馬観光の展開

池 俊介;杜 国慶;白坂 蕃;張 貴民

E-journal GEO8(2)p.208 - 2222013年-2013年

CiNii

詳細

ISSN:1880-8107

概要:中国の雲南省では,1990年代後半から農村地域における観光地化が著しく進んだ.しかし,外部資本により観光施設が建設され,観光地化が地域住民の所得向上や地域社会の発展に寄与していない事例も存在するため,地域住民による内発的で自律的な観光施設の運営を実現し,観光収入が農民の所得水準の向上に着実に結びつくような経営を行ってゆくことが大きな課題となっている.本稿では,納西族の農民により観光乗馬施設の自律的な共同経営が行われている雲南省北西部の拉市海周辺地域を対象として,その形成プロセスと共同経営の実態について調査した.その結果,平等な収益分配,投票によるリーダーの選出など,きわめて民主的な観光乗馬施設の運営が行われ,地元住民の所得向上にも貢献していることが明らかとなった.

ポルトガルの農村ツーリズム

池 俊介

E-jornal GEO13(1)p.359 - 3662018年06月-

ポルトガルの地理学

池 俊介

地学雑誌121(4)p.664 - 6722012年-2012年

CiNii

詳細

ISSN:0022-135X

概要: Until the 1970s the French school of geography exerted a tremendous influence on Portuguese geographers, many of whom made major contributions to studies on the relationship between nature and human beings. Since the Carnation Revolution in 1974, however, various strands of geographical thought have been introduced to the discipline of geography in Portugal, due to increasing academic exchanges with foreign scholars, which have led to a gradual diversification of themes in studies of geography. For instance, research on regional planning and urban planning has progressed since the 1980s, making applied geography one of the mainstreams of geographical studies in Portugal. Recently, research institutions in the major universities of Portugal have also been reorganized, obtaining corporate status to receive more research funds. They are expected to produce excellent research outputs soon after their establishment.

地理教育における地域調査の現状と課題

池 俊介

E-journal GEO7(1)p.35 - 422012年-2012年

CiNii

詳細

ISSN:1880-8107

概要:地理学習では,少なくとも学習指導要領のレベルにおいては野外での地域調査が一貫して重視されてきた.しかし,小学校では地域調査の内容の形骸化が進み,また中・高校では地域調査は準備や実施に時間を要するために,実際には地域調査を行う教員の割合は低くなっている.地域調査の実施率を上げるためには,教室での学習では得られない地域調査の教育的意義を明確化するほか,地域調査の内容や方法を学ぶことのできる教員養成カリキュラムの整備や,地理学習の他の学習内容との関係を深める内容面での工夫などが必要である.

書籍等出版物

教科教育におけるESDの実践と課題-地理・歴史・公民・社会科-

井田仁康編(分担執筆)

古今書院2017年 03月-2017年 03月

詳細

総ページ数:297ページ担当ページ数:218~234ページISBN:9784772231855

早稲田大学が創る教師教育

早稲田大学教育総合研究所(分担執筆)

学文社2017年 03月-2017年 03月

詳細

総ページ数:123ページ担当ページ数:49~63ページISBN:978-4-7620-2721-5

Geography Education in Japan

井田仁康・湯田ミノリ・志村喬・大西宏治・大島英幹と共編

Springer2015年 01月-

ポルトガルを知るための55章(第2版)

明石書店2011年 10月-

世界地誌シリーズ1 日本

朝倉書店2011年 04月-

大学生のための社会科授業実践ノート(増補版)

風間書房2011年 04月-

相模川流域誌

国土交通省京浜河川事務所2010年 03月-

大学生のための社会科授業実践ノート

風間書房2009年 06月-

暮らしと観光−地域からの視座−

立教大学観光研究所2009年 03月-

世界の国々を調べる

古今書院2007年-

日本の地誌 第7巻 中部圏

朝倉書店2007年-

村落共有空間の観光的利用

風間書房2006年-

ローカルルールの研究−海の「守り人」論 2−

まな出版企画2006年-

ポルトガルを知るための50章

明石書店2001年-

レッツ環境授業

東洋館出版社1997年-

日本の川を調べる 4 東海・近畿の川とくらし

理論社1996年-

観点的評価と新しい学習観・学力観

明治図書出版1994年-

生活と環境-ジオグラフィック アプローチー

技術書院1994年-

子どもが’ノッ’てくる「探検授業」のつくる方

日本書籍1993年-

小学校社会科教育の研究

建帛社1991年-

アイデアいっぱい地図授業-絵地図から地球儀まで-

日本書籍1990年-

社会科地域学習の方法

明治図書出版1990年-

「地理総合」ではじまる地理教育-持続可能な社会づくりをめざして-

碓井照子(分担執筆)

古今書院2018年 07月-

詳細

単行本(学術書)総ページ数:200担当ページ数:121-132ISBN:978-4-7722-5317-8

社会科教育と災害・防災学習-東日本大震災に社会科はどう向き合うか-

日本社会科教育学会(分担執筆)

明石書店2018年 08月-2018年 08月

詳細

単行本(学術書)総ページ数:225担当ページ数:140-149ISBN:978-4-7503-4709-7

講演・口頭発表等

コンピテンシー重視の地理教育の課題-ポルトガルを事例に-

池 俊介

日本地理教育学会 第68回大会(日本地理教育学会)2018年08月05日

詳細

国内会議口頭発表(一般)開催地:大阪市

ポルトガルのナショナル・カリキュラムにおけるコンピテンシーの特徴

池 俊介

日本地理学会 2017年春季学術大会(日本地理学会)2017年03月28日

詳細

国内会議口頭発表(一般)開催地:つくば市

外部研究資金

科学研究費採択状況

研究種別:

地理、歴史、公民を関連させた社会科としてのESD実践の構築と発信に関する研究

2013年-0月-2017年-0月

配分額:¥18200000

研究種別:

持続可能な開発を多様なスケールでとらえる地理教材の開発

2012年-0月-2015年-0月

配分額:¥5070000

研究種別:

中国雲南省における少数民族地域の変容に関する人文地理学的研究

配分額:¥16250000

研究種別:

「持続可能な社会」に向けての社会科・理科のグローバルな融合カリキュラムの開発

2017年-0月-2021年-0月

配分額:¥17550000

研究種別:

コンピテンシー重視の地理教育の確立に向けた基礎的研究

2016年-0月-2019年-0月

配分額:¥4680000

研究種別:

学校教育における観光教育の教材開発とカリキュラム立案

2015年-0月-2018年-0月

配分額:¥4420000

研究種別:

地理教育におけるコンピテンシーの開発に関する研究

2019年-0月-2022年-0月

配分額:¥4290000

学内研究制度

特定課題研究

地理教育の系統化のための基礎的研究

2011年度

研究成果概要:本研究では、日本における系統的な地理教育カリキュラム構築の基礎的作業として、地理教育の長い伝統をもつポルトガルの義務教育における地理教育の学習目標・内容・方法の特色とその系統性について明らかにすることを目的とした。特に今年度の研究...本研究では、日本における系統的な地理教育カリキュラム構築の基礎的作業として、地理教育の長い伝統をもつポルトガルの義務教育における地理教育の学習目標・内容・方法の特色とその系統性について明らかにすることを目的とした。特に今年度の研究では、日本の中学校に相当する基礎教育の第7~9学年の地理教育の内容を中心に考察した。日本の学習指導要領に相当するポルトガル教育省が刊行するCurriculo Nacional do Ensino Basicoでは、「地理的能力をもつ市民」の育成が基礎教育における一連の地理学習の最終的な目的であるとされている。「地理的能力をもつ市民」には、事実を空間的に可視化し相互に関連づけること、自らが生活する環境を具体的に描写すること、多様なスケールの地図を利用すること、他の地域と比較し地球表面を理解すること、などの能力が具体的に求められている。また、こうした地理的能力は、基礎教育全体を通じて育成されるべき一般的な能力の形成にも貢献するものとされており、たとえば地図化などの地理的スキルや、自然科学から人文・社会科学にわたる多様な知識を動員して問題解決を図る地理学習独特の探究の方法が、他の教科の学習活動においても大いに役立つことが強調されている。とくに、地理学習が市民教育(環境教育・開発教育などを含む)を基礎から支える学習として位置づけられている点は特質に値する。こうした基礎教育における地理学習の実態の理解を深めるため、リスボン市内にある基礎教育第5~9学年を対象とする私立学校(日本の小学校高学年と中学校の一貫校)の1つであるEscola EB 2+3 Eugenio dos Santosの第9学年の授業を参観した。この授業は、日本の中学校に相当する基礎教育第3期の「地理」に設定されている6つのテーマのうち「発展のコントラスト」を扱ったもので、具体的にはポルトガル(自国)とEUの先進国であるベルギーの比較を題材としていた。第9学年では、「地理」は週に90分授業が2コマ、45分授業が1コマ配当されているが、本授業は90分の授業であった。1授業時間が長く、また1学級の生徒数が18名と少数であるため、まず教師がポルトガル・ベルギーの社会・経済に関する統計データや文書資料を配布し、個々の生徒が①最近6年間のポルトガルの発展状況、②ベルギーの社会・経済的な特色、③ポルトガルとベルギーとの相違点をまとめる、という調べ学習主体の授業が展開された。生徒たちは、教師に資料の見方等を質問しながら、90分間集中して課題に取り組んでおり、こうした授業形態に十分に適合している様子が窺われた。重要な地理的知識について単に教師が講義するのではなく、課題を探究するプロセスを重視した地理授業は、日本の中学校の授業の改善を図る上でも大いに参考になるものと思われる。

地理教育の系統化のための基礎的研究

2012年度

研究成果概要: 本研究では、日本における系統的な地理教育カリキュラム構築の基礎的作業として、ポルトガルの初等・中等教育段階における地理教育の特質を明らかにすることを目的とした。ポルトガルでは基礎教育9年間が義務教育とされるが、義務教育期間は1~... 本研究では、日本における系統的な地理教育カリキュラム構築の基礎的作業として、ポルトガルの初等・中等教育段階における地理教育の特質を明らかにすることを目的とした。ポルトガルでは基礎教育9年間が義務教育とされるが、義務教育期間は1~4学年の第1期、5~6学年の第2期、7~9学年の第3期に区分される。このうち、日本の中学校に相当する基礎教育第3期には「人文・社会科学科」という教科の枠組みの下で、「地理科」「歴史科」の2科目が置かれている。特に本年度の研究では、2001年に告示された「ナショナル・カリキュラム(Curriculo Nacional do Ensino Basico)」に基づいて大きな変化を遂げた「地理科」の概要を整理するとともに、その課題について考察することを目的とした。 ポルトガルでは、1980年代までは知識の習得が基礎教育を通じて重視されていたが、1990年代から子どもの自発性を引き出す課題への関心が高まり、「能力」「態度」が次第に重視されるようになった。とくに、今世紀に入って以降は、子どもの学習意欲の低下や社会への無関心等の問題を克服するため転移可能な「能力」への関心が高まり、2001年に告示され翌年から実施された「ナショナル・カリキュラム」においても「必要とされる能力」という副題が付けられるに至った。この「ナショナル・カリキュラム」では、とくにカリキュラムの弾力化に重点が置かれ、教科の授業時数の削減とともに教科横断的な学習領域の導入が積極的に図られた。 「地理科」では、それまで第8学年に空白があったものの、第7学年にヨーロッパ地誌を中心とする週3時間の授業(50分)が、第9学年に世界地誌を中心とする週4時間の授業(50分)が置かれていた。しかし、「市民形成(Formacao Civica)」をはじめとする3つの「教科横断領域」の設置による教科の授業時数の削減にともない、「地理科」「歴史科」の授業時数は両科目を合わせて第7学年で週2時間(90分授業)、第8・9学年でそれぞれ週2.5時間(90分授業)とされ、実質的な「地理科」の授業時数は第7~9学年全体で1割減少することになった。90分授業の誕生を評価する教師がいる一方、多くの教師は地理教員の需要の減少にもつながる「地理科」の授業時数の削減に大きな不満を抱いている。 また、「ナショナル・カリキュラム」に対する教師の理解がいまだに不足していること、また教科書の学習内容が依然として知識重視の傾向が強く分量が多いこと等の理由により、「ナショナル・カリキュラム」の内容が授業に十分に反映されているとは言いがたい状況にあることが明らかとなった。

地理教育の系統化のための基礎的研究

2013年度

研究成果概要:本研究は、日本における系統的な地理教育カリキュラム構築の基礎的作業として、ポルトガルの初等・中等教育段階における地理教育の特質を明らかにすることを目的としているが、今年度はとくにポルトガルの基礎教育(日本の小・中学校に相当する9年...本研究は、日本における系統的な地理教育カリキュラム構築の基礎的作業として、ポルトガルの初等・中等教育段階における地理教育の特質を明らかにすることを目的としているが、今年度はとくにポルトガルの基礎教育(日本の小・中学校に相当する9年間の義務教育)のナショナル・カリキュラム(Curriculo Nacional do Ensino Basico)の最大の特色である「必要とされる能力」の内容について検討した。ポルトガルの基礎教育のうち地理教育に関する教科・科目は、基礎教育第1期(後半)の「環境科」、第2期の「地理歴史科」、第3期「地理科」であるが、地理教育に関する「必要とされる能力」(地理的能力)は第3期の「地理科」にとどまらず、基礎教育全体を通じて育成されるべき能力として体系的に示されている。ポルトガルでは、従来の知識重視の教育から能力重視の教育への転換が1990年代から検討され始めたが、現職教員や関連学会等による内容の検討・修正を経て、各教科・科目で育成されるべき能力の全体像が初めて示されたのが2001年に発表されたナショナル・カリキュラムであった。このナショナル・カリキュラムの「地理」では、探究活動と結びついた諸能力の育成が目指され、観察、計測、情報処理、仮説の設定、討論、結論の導出、表現等の学習能力の育成が重視されている。これらの地理的能力は、「位置」「場所や地域に関する知識」「空間の相互関係のダイナミズム」の3つの領域ごとにまとめられ、1~3期それぞれについて具体的な形で示されている。しかも、これらの地理的能力を子どもの発達段階に応じて各期で繰り返し取り上げることにより、子どもに当該の能力が確実に身に付くよう配慮されている。また、ナショナル・カリキュラムには、全体で目指すべき一般的な「必要とされる能力」も示されているが、こうした一般的能力の育成に地理的能力がいなかる形で貢献しうるのか、という点についても説明されている。例えば、「地理的現象の分布を考察したり説明したりするための空間的表現の技術の適切な利用」や「人間と環境との相互作用の結果としての地理的空間の差異の認識」は、一般的能力の育成にも結び付くものとされており、地理教育で育成する能力が市民的資質の育成に不可欠である点が強調されている。以上のように、ナショナル・カリキュラムは、①発達段階に応じて育成すべき地理的能力が体系的かつ具体的に示されている点、②市民的資質の育成につながる基礎的な能力として地理的能力が明確に位置づけられている点、などに大きな特徴がある。これらの点は、日本の今後の地理教育の改善を図るうえで大いに参考になるものと思われる。

防災教育の視点を重視した野外学習教材の開発

2014年度

研究成果概要:本研究では、防災教育の視点を重視した新しいタイプの野外学習教材を開発することを目的とした。具体的には、横浜市中心部を対象に、関東大震災の被災状況を知ることのできる事物(被災建築物、がれきの埋設跡、震災被害に関する石碑・写真資料等)...本研究では、防災教育の視点を重視した新しいタイプの野外学習教材を開発することを目的とした。具体的には、横浜市中心部を対象に、関東大震災の被災状況を知ることのできる事物(被災建築物、がれきの埋設跡、震災被害に関する石碑・写真資料等)のうち、教材的な価値の高いものを抽出し、それらを徒歩で観察する2時間程度のエクスカーションコースを作成した。ただ、被災状況を知ることのできる事物には慰霊碑等の石碑類が多く、とくに石碑に刻まれた文章は文語体で記されたものが多いため、中学校・高等学校の生徒を対象とした実物教材としてはやや難解であることが明らかとなった。この点についての検討は、今後の課題としたい。

市町村合併に伴う社会科副読本の記述内容の変化とその課題に関する地理教育論的研究

2006年度

研究成果概要: 本研究では、静岡県内の各市町村で発行されている全ての社会科副読本を対象として、その構成・記述内容の特色を明らかにするとともに、いわゆる平成の大合併によって誕生した広域自治体における副読本作成上の課題についても考察した。静岡県にお... 本研究では、静岡県内の各市町村で発行されている全ての社会科副読本を対象として、その構成・記述内容の特色を明らかにするとともに、いわゆる平成の大合併によって誕生した広域自治体における副読本作成上の課題についても考察した。静岡県においては、4町を除く全ての自治体(計38)において社会科副読本が作成・使用されていた。副読本は、一般に「教科書準拠型」「資料集型」「ワークブック型」に分類されるが、自地域の事象を取り上げている以外は構成・内容とも教科書と大差がない「教科書準拠型」が大部分を占めている。また、各自治体の地域性を重視した構成・内容の副読本も少なく、記述内容の画一化が著しく進んでいる。市町村合併が近年実施された14の自治体のうち、大半の自治体ではいまだ副読本を作成中の状態にあったが、作成担当者への聞き取り調査により、自治体の広域化に伴う新たな問題に直面していることが明らかとなった。最大の問題点は、広域化に伴って市町村の地域的範囲を「身近な地域」として安易に設定してきた従来の地域学習の矛盾が顕在化していることである。とくに広域自治体においては、「身近な地域」の学習の直接的なテキストとして使用してきた従来の副読本のあり方の再検討を迫られているが、実際には、新たな市域内での旧市町村(身近な地域)の位置づけを明確化した記述に努める以外には、有効な対応策を見出せずにいるのが現状である。また、多様な特色をもつ地域を内包した広域自治体を単位とする学習は、県を単位としたその後の学習と重複する面が多く、従来の市町村(身近な地域)・都道府県・国という学習対象地域のスケールについても検討が必要となっている。今後は、広域自治体を単位とする副読本と、「身近な地域」を単位とするワークブックの併用など、子どもの直接経験を活かした学習の展開を促進できるような新たな方策を考えて行く必要があろう。

地理教育の系統化のための基礎的研究

2009年度

研究成果概要:本研究では、日本における系統的な地理教育カリキュラム構築の基礎的作業として、地理教育の長い伝統をもつポルトガルの初等・中等教育段階における地理教育の学習目標・内容・方法の特色とその系統性について明らかにすることを目的とした。ポルト...本研究では、日本における系統的な地理教育カリキュラム構築の基礎的作業として、地理教育の長い伝統をもつポルトガルの初等・中等教育段階における地理教育の学習目標・内容・方法の特色とその系統性について明らかにすることを目的とした。ポルトガルでは、基礎教育第1期の後半(第3~4学年)の「環境科」、第2期(第5~6学年)の「地理歴史科」、第3期(日本の中学校)・中等教育(日本の高校)の「地理科」の各教科において地理教育が行われているが、本研究ではとくに基礎教育第3期を中心に、地理学習の特色を明らかにしようと試みた。その結果、以下のようなことが分かった。「環境科」「地理歴史科」における「観察」「位置」「地形」「地球儀・地図で見る国・大陸」「ポルトガル地誌」等に関する基礎的な学習を踏まえ、基礎教育第3期の「地理科」では、地理的事象を生ぜしめる自然的要因と人文的要因の相互関係についての認識を深め、地球環境を共有する市民としての意識を育てることを目的としている。具体的には「土地-学習と表現」「自然環境」「人口と居住」「経済活動」「発展のコントラスト」「環境と社会」という6つのテーマが提示され、これらを具体的な事例(自国のほか世界の2地域を選択)を通じて学習するというカリキュラム構成がとられている。また、実際の学習では、地図・統計等を用いた情報収集から問題の解決に至るまでの一連の学習プロセスのほか、「フィールドワーク」「グループでの探究活動」「見学」「シミュレーション・ゲーム」「ケーススタディ」等の活動が重視されており、義務教育の段階で地理的な学習能力がしっかりと子どもに身に付くような指導が求められている。なお、こうした地理的な学習方法のほか、自国・世界についての地誌的な知識の獲得も市民にとって必要不可欠なものとして同時に重視されている。学習方法の習得のみを重視するのではなく、地誌的な知識も重視することで両者のバランスをとっている点は、今後の日本の地理教育カリキュラムのあり方を考える上でも示唆に富む。

地理教育の系統化のための基礎的研究

2010年度

研究成果概要: 本研究では、日本における系統的な地理教育カリキュラム構築の基礎的作業として、ポルトガルの初等・中等教育段階における地理教育の特質を明らかにすることを目的とした。ポルトガルの義務教育では、初等教育の「環境学習」(第1~4学年)、「... 本研究では、日本における系統的な地理教育カリキュラム構築の基礎的作業として、ポルトガルの初等・中等教育段階における地理教育の特質を明らかにすることを目的とした。ポルトガルの義務教育では、初等教育の「環境学習」(第1~4学年)、「ポルトガル地理・歴史」(第5~6学年)、中等教育の「地理」(第7~9学年)の中で地理教育が行われている。また、高校においても大学進学率の高い科学・人文課程のうち、社会経済科学コースでは「地理A」「歴史B」「経済A」(それぞれ第10~11学年の2年継続履修科目)のうち2科目が必修、「地理C」が第12学年の選択科目とされており、最長で12年間にわたる系統的な地理教育が行われている。学習対象地域は、身近な地域~国(第1~4学年)、国(第5~6学年)、国・ヨーロッパ・世界(第7~9学年)へと基本的には同心円的に拡大するが、例えば「環境学習」では身近な地域を主な対象としつつも、自分の家族・友人の出身地を調べる等の活動を通じて、実質的には学習地域は県・国・世界にまで広がり、子どもの空間認識を積極的に広げるための工夫がなされている。また、「地理」においても、6つのテーマについて自国のほか世界の2地域を事例地域として具体的に学習することになっており、地理的事象を多様なスケールで繰り返し学習する点に大きな特徴が見られる。画一的な同心円的拡大方式の適用が問題となっている日本に比べ、学習対象地域のスケールに関する考え方は柔軟であり、系統的な地理教育カリキュラムを検討してゆく上できわめて示唆に富む。また、日射に関する自然科学的な説明や、日射量の地域的差異に関する説明を踏まえて、沿岸地域に偏在する国内観光地の分布の問題を取り上げるなど、自然地理的内容と人文地理的内容を関連づける工夫も積極的になされており、自然地理的内容が社会科・理科に分断されている日本に比べて、総合科学としての地理学の特性がダイレクトに反映されている。

現在担当している科目

科目名開講学部・研究科開講年度学期
社会科教育研究指導(M-1)(池)大学院教育学研究科2019春学期
社会科教育研究指導(M-2)(池)大学院教育学研究科2019秋学期
社会科教育演習(M2-1)(池)大学院教育学研究科2019春学期
社会科教育演習(M2-2)(池)大学院教育学研究科2019秋学期
社会科教育学研究指導(D-1)(池)大学院教育学研究科2019春学期
社会科教育学研究指導(D-2)(池)大学院教育学研究科2019秋学期

作成した教科書・教材・参考書

教育出版 「中学 社会」

1998年

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概要:中学校用社会科教科書の執筆

教育出版 「小学 社会」

1997年

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概要:小学校用社会科教科書の執筆