氏名

タケナカ ヒロコ

竹中 宏子

職名

准教授 (https://researchmap.jp/read0209996/)

所属

(人間科学部)

連絡先

URL等

研究者番号
30376967

本属以外の学内所属

兼担

人間科学学術院(大学院人間科学研究科)

学内研究所等

ヨーロッパ民俗研究所

研究所員 2010年-2011年

ヨーロッパ民俗研究所

研究所員 2011年-2014年

学歴・学位

学位

博士 課程 マドリッド大学(UCM)

所属学協会

早稲田文化人類学会 理事

日本文化人類学会

日本生活学会

ガリシア文化・社会人類学会

委員歴・役員歴(学外)

2013年-日本民俗学会国際交流特別委員会委員、1月〜

受賞

第5回アントニオ・デュラン・グディオル賞

1999年02月

研究分野

キーワード

ヨーロッパ人類学、都市人類学、スペイン地域研究、文化遺産研究

科研費分類

人文学 / 文化人類学 / 文化人類学・民俗学

論文

Individuals as Actors of Social Change: A Case Study of the Revitalisation of El Camino de Fisterra-Muxi'a and Costa da Morte in Galicia, Spain

TAKENAKA, Hiroko

Senri Ethnological Studies81p.131 - 1482013年-

Antropologi'a de los albergues del Camino de Santiago

Takenaka, H.

Acta del VI i VII Congreso del Camino de Santiagop.97 - 1192011年-

スペイン・ガリシアにおける移民の歴史と現在—ラテンアメリカとヨーロッパの狭間のガリシア

竹中宏子

人間科学研究23(2)p.257 - 2712010年09月-

フィステーラ=ムシーアの道」(サンティアゴ巡礼路)と「死の海岸」の遺産化に関わる人びと—地域文化コーディネーターの活動と役割—

竹中宏子

国立民俗歴史博物館研究報告集156p.163 - 1842010年03月-

祭りの意味とライフステージ —「演者」「観衆」役割の流動性に着目して

竹中宏子

生活学論叢10p.84 - 962005年10月-

生きられる都市空間の近代—スペイン・ウエスカ市における「表象の空間」に関する人類学的考察から

竹中宏子

お茶の水地理45p.23 - 472005年03月-

「遺産」を担う、もう一つの主体像—「サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼路」に関わるボランタリー・アソシエーションの事例から

竹中宏子

白山人類学8p.69 - 892005年03月-

<Espacios> creados en el espacio: Un análisis del ámbito ciudadano de la Huesca actual.

Takenaka, H.

Acta del IX Congreso de la Federación de Asociaciones de Antropología del Estado EspañolCD-Rom版,頁無し2003年09月-

キリスト教巡礼におけるホスピタリティの現在―サンティアゴ巡礼の巡礼宿とオスピタレロに着目した人類学的研究

観光学評論査読有り3(1)p.17 - 332015年-

書籍等出版物

ヨーロッパ人類学の視座—ソシアルなるものを問い直す(竹中担当分pp.161-189, 「個人が開くソシアルの地平—スペインガリシアの地域文化コーディネーターの事例から」)

森明子編

世界思想社2014年 04月-

ホスピタリティ入門

青木義英・神田孝治・吉田道代編著 (竹中担当分pp.10-17, 「サンティアゴ巡礼におけるホスピタリティ」)

新曜社2013年 04月-

人類学ワークブック

小林孝之・出口雅敏編 (竹中担当分pp.127−174「集う —人間関係の中で生きる」)

新泉社2010年 07月-

エコ・イマジネール

嶋内博愛,出口雅敏,村田敦郎編 (竹中担当分pp.187-210, 「参加者の視点から見た聖人祭 —祭りの経験構造」)

言叢社2007年 06月-

現代都市伝承論 —民俗の発見 (竹中担当分pp.255-284, 「伝承される聖人伝説 —スペイン・ウエスカにおける守護聖人の現在性—」)

現代伝承論研究会編

岩田書院2005年 10月-

La fiesta en la ciudad: antropologi'a de la Fiesta de San Lorenzo en Huesca

Takenaka, Hiroko

Exmo. Ayuntamiento de Huesca2005年-

外部研究資金

科学研究費採択状況

研究種別:

ガリシアの農村を対象とした共同体の人類学的研究:非同一性に根ざした共同性の探究

2014年-0月-2017年-0月

配分額:¥4810000

研究種別:

文化遺産の担い手に関する民族誌:アソシエーションの公共性に関する人類学的考察

配分額:¥4420000

研究種別:

カタルーニャの人間の塔に関する人類学的な文化遺産研究

2018年-0月-2021年-0月

配分額:¥4420000

研究資金の受入れ状況

実施形態:共同研究

ネットワークの人間科学:人・モノ・ネットワークのダイナミクスに関する広域システム科学的探究2010年-2012年

実施形態:共同研究

ソシアル概念の再検討 —ヨーロッパ人類学の問いかけ(研究代表者:森明子)2007年-2009年

実施形態:共同研究

多世代・多文化共生社会における社会・文化環境の構想(研究代表者:店田廣文)2007年-2010年
人文・自然景観の開発・保全と文化資源化に関する研究(研究代表者:青木隆浩)2006年-2007年

学内研究制度

特定課題研究

世界遺産「サンティアゴ巡礼路」の社会的用法に関する基礎的研究―地域文化の担い手としてのアソシエーションからのアプローチ―

2006年度

研究成果概要: 本研究は、スペインのサンティアゴ巡礼路に関して文化活動を展開するアソシエーション(「サンティアゴ巡礼路・ガリシア友の会」および「スペイン・サンティアゴ巡礼路友の会連盟」)を対象に、「団体としての活動」と「構成員個々人の生活」との... 本研究は、スペインのサンティアゴ巡礼路に関して文化活動を展開するアソシエーション(「サンティアゴ巡礼路・ガリシア友の会」および「スペイン・サンティアゴ巡礼路友の会連盟」)を対象に、「団体としての活動」と「構成員個々人の生活」との関係性の把握を試みたものである。そのため、1)各団体の沿革を調査し、2)次いで、可能な限り構成員の日常生活に関する聞き取りを行った。1)「サンティアゴ巡礼路・ガリシア友の会」の沿革に関しては基本的に直接インタヴューで把握し、その他、彼らから提供された会誌なども参考にした。「スペイン・サンティアゴ巡礼路友の会連盟」の沿革については、主に創立当初からの会誌を参考にした。そこから、前者は、その成立に創立者のサンティアゴ巡礼に対する強い想いがみとめられた。後者は、個人の想いというよりも、むしろ、1975年のUNESCOの勧告および地域活性化を目論む地方政府の意図が強くみとめられた。ただし大枠として、これまで報告者が研究してきた文化活動を展開する他種のアソシエーションとそれほど変わらない構成、活動内容、団体維持の仕方を有していることもわかった。2)構成員個々人の生活に関しては、主に「サンティアゴ巡礼路・ガリシア友の会」の会員に対して調査を行った。その結果、ほぼ全員が地域社会で仕事と家庭を持ち、ほとんどが高学歴を有している人物であることがわかった。注目すべきは、個人的に思い入れがあるサンティアゴ巡礼スピリットのプロモーションと巡礼路の維持・整備という活動が、家族と共に行われている点であり、収入を得るための仕事や他の趣味との関係の弊害とはならない点である。つまり、特に中心的に活動している人物は、会議などで時間を割くことがあるものの、事務的にならず、多くの場合、遠足や食事会が同時に設定されているように(ガリシア州内で常に会議の場所が変わる)、娯楽的要素が大いに盛り込まれているのである。こうした「肩の力を抜いた」活動が基になって、サンティアゴ巡礼路は原型を留め、地域のシンボルおよび世界遺産として維持されているのである。これまで文化を支える活動というと、その活動のみに従事している側面ばかり強調されてきたが、本研究では、日々の生計や家庭生活を維持しながら遺産を守る人びとの現実を提示できたと思う。先に述べたとおり団体としてはどのアソシエーションのあり方も変わらないものの、構成員を細かく見ていくと、内実に変化が見られ、それが今日のアソシエーションの紐帯を特徴付けているのだと考えられる。本研究は、スペインにおけるアソシエーション像と遺産を把握するには未だ不完全ではあるが、基礎的研究としては目標に達したと考えている。

文化遺産の担い手に関する民族誌:アソシエーションの公共性に関する人類学的考察

2007年度

研究成果概要: 本研究はサンティアゴ巡礼路(対象地域はスペイン・ガリシア州に限る)に関わるアソシエーションの公共性を明らかにしようとするものである。2007年度は文献調査および文化遺産に関する研究者との意見交換を通じてヨーロッパおよび日本におけ... 本研究はサンティアゴ巡礼路(対象地域はスペイン・ガリシア州に限る)に関わるアソシエーションの公共性を明らかにしようとするものである。2007年度は文献調査および文化遺産に関する研究者との意見交換を通じてヨーロッパおよび日本における先行研究の整理を行った。1.スペインおよびヨーロッパにおける文化遺産研究 これまでの「遺産」(西:patrimonios,仏:patrimoins)に関する資料は、1)行政、遺産保護に携わる者による技術論、2)論争的、文化国家の擁護あるいは告発、の内容に大別される。ヨーロッパにおいて古くから歴史的建造物および美術品は保護の対象とされてきた経緯があるが、大きな変化は、従来の概念が拡大解釈され、例えば現在では使われなくなった農具や田園風景までも遺産として捉えるようになったことである。そこには1972年にUNESCOで採択された世界遺産条約(正式名称:世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約)の影響があると予測される。ヨーロッパではこの30年来、文化遺産を保存していくことが現代社会にとってどのような意義をもつのかという問題が、様々な学問分野で議論されてきている〔荻野昌弘 2002「編者序文」荻野昌弘編『文化遺産の社会学 ―ルーヴル美術館から原爆ドームまで』, 新曜社, pp.i-iv.〕。本論が対象とするスペインでは1970年代から博物館関係者の間で議論が行われていたものの、人類学などの研究のレベルではフランスなどに少々遅れて90年代から研究成果が出始めた。 その多くは「遺産」とは社会的な構築物であり、したがって人工的に創られた概念であることが指摘され、主に「遺産化」が博物館、観光、法律との関係で歴史的に検討される、または政治性をはらんだ文化論として抽象的に論じられている〔例えば:García García, José Luis 1998 “De la cultura como patrimonio al patrimonio cultural” Política y sociedad No 27, Fac. CC. Políticas y Sociología de la UCM, pp.9-20; Prats, Llorenç 1997 Antropología y patrimonio Barcelona:Ariel など〕。プラットは1990年代の段階で遺産に関する事例研究の少なさを指摘しているが〔Prats, 1997, ibid, p.14〕、近年ではより小さな地域における遺産の活用あるいは有用性が実践的なレベルで議論される傾向にある。2.日本における文化遺産研究 日本においては1992年に通称「世界遺産条約」に加入してから現在まで、地方自治体および地域住民からその登録に向けての運動が広がり続けている。この現象に代表されるように、地域の資源を基礎にした文化遺産あるいは自然遺産への関心が高まりを見せ、人類学、民俗学、社会学などからも研究が重ねられてきた。その資料の対象地域も国内外に及び、現代社会における「遺産」をめぐる問題の多くは、地域がもつ資源あるいは生活環境の中からある部分が「遺産」として選択、評価または再評価される過程、つまり文化が客体化されるような「遺産化 (patrimonialization)」のプロセスが考察されてきた。例えば、山下晋司〔1988『儀礼の政治学 ―インドネシア・トラジャの動態的民族誌』, 弘文堂; 1996, 『楽園』の創造 ―バリにおける観光と伝統の再構築」山下晋司編『観光人類学』, 新曜社, pp.104-112〕による国家や来訪外国人などの外的な要因によって再構築されるトラジャの伝統儀礼やバリの民族芸能、橋本裕之〔1996,「保存と観光のはざまで ―民俗芸能の現在」 山下晋司編『観光人類学』, 新曜社, pp.178-188〕によるホストとゲストがもつ文化コードの違いから創出されるフィジーの民族文化、塩路有子〔2003,『英国カントリーサイドの民族誌 ―イングリッシュネスの創造と文化遺産』, 明石書店〕による地元民ではなくインカマーにより維持される英国カントリーサイド(ピッチング・カムデン)の景観、森田真也〔2003,「観光客にとっての祭礼、地域にとっての祭礼 ―沖縄竹富島の種子取祭から」, 岩本通弥編『記憶』, 朝倉書店, pp.178-203〕による観光の影響をも受け多様な意味を生成している沖縄・竹取島の伝統的な祭礼、などが挙げられる。これらは、ローカルな地域社会の論理とより大きな社会の流れとを同時に視野に入れ、その交錯と動態の考察を試みた研究と位置づけられる。また、同様の視点をもって、川森博司〔1996,「ノスタルジアと伝統文化の再構成 ―遠野の民話観光」 山下晋司編『観光人類学』, 新曜社, pp.150-158; 2001,「現代日本における観光と地域社会 ―ふるさと観光の担い手たち―」『民俗学研究』66―1 pp.68-86〕は遠野の、才津祐美子〔2003,「世界遺産『白川郷』の『記憶』」岩本通弥編『記憶』, 朝倉書店, pp.204-227〕は白川郷の事例から、地域の資源の観光化や保存の過程において困難な状況を乗り越えながら発現される、住民による生活のための創意工夫のあり方を明らかにした報告もある。いずれの場合も、歴史や文化の商品化および「伝統文化」を利用した「文化産業」が進む中、それらの担い手の論理、すなわち地域住民の「遺産」との主体的な関わり方がフィールドワークを通じてミクロな視点から分析されているのである。このような調査・研究が学際的な広がりをもって結実した発展的な成果が、岩本を代表とする研究成果報告書〔2004,『文化政策・伝統文化産業とフォークロリズム ―「民俗文化」活用と地域おこしの諸問題―』(課題番号13410095)平成13~15年度科学研究費補助金(基盤研究(B)(1))研究報告書〕で、これは評価すべきものであり、「遺産」とその担い手の問題を考える上で本研究でも大いに参考となる資料である。 本研究は当初、2007年7月1日~2008年3月31日まで行われる予定であったが、同課題で科学研究費の研究として追加採択されたため、9月30日で助成金が打ち切られることとなった。そのため当初の研究目的として挙げていた、文化遺産とのかかわりにおけるアソシエーションに関する調査・研究の実行には至らなかった。先に挙げた文献調査には対象地域であるガリシアに関して未だ不十分なところが多いが、現段階では文化遺産に関する国内外の先行研究を大枠で掴めたのではないかと考える。

フランコ独裁政権下におけるスペイン民俗文化と民俗学・人類学との関係性に関する研究

2009年度

研究成果概要: 本研究は、フランコ独裁政権時代(1939~1975年)における文化政策の把握と地方における実際の民俗文化の扱われ方を通して、スペインの民俗文化と民族学や人類学との関係性を明らかにすることを目的としている。そこでは地方文化の形成過... 本研究は、フランコ独裁政権時代(1939~1975年)における文化政策の把握と地方における実際の民俗文化の扱われ方を通して、スペインの民俗文化と民族学や人類学との関係性を明らかにすることを目的としている。そこでは地方文化の形成過程が考察されるが、地域文化を主たる研究対象とする民俗学や人類学の影響力、つまり政治性に着目しながら検討する。また、スペイン全体としての民俗学や人類学を把握しようと試みるが、報告者の主要なフィールドであるガリシアにおける動向を中心に研究は進められる。研究は文献資料の収集と読み込みを基本とし、研究機関における聞き取り調査も行った。そこから次の3点が明らかになった。 第一に、スペインの民俗文化研究に関する学問分野の位置づけを行うことができた。スペインにおいて民俗学は、19世紀に登場し、1970年代まではその存在がみとめられるが、現在は学として存在していない。民俗文化を扱う学問領域は、人類学である。スペインの人類学史を追っていくと、国内の民俗文化を扱う分野が民俗学から民族学へ、そして人類学に名称と方法論を変えていった経緯が把握できた。 第二に、フランコ政権下における民俗文化研究の政治性が明らかになった。独裁政権下において各地の民俗文化研究所は政府の厳しい管理下におかれ、地域主義的な思想をもつことが許されず、民俗文化研究は方法論も検討されることなく収集されていった。ある意味で政治性を抜き取られた民俗文化として、しかしスペインまたはマドリッドを中心とする民俗文化として、歌や踊りが人びとの前で披露されていたのである。 第三に、地方(ガリシア)の視点から、具体的な民俗文化の研究状況を把握することができた。既述の民俗文化とそれに関する学的状況は当然、ガリシア地方における民俗文化のあり方にも影響を及ぼした。ガリシアにおいては、ガリシア民俗に関する研究機関(Museo do Pobo Galego)は、フランコ政権終焉後の1976年を待たねばならなかった。そして、現在につながる地方主義の動きと結びついたのは、フランコ政権以前に展開されたガリシア主義運動で「選択」された民俗文化だったのである。 このように本研究では、スペイン全体と地方の視点、すなわちマクロとミクロな視点の両方から、地方の民俗文化およびそれに関する研究の状況と、そこに潜む政治性が捉えられている。さらに歴史を遡り、より歴史的な視点から民俗文化のあり方とその研究の変化についての考察を行うことが今後の課題である。

民俗芸能の聖化と遺産化の過程に関する人類学的研究:ウエスカの踊り手を事例に

2014年度

研究成果概要: 本研究はスペイン・ウエスカ市で毎年8月に行われる聖ロレンソ祭において、守護聖人「ロレンソ」と並んで最も注目を浴び、当聖人祭やウエスカを代表すると考えられる「ダンサンテス(踊り手)」の聖化と遺産化の過程を文化人類学の視点から明らか... 本研究はスペイン・ウエスカ市で毎年8月に行われる聖ロレンソ祭において、守護聖人「ロレンソ」と並んで最も注目を浴び、当聖人祭やウエスカを代表すると考えられる「ダンサンテス(踊り手)」の聖化と遺産化の過程を文化人類学の視点から明らかにすることを目的としている。文献調査、祭の参与観察、聞き取り調査や会話から、ダンサンテス自身の意識の変化(1980年代頃から)、ダンサンテスに対するメディアの変化(1990年代頃から)、そしてダンサンテスを受け止める一般市民および権威者の変化、の3点を捉えることができた。この成果を踏まえて現在、ダンサンテスの神聖化と遺産化に関する理論的な枠組みを入れた考察を急いでいる。

多現場から構築されるガリシアの地域社会:ウジョア地域の民族誌

2011年度

研究成果概要:(1)研究目的 ガリシアは、19世紀末から20世紀にかけてスペイン国内外に移民を多数送出した歴史をもち、「移民」はガリシアを象徴する要素ともなっている。「ガリシアは外部からつくられる」(Murado, M.A., 2008 "Ot...(1)研究目的 ガリシアは、19世紀末から20世紀にかけてスペイン国内外に移民を多数送出した歴史をもち、「移民」はガリシアを象徴する要素ともなっている。「ガリシアは外部からつくられる」(Murado, M.A., 2008 "Otra idea de Galicia", Editorial Debate)という歴史家の言葉からも、流出した移民がガリシア社会に与える影響の大きさがみとめられる。報告者がこれまで調査・研究してきたウジョア地域(comarca de Ulloa)においても、域外で暮らすウジョア地域出身者との関係が何らかの形で維持されている事実が見て取れる。では、その関係はガリシア地域社会の形成にどのように関わっているのだろうか。 本研究では、このような移民との関係の歴史と現状を明らかにし、それらをウジョア地域の民族誌の中に組み入れる試みを行う。そこでは多現場的なフィールドワークから、域内および域外の人びとのアイデンティティのあり方を考察したい。なお、ウジョア地域出身者も世界各地に暮らしているが、今年度は国内に移民として流出した人びとを対象とし、移民先も特にウジョア地域の中心地パラス・デ・レイ(以下、パラスと称す)出身者が多く移民したと予測されるビルバオに限定した。(2)研究成果 夏期にパラスにおいて、春期にビルバオにおいて、それぞれ短期でフィールドワークを行い、主にインフォーマントの生活圏とその外とのつながりについて聞き取り調査を行った。可能ならば、出身地を出た経緯や、目的地を選んだ経緯なども尋ねた。それらを基に、現時点で次の特徴を抽出した。 ・かつて移民として域外で生活し、現在パラスで農牧業を経営している住民の中には、都市的な生活を良いものとする態度、つまり、生活水準が高いとする態度がみられる。 ・パラスでは、夏季休暇の頃にかつての流出移民(家族や親戚)を多く受け入れる。そのため、歓迎する一方、「休暇時だけの住民(domingueros)」と呼び、同じ地域出身者とは厳密には一線を画す態度が見受けられる。 ・ビルバオに渡った移民第一世代とそれ以降の世代では、ガリシアに対する距離感が異なる。パラスとの関係性、すなわち親戚同士の行き来も、基本的に第一世代が中心になっているので、第二世代以降はその関係性は希薄化する傾向が強い。 ・ビルバオへの移民第二世代の中には、ガリシア人としてのアイデンティティよりも、「ポルトガレテ*の住民」「バラカルド*の住民」、すなわち住みなれた土地の住人としてのアイデンティティをもつ者も少なからずいる。*Portugalete/Barakaldo:ビルバオ郊外の工場地帯で、多くの移民が住む地域。 かつてビルバオ郊外を中心に栄えた軽金属業は現在では衰退し、1990年代後半以降は、ガリシアからの移民の流入もほぼ止まっている。このような状況において、ガリシア域外でガリシア人としてのアイデンティティを敢えて確認できる場所は、県人会に似た性格をもつアソシエーションであろう。そこではガリシア特有の踊りや音楽を習うこともでき、ガリシア料理に触れる機会もある。だが、それらアソシエーションの活動も、ガリシアの特徴を強調し、他との差異化を図るものではなく、異なる文化や人びととの交流を目指していることが調査からわかった。少なくともこれらのアソシエーションからは、ガリシア移民が、移民先に根づき、他の文化と共存しながら(異種混淆という形で)、新たにその土地の人間としてのアイデンティティを構築しようとする意思がみとめられる。 これらの調査から、当初、強力と考えられていた流出ガリシア移民の影響が薄れている現状が捉えられ、それは従来とは異なる形でガリシアに住むガリシア人のアイデンティティのあり方にも変化をもたらしていると考えられる。(3)今後の課題 今回の調査の成果を、ガリシアの外に住むガリシア人の現状とそのアイデンティティの変化としてまとめる必要がある。そこでは、今回入手できた工業都市としてのビルバオの歴史に関する文献と対照させながら、まとめていきたい。その上で、ガリシアの外に住むガリシア人(パラス出身の流出移民)をウジョア地域の歴史の一部として、民族誌における位置づけを検討し、他の調査の成果も入れながらまとめていきたいと考えている。

ローカルで起こる領土化の過程から見たガリシアの多様性:援助と「ルーラル」のあり方

2012年度

研究成果概要:●研究の目的 本研究は、スペインにおいてカタルーニャやバスクと並んで地方主義が強いとされるガリシアの現状を把握するため、EUの共通農業政策による影響に着目しながら、村落地域の変化を捉えることを目的とする。村落地域に限定するのは、ガ...●研究の目的 本研究は、スペインにおいてカタルーニャやバスクと並んで地方主義が強いとされるガリシアの現状を把握するため、EUの共通農業政策による影響に着目しながら、村落地域の変化を捉えることを目的とする。村落地域に限定するのは、ガリシアに関する一般的な表象が「田舎(ルーラル)」または「低開発」であるからである。こうしたルーラルな特徴も、農業人口が減少するに従って、実際のところ外部からの援助で成り立っているのであるから、こうした文化表象の内実を、経済的援助による(再)領土化の問題として捉えることが可能であろう。本研究では、こうした政策や事業がローカルなレベルでどのように理解され、実践されているかを把握し、その援助を基に活動する主体であるアソシエーションが地域の表象を再創造しながら地域の境界を明確化させていく様相を人類学的に明らかにしようと試みるものである。●研究計画および成果 ガリシアの中でも報告者がインフォーマントとある程度の関係をもっている2地域においてフィールドワーク(夏季1回)を行った。すなわち、海岸地域である「死の海岸」地域(Costa da Morte)およびウジョア地域の主にパラス(Palas de Rei)である。いずれも、低開発地域とされ、地元の産業であった農業や漁業が衰退傾向にある地域である。フィールドワーク期間中は、文献も収集し、現地および文献調査を通じて、次のようなガリシアの現状が把握できた。 死の海岸地域では、主幹産業であった漁業は、現在ではほとんど行われておらず、既に海の資源を観光化する動きが出ている。実際には1960年代頃からこのような観光化が開始されていたのだが、当時は観光の視点から「海」といえば地中海を指したので、リアス式海岸であり、また、大西洋の冷たい海に面した死の海岸地域は、外部者を呼び寄せる観光資源として成功しなかった。しかし1990年代から急激な変化が生じ、田舎での自然と接する生活またはロハス的な発想が主に都市民の間で重んじられるようになり、民宿的な「田舎の家(casa rural)」の普及とも相まって、死の海岸地域も観光化が進んでいる。それに拍車をかけたのが、世界的に有名なサンティアゴ巡礼であり、死の海岸地域はその終着点ともいえるべき特別な「聖地」を2点(フィステーラFisterraとムシーアMuxía)含む。このような地域の観光化に大きく関わっているアソシエーションは「ネリア(Neria)」であり、これはEUからの援助を受けるためにつくられた団体である。しかしその活動に関しても、内部から批判的な意見も聞かれ、ネリアとは異なる動きをみせながら、同様に景観の保護や地域経済を考え、改善の方向に向ける努力を重ねる集団も出てきている。このような集団は、アソシエーションという形をとらず、したがってアソシエーションが主体となって地域活性化を行うという一般的な見解に再検討を迫る現象ともいえよう。 パラスでは酪農業や牧畜業中心の農業は衰退化の傾向を見せているものの、未だ顕在ではある。フィールドワークでは、パラス域内に位置するゴンタ(Gontá)、アルバAlbá、ウジョアUlloaという村で特に調査を行った。そこでは農業従事者の高齢化が進んでいること、また、小規模な経営が目立った。それでも何とか農業を積極的に続けていく者の中には、友人と土地を共有しながら協働(Cooperativa)する者、また、有機製法に傾斜し、大量生産ではなく付加価値での販売を狙う者も出て来ている。このような積極的な農業経営者の間で、エコツーリズム的な祭りを開催する動きがみられる。そこでは機械化する前の農具を使ったかつての農業のあり方を見せ、地元の生活も寸劇的に再現するのであるが、村全体が「舞台」となる。当然、地元の生産物も販売される。ただしこの祭りの意義は、外部から観光的に人を呼び込むだけではない。地元民にも自らがもつ資源の価値を認識してもらうことにある。以上2地域でのフィールドワークからは、それぞれ状況は異なるものの、何かしら地元民からの新たな動きが読み取れる。死の海岸地域の場合は、一方で明らかに外部からの援助を基に地域活性化を行っている集団があるものの、他方でそれに異議を唱え、異なる動きを見せる集団もみられた。パラスの場合は、外部からの経済的援助がどのように関わっているかはまだよくわかっていないが、地元からの動きがみられる点では死の海岸地域と同じである。また、両地域において、いわゆる「知識人」の存在がみとめられた。すなわち、死の海岸地域の場合、アソシエーションという形を取らない集団は、域外で高等教育を受けた(大学または大学院)人びとによって成立しているし、パラスの祭りには農業経営者だけでなく、大学で人類学の教鞭を取る地元出身の研究者も深く関わっている。いずれの場合も、地元を資源化する動きであり、その過程で当該地域と他との差異化を実践していると考えられる。●今後の課題 本研究では、最終的にはガリシア全体の相違性と類似性を捉えたいがために、海岸地域と内陸地域の任意の地域においてフィールドワークを行った。それなりに状況は捉えられたものの、時間的な制約から、人類学的な微細な参与観察に至らなかった。また、援助があるのか否かについても、行政資料を得られるだけのラポールを築くことができない場合もあった。これらの反省点を基に、今後もガリシアの表象としての「田舎性」の内実を調査し、検討を続けていきたい。

文化遺産としての聖ロレンソ祭を通して見た地域アイデンティティの生成と継承の研究

2013年度

研究成果概要: 本研究は、それまで都市祭礼として調査・研究してきたスペイン・ウエスカの聖ロレンソ祭(毎年8月9~15日に開催)を文化遺産の視点から捉え直し、遺産としての祭りを通して、現実世界を生きる人々に担われる文化を保存・継承する様相を考察す... 本研究は、それまで都市祭礼として調査・研究してきたスペイン・ウエスカの聖ロレンソ祭(毎年8月9~15日に開催)を文化遺産の視点から捉え直し、遺産としての祭りを通して、現実世界を生きる人々に担われる文化を保存・継承する様相を考察することを目的としている。具体的には報告者の過去のフィールドワークが実質的に1998年で止まっていることから、それ以降のウエスカの都市空間や都市社会の変化を把握し、それが祭りにどのような変化をもたらしているかを検討した。そのために、できる限りの文字資料(祭りのプログラム、地元の新聞、地元の雑誌、教会発行の会誌、市役所所有のデータ)を収集・分析し、祭りに参加する芸能グループやレクリエーション集団の成員に現状に関する聞き取り調査を行った。また、祭り期間およびその準備期間における参与観察を通して、祭り自体の変化も考察した。 1999年以降の聖ロレンソ祭のプログラムおよび祭りへの直接参加を通して、祭りの進行自体にそれ以前と比べて大きな変化がないとわかった。主に教会側が進行する聖ロレンソ関連のミサ、宗教行列、「オフレンダ(Ofrenda de flores y frutos)」(花や収穫物をささげる行事)には日程や場所、ならびに進行上の変更はみられなかった。また、いわゆる「伝統的」に行われている行事である、祭り開始の合図としてのロケット花火点火(Chupinazo)、パレード(Carrozas y Cabargatas)、伝統グループであるダンサンテス(Danzantes de Huesca)の踊り、旧市場での祭り(Fiesta del Mercado)、闘牛(Corrida de toros)、聖ロレンソへの別れの挨拶(Despedida al Santo)、にも同じように進行していることが見て取れた。プログラム上の変化はマイナーチェンジであり、従って毎年の参加者の間では、祭り自体に大きな変化は感じられないと予測される。 しかし、全体的に警備が厳しくなり、行事が執行される場への入場が制限されることもしばしばであった。このような現状は、聖ロレンソ祭に積極的に参加する人々が増加し、人数を制限しなければならない状態を意味する。最も顕著な例は、ダンサンテスの踊りに集まる人の多さで、この現象は練習のときから見られた。先に述べた通り、聖ロレンソ祭の主要な行事は宗教的なものに限られていない。ここから、祭りへの関心の高まりが宗教心からではなく(あるいは、宗教心のみでなく)、ウエスカを表象するものに関心を抱いているのだとわかる。 ウエスカという社会や都市空間の変化についてだが、1999~2011年には社会労働者党(PSOE)の下、旧市街地の再開発と郊外への拡大に積極的に取り組み、都市空間を整備したことがわかった。郊外地区で特筆すべきは、大規模な会議施設を建設し、ウエスカでも国際会議やコンクールの決勝会場、あるいはフェリア(メッセ)のような催し物が可能となったことである。この建設に伴い、会議施設のそばに4つ星のホテルが建てられ、マドリッド―ウエスカ間の鉄道の便、およびサラゴサ(ウエスカに最も近いスペイン有数の大都市)―ウエスカ間の高速道路が整備され、人の流れも加速された。このような市の計画は聖ロレンソ祭にも影響があり、それまで町の中心である種無秩序に活動を展開していたレクリエーション集団が、市の要請で郊外地区に集められ、そこで祭り期間における彼らの活動を展開するようになった。しかし2011年から市議会の第一党となった民主党(PP)の下で、聖ロレンソ祭を町の中心に戻す傾向にあり、現在、模索しながらいくつかの案を実行している。 これらの調査結果から、1) 十数年前と比べて、聖ロレンソ祭という文化遺産への関心が高まり、ウエスカの表象として町の人々の間で重要性が増していること、2) 政治的な変化が祭りの空間的な使用に如実に現れ、聖ロレンソ祭がある意味で政治的な交渉の場ともなっている現実を見て取れた。 政治的な交渉の場である聖ロレンソ祭が、一般市民にとってどのような文化遺産であるか(すなわち、文化遺産の社会的用法)、および地域アイデンティティとの関係は、聞き取りをするインフォーマントの数を増やした上で考察すべきと考える。現在、ウエスカでのフィールドワークを継続しながら祭りのエスノグラフィを精緻なものとし、そこでの考察を論文にまとめているところである。

商業化するサンティアゴ巡礼路のホスピタリティに関する人類学的な研究

2017年度

研究成果概要:  本研究は、近年、著しく商業化が進むサンティアゴ巡礼路のホスピタリティのあり方を、観光産業の視点を考慮しながら、文化人類学的に考察することを目的としている。本研究はサンティアゴ巡礼路が通る町(ルゴ県パラス市)の中心部の...  本研究は、近年、著しく商業化が進むサンティアゴ巡礼路のホスピタリティのあり方を、観光産業の視点を考慮しながら、文化人類学的に考察することを目的としている。本研究はサンティアゴ巡礼路が通る町(ルゴ県パラス市)の中心部の商業・宿泊施設におけるフィールドワークを中心に進められたが、大きく次の3点を把握することができた。1)ここ1~2年に新しい施設ができたことから、この巡礼が現在でもなお地域を支える重要な産業であること、2)そういった新しい宿泊施設は、他の一般的な造りとは異なり、巡礼者向けに設計されていること、3)オーナーや従業員の視点からは、巡礼者の大半はツーリズムとしてサンティアゴ巡礼を捉えていて、宗教色は非常に薄いということ、である。ここから申請者がこれまで調査してきた巡礼ホスピタリティとは似て非なる「ホスピタリティ」が浮かび上がる。それは、産業ではありながらそれを忘れさせるような気遣いやもてなしの実践から派生するホスピタリティであり、宿泊施設のオーナーや従業員の旅行体験や他人とのコミュニケーションを好む性格を基にしたホスピタリティなのである。

スペインの農村-都市社会で展開されるホスピタリティに関する人類学的研究

2017年度

研究成果概要:  本研究はサンティアゴ巡礼が通過するスペイン・ガリシアの農村-都市地域を対象に、都市/農村地域によって異なる多様なホスピタリティのあり方を整理し、当該地域に「埋め込まれた」ホスピタリティの現在を人類学的に考察することを...  本研究はサンティアゴ巡礼が通過するスペイン・ガリシアの農村-都市地域を対象に、都市/農村地域によって異なる多様なホスピタリティのあり方を整理し、当該地域に「埋め込まれた」ホスピタリティの現在を人類学的に考察することを目的としている。2017年度は、主に、この研究全体の都市部、すなわち町の中心部で展開されるホスピタリティを捉えることを目指した。また、ホスピタリティの概念に関する文献調査も行った。 サンティアゴ巡礼路が通るパラス市の中心部におけるフィールドワークからは、次のことがわかった。1) 店舗も宿泊施設も主なターゲットを巡礼者と考えていること。2) 宿泊施設で提供されるホスピタリティは、ホテルにおける「おもてなし」に近いものであること。3)巡礼者と日常的に直接接点を持たないその他の住民は、巡礼者を他のよそ者と同じに捉えていること。ここから、報告者が既に考察したサンティアゴ巡礼特有の「巡礼ホスピタリティ」なるものとは異なる、一般的で「サービス」に近い歓待の態度が捉えられた。その理由は、ホスピタリティの提供者がかつての巡礼者ではないという点だと考えられる。

「田舎性」の考察を通した文化の担い手に関する人類学的研究:ヨーロッパ人類学の再考

2013年度

研究成果概要: 本研究はスペイン・ガリシアの地域的特徴とされる「田舎性」を探究し、それがどのように現代社会において維持/伝承/利用されているかの解明を目的としている。研究は主に文化人類学的なフィールドワークを基にし、夏期に1回調査地に赴いたが、... 本研究はスペイン・ガリシアの地域的特徴とされる「田舎性」を探究し、それがどのように現代社会において維持/伝承/利用されているかの解明を目的としている。研究は主に文化人類学的なフィールドワークを基にし、夏期に1回調査地に赴いたが、期間が短すぎ、散在する農村住民とラポールを築き、田舎性の生成原理を考察するに足るだけのデータ収集には達しえなかった。しかしながら、最近始められた祭「私は田舎の出身者」に着目するという研究の展開に至ることができ、また、もともと農村などの「田舎」の研究でありながら、近年では都市部の研究に傾斜しがちなヨーロッパ人類学を再考する視点を提供できたと考える。

「衰退する」農村コミュニティに関する人類学的エスノグラフィー

2018年度

研究成果概要:    本研究は、島根県隠岐の島町でも周縁地域とされる五箇地区(旧・五箇村)を対象に、経済的な利益追求のみに止まらない地域活動を続ける人々が、そういった活動にまで至らない人々をどのように取り込むのか、...    本研究は、島根県隠岐の島町でも周縁地域とされる五箇地区(旧・五箇村)を対象に、経済的な利益追求のみに止まらない地域活動を続ける人々が、そういった活動にまで至らない人々をどのように取り込むのか、その契機や過程を、人類学的なエスノグラフィーを通して明らかにすることを最終的な目標と定め、対象地域の把握とアクターの選出検討を目的としている。研究期間内には、人類学的なフィールドワークを2回行い、主に歴史的な文献を収集し、その読み込みを進めた。そこでは特に聞き取り調査から、隠岐の島町の中でも五箇地区が内外から特別視されている点を把握できたので、隠岐の島町の表象(観光の視点を含めた)と五箇地区との関係性を人類学的な議論として考察しているところである。また、五箇地区で地元産業の活性化を促すアクターの行動や発言から、島嶼部である隠岐の、さらに周縁に位置するといえる五箇地区から、現代社会を見据えた「つながり」が発信されている様相を捉えつつあり、現在、これらを論文にまとめる作業を行っている。

海外研究活動

研究課題名: スペインにおける儀礼・祝祭研究と農村研究に関する文化人類学的な研究

2015年09月-2016年09月

機関: サラゴサ大学(スペイン)

現在担当している科目

科目名開講学部・研究科開講年度学期
人間環境科学概論人間科学部2019夏クォーター
スペイン語基礎 I 02人間科学部2019春学期
スペイン語基礎 II 02人間科学部2019秋学期
文化人類学人間科学部2019春学期
「感動」の複合的記述法人間科学部2019集中講義(春学期)
専門ゼミI(都市人類学)人間科学部2019春学期
専門ゼミII(都市人類学)人間科学部2019秋学期
人間環境科学概論 01人間科学部(通信教育課程)2019秋クォーター
人間環境科学概論 02人間科学部(通信教育課程)2019秋クォーター
文化人類学 01人間科学部(通信教育課程)2019秋学期
文化人類学 02人間科学部(通信教育課程)2019秋学期
都市人類学研究指導 A大学院人間科学研究科2019春学期
都市人類学研究指導 B大学院人間科学研究科2019秋学期
都市人類学ゼミ(1) A大学院人間科学研究科2019春学期
都市人類学ゼミ(1) B大学院人間科学研究科2019秋学期
都市人類学ゼミ(2) A大学院人間科学研究科2019春学期
都市人類学ゼミ(2) B大学院人間科学研究科2019秋学期
文化人類学の理論と方法大学院人間科学研究科2019夏クォーター
「感動」に関する超領域的研究大学院人間科学研究科2019集中講義(春学期)
eラーニングの未来とeスクールの国際展開大学院人間科学研究科2019夏季集中
都市人類学研究指導(D) A大学院人間科学研究科2019春学期
都市人類学研究指導(D) B大学院人間科学研究科2019秋学期

Waseda Course Channel配信動画

科目名学部公開年度

作成した教科書・教材・参考書

人類学ワークブック

2010年07月

詳細

概要:文化人類学を大学の学部教育に活かすにあたり、執筆者がメンバーとなり研究会における議論を重ね、再帰的な教科書を作成した。講義の中でワークを行い、課題を出せる形を採用したところが特徴的である。また、文化人類学の理解に必要なキータームを学ぶ部分と、それらを著者の実際の研究を参照しながら自らのフィールドワークに活かす工夫を試みた。

社会貢献活動

Arago'n Radio

2013年03月-

イベント・番組・雑誌名:Arago'n Radio

詳細

概要:ラジオ番組の生中継にて、研究対象である聖ロレンソ祭に関するインタヴューを受けた。