最終更新日2017年02月01日

氏名

センバ ケンタロウ

仙波 憲太郎

職名

教授

所属理工学術院

(先進理工学部)

連絡先

メールアドレス

メールアドレス
ksemba@waseda.jp

URL等

研究者番号
70206663

本属以外の学内所属

兼担

理工学術院(大学院先進理工学研究科)

研究院(研究機関)/附属機関・学校(グローバルエデュケーションセンター)

学内研究所等

欧州バイオメディカルサイエンス研究所

研究所員 2009年-2011年

ライフサポートイノベーション研究所

研究所員 2014年-2014年

欧州バイオメディカルサイエンス研究所

研究所員 2011年-2012年

アクティヴ・エイジング研究所

研究所員 2013年-

欧州バイオメディカルグリーンサイエンス研究所

研究所員 2012年-2014年

ライフサポートイノベーション研究所

研究所員 2015年-

欧州バイオメディカルグリーンサイエンス研究所

研究所員 2015年-2016年

グローバルバイオメディカルグリーンサイエンス研究所

研究所員 2016年-2017年

グローバルバイオメディカルグリーンサイエンス研究所

研究所員 2017年-

所属学協会

日本癌学会

受賞

日本癌学会奨励賞

1988年

研究分野

キーワード

分子腫瘍学

研究シーズ

培養細胞を用いた高効率スクリーニング系

シーズ分野:ライフサイエンス

研究テーマ履歴

癌遺伝子の探索と機能解析

個人研究

論文

TGF-β drives epithelial-mesenchymal transition through δEF1-mediated downregulation of ESRP.

Horiguchi K, Sakamoto K, Koinuma D, Semba K, Inoue A, Inoue S, Fujii H, Yamaguchi A, Miyazawa K, Miyazono K, Saitoh M.

Oncogene31p.3190 - 32012012年06月-

DOI

Expression screening of 17q12-21 amplicon reveals GRB7 as an ERBB2-dependent oncogene.

Saito M, Kato Y, Ito E, Fujimoto J, Ishikawa K, Doi A, Kumazawa K, Matsui A, Takebe S, Ishida T, Azuma S, Mochizuki H, Kawamura Y, Yanagisawa Y, Honma R, Imai J, Ohbayashi H, Goshima N, Semba K, Watanabe S.

FEBS Lett.586p.1708 - 17142012年05月-

Structural basis for the altered drug sensitivities of non-small cell lung cancer-associated mutants of human epidermal growth factor receptor.

Yoshikawa S, Kukimoto-Niino M, Parker L, Handa N, Terada T, Fujimoto T, Terazawa Y, Wakiyama M, Sato M, Sano S, Kobayashi T, Tanaka T, Chen L, Liu ZJ, Wang BC, Shirouzu M, Kawa S, Semba K, Yamamoto T, Yokoyama S.

Oncogene2012年02月-

DOI

Phosphoproteomics-based modeling defines the regulatory mechanism underlying aberrant EGFR signaling.

Tasaki S, Nagasaki M, Kozuka-Hata H, Semba K, Gotoh N, Hattori S, Inoue J, Yamamoto T, Miyano S, Sugano S, Oyama M.

PLoS One.p.e139262010年11月-

Epigenetic alteration of the NF-κB-inducing kinase (NIK) gene is involved in enhanced NIK expression in basal-like breast cancer.

Yamamoto M, Ito T, Shimizu T, Ishida T, Semba K, Watanabe S, Yamaguchi N, Inoue J.

Cancer Sci.101p.2391 - 23972010年11月-

Identification of BCAP-(L) as a negative regulator of the TLR signaling-induced production of IL-6 and IL-10 in macrophages by tyrosine phosphoproteomics.

Matsumura T, Oyama M, Kozuka-Hata H, Ishikawa K, Inoue T, Muta T, Semba K, Inoue J.

Biochem Biophys Res Commun400p.265 - 2702010年09月-

Independent stabilizations of polysomal Drg1/Dfrp1 complex and non-polysomal Drg2/Dfrp2 complex in mammalian cells.

Ishikawa K, Akiyama T, Ito K, Semba K, Inoue J.

Biochem Biophys Res Commun.390p.552 - 5562009年12月-

NIK is involved in constitutive activation of the alternative NF-kappaB pathway and proliferation of pancreatic cancer cells.

Nishina T, Yamaguchi N, Gohda J, Semba K, Inoue J.

Biochem Biophys Res Commun388p.96 - 1012009年10月-

A novel mouse monoclonal antibody targeting ErbB2 suppresses breast cancer growth.

Kawa, S., Matsushita, H., Ohbayashi, H., Semba, K., and Yamamoto, T.

Biochem Biophys Res Commun384p.329 - 3332009年-

Temporal perturbation of tyrosine phosphoproteome dynamics reveals the system-wide regulatory networks.

Oyama, M., Kozuka-Hata, H., Tasaki, S., Semba, K., Hattori, S., Sugano, S., Inoue, J., and Yamamoto, T.

Mol Cell Proteomics8p.226 - 2312009年-

Constitutive activation of nuclear factor-kappaB is preferentially involved in the proliferation of basal-like subtype breast cancer cell lines.

Yamaguchi, N., Ito, T., Azuma, S., Ito, E., Honma, R., Yanagisawa, Y., Nishikawa, A., Kawamura, M., Imai, J., Watanabe, S., Semba, K., and Inoue, J.

Cancer Sci100p.1668 - 16742009年-

NOTCH3 signaling pathway plays crucial roles in the proliferation of ErbB2-negative human breast cancer cells.

Yamaguchi, N., Oyama, T., Ito, E., Satoh, H., Azuma, S., Hayashi, M., Shimizu, K., Honma, R., Yanagisawa, Y., Nishikawa, A., Kawamura, M., Imai, J., Ohwada, S., Tatsuta, K., Inoue, J., Semba, K., and Watanabe, S.

Cancer Res68p.1881 - 18882008年-

FoxA1 as a lineage-specific oncogene in luminal type breast cancer.

Yamaguchi, N., Ito, E., Azuma, S., Honma, R., Yanagisawa, Y., Nishikawa, A., Kawamura, M., Imai, J., Tatsuta, K., Inoue, J., Semba, K., and Watanabe, S.

Biochem Biophys Res Commun365p.711 - 7172008年-

Novel clusters of highly expressed genes accompany genomic amplification in breast cancers.

Ito, E., Honma, R., Yanagisawa, Y., Imai, J., Azuma, S., Oyama, T., Ohwada, S., Akiyama, T., Nomura, N., Inoue, J., Watanabe, S., and Semba, K.

FEBS Lett581p.3909 - 39142007年-

外部研究資金

科学研究費採択状況

研究種別:挑戦的萌芽研究

乳腺幹細胞への高効率なダイレクトリプログラミング因子の同定

2015年-2016年

研究分野:解剖学一般(含組織学・発生学)

配分額:¥3770000

研究種別:挑戦的萌芽研究

ダイレクトリプログラミングによる乳腺幹細胞の創出

2013年-2014年

研究分野:解剖学一般(含組織学・発生学)

配分額:¥3770000

研究種別:基盤研究(A)

アンプリコミクス解析のための実験技術基盤の構築

2011年-2013年

研究分野:ゲノム医科学

配分額:¥49270000

研究種別:基盤研究(C)

乳癌の発生と悪性化を制御する新規癌遺伝子の同定と機能解析

2006年-2007年

研究分野:産婦人科学

配分額:¥3890000

研究種別:特定領域研究(C)

白血病細胞における細胞骨格・転写・細胞周期の制御異常

2001年-2004年

配分額:¥62200000

研究種別:基盤研究(C)

性決定およびその病態の分子機構

2001年-2002年

研究分野:人体病理学

配分額:¥3400000

研究種別:特定領域研究(C)

転写制御の異常と細胞の増殖・分化

2000年-2004年

配分額:¥78000000

研究種別:基盤研究(C)

性決定およびその病態の分子機構

1999年-2000年

研究分野:人体病理学

配分額:¥3800000

研究種別:重点領域研究

小児腎腫瘍の発症メカニズムの解析

1996年-1996年

配分額:¥4000000

研究種別:国際学術研究

アメリカ大陸を中心としたがん研究先進グループとの研究交流

1994年-1996年

配分額:¥21000000

研究種別:がん特別研究

細胞癌化における蛋白質リン酸化

1991年-1991年

配分額:¥22000000

研究種別:一般研究(B)

Tリンパ球抗原レセプターに会合するチロシン燐酸化酵素Fynの機能

1991年-1992年

研究分野:免疫学

配分額:¥6400000

研究種別:重点領域研究

がん遺伝子の機能解析

1990年-1993年

配分額:¥20000000

研究種別:がん特別研究

がんの増殖と分化に関連する遺伝子の発現制御

1990年-1990年

配分額:¥16600000

研究種別:がん特別研究

Srcファミリ-遺伝子fynのリンホ-マ並びに正常リンパ球における発現と機能

1990年-1990年

配分額:¥3600000

研究種別:重点領域研究

がん遺伝子の機能解析

1990年-1990年

配分額:¥20000000

研究種別:重点領域研究

がん遺伝子の検出と機能解析

1989年-1989年

配分額:¥27000000

研究種別:がん特別研究

srcファミリー遺伝子fynのリンホーマ並びに正常リンパ球における発現と機能

1989年-1989年

配分額:¥5000000

学内研究制度

特定課題研究

癌細胞遺伝子発現データベースを用いた新規乳癌治療標的の同定と創薬への応用

2009年度

研究成果概要: 細胞分裂において、複製した染色体は厳密に二つの細胞に分配される必要がある。この分配機構が破綻すると、染色体の数が変化し(異数性)、遺伝子発現のバランスが崩れたさまざまな細胞が生まれる。癌細胞において染色体分配機構が異常になると、... 細胞分裂において、複製した染色体は厳密に二つの細胞に分配される必要がある。この分配機構が破綻すると、染色体の数が変化し(異数性)、遺伝子発現のバランスが崩れたさまざまな細胞が生まれる。癌細胞において染色体分配機構が異常になると、増殖や生存に有利な細胞が出現すると考えられる。我々は、癌の悪性化に関わる治療標的遺伝子を同定する目的で、染色体分配を制御する遺伝子に着目し、その同定と機能解析を進めている。 これまでに我々は独自に作製した125種類の癌細胞株の遺伝子発現プロファイルの解析から、がんの発症と悪性化にかかわる可能性のある新たな遺伝子増幅部位を同定した。最近、このデータベースとタンパク質局在データベースなどとの複数のデータベースの相互比較により、中心体、紡錘体、キネトコアなどに局在し、染色体分配に関わると予想された機能未知の24種類の遺伝子を新たに抽出した。これらの遺伝子について作製したsiRNAをHeLa細胞にトランスフェクションし、細胞増殖能とノコダゾールによるM期停止能を調べたところ、5種の遺伝子を抑制した細胞では、いずれも対照のHeLa細胞と比較して、増殖の抑制に加えて明らかな mitotic index の増加を認め、M期の進行に異常があることが示唆された。そのうちの1種類については、タイムラプス観察によりM期通過に要する時間を測定すると正常細胞の2倍以上であり、正常な分裂ができず多核となった細胞、多極性の紡錘体が観察された。また、微小管重合阻害剤であるノコダゾールを添加して行った実験では、1種類の遺伝子について、紡錘体チェックポイント機構によるM期停止が起こらず、多核を持った間期細胞が多数観察された。 以上の結果から、これらの遺伝子は新規の染色体分配制御遺伝子であると考え、さらに詳細な解析を進めている。

SILAC法による感染初期応答ネットワークの比較解析

2009年度

研究成果概要: 生物はさまざまな細菌やウイルスの感染の危険に曝されている。自然免疫は、ショウジョウバエから存在する進化的に高度に保存された防御システムである。生物は病原体の感染を受けると、その構成成分(pathogen-associated m... 生物はさまざまな細菌やウイルスの感染の危険に曝されている。自然免疫は、ショウジョウバエから存在する進化的に高度に保存された防御システムである。生物は病原体の感染を受けると、その構成成分(pathogen-associated molecular patterns; PAMPs)を認識するToll-like receptor(TLR)を活性化して炎症性サイトカインの産生などの宿主応答を行う。 我々を含む複数のグループはTLR4による宿主応答反応においてチロシンリン酸化が必須であることを見いだしたが、その下流におけるシグナル伝達経路の全体を捉えられていなかった。こうした包括的な解析を可能にするプロテオミクスの実験技術が近年急速に発展した。我々は、シグナル伝達の最も初期に作動するチロシンリン酸化に焦点を当て、安定同位体でタンパク質を標識するSILAC法と呼ばれる方法で、TLR4の活性化に伴ってチロシンリン酸化されるタンパク質とリン酸化のダイナミクスを解析した。その結果、TLR4の活性化によりチロシンリン酸化をうけるタンパク質(もしくはその結合蛋白質)を61種類同定することに成功した。さらにチロシンリン酸化されるタンパク質のうち、マクロファージでの機能が未知であったBCAPについてより詳細な分子生物学的解析を行い、BCAPが選択的スプライシングにより二種類のタンパク質が発現すること、このうちの一つ(分子量の大きいL型)がSyk-PI3K-PLC-γを介するNF-κBの持続的な活性化を抑制することにより、抗炎症性サイトカインであるIL-10の発現を抑制して感染応答を調節することを明らかにした。

NF-κBシグナル伝達経路を標的とした高悪性乳癌の治療法の確立

2010年度

研究成果概要:転写因子NFκBは、様々な癌細胞において恒常的に活性化し、細胞増殖や転移・浸潤、血管新生などに関わる様々な遺伝子の発現を誘導して癌の悪性化をもたらす。従ってNFκBは抗癌剤の格好の標的であるが、NFκB阻害剤の開発は難航しているこ...転写因子NFκBは、様々な癌細胞において恒常的に活性化し、細胞増殖や転移・浸潤、血管新生などに関わる様々な遺伝子の発現を誘導して癌の悪性化をもたらす。従ってNFκBは抗癌剤の格好の標的であるが、NFκB阻害剤の開発は難航していること、NFκBは感染防御や骨代謝制御などの多様な生理機能を有することから、癌細胞においてNFκB恒常的活性化を導く上流のタンパク質や癌の悪性化に関わる標的遺伝子に対する阻害剤の開発が必要とされている。 これまでに我々は、高悪性のbasal-like乳癌細胞において、タンパク質キナーゼNIK依存的にNFκBが恒常的に活性化し細胞増殖に必要な役割を果たしていることを明らかにした。本年度は、特定課題研究としてbasal-like乳癌細胞におけるNFκB標的遺伝子の探索とNIK恒常的活性化機構の解析を行った。標的遺伝子探索の結果、乳癌幹細胞の維持に関わるシグナル伝達系のリガンドを同定した(本年度日本癌学会にて発表、論文準備中)。これは、NFκBの恒常的活性化が乳癌幹細胞維持に関わることを分子レベルで示した初めての成果である。さらに、癌細胞の転移・浸潤を促進する細胞骨格制御因子も同定しており、上記リガンドやこの因子がbasal-like乳癌細胞に対する新たな治療標的になる可能性がある。NIK活性化機構の解析としては、basal-like乳癌細胞ではNIK遺伝子のエピジェネティック変異によりNIK mRNAが高発現してNFκB恒常的活性化を誘導していることを明らかにした。この成果はCancer Science誌に論文発表した(Yamamoto M et al, 2010)。さらに、プロテオーム解析によりNIK活性化に関わるユビキチン関連因子も同定しており、その分子機構について詳細な解析を進めているところである。

ErbB2陰性乳癌細胞の増殖を制御するシグナル因子NOTCH3の機能解析

2010年度

研究成果概要:我々はこれまでErbB2の発現陰性の乳がん細胞株においてNOTCH3が増殖に必要であることを報告してきた(Yamaguchi et al, Cancer Res, 68, 1881-1888, 2008)。しかし、NOTCH3がど...我々はこれまでErbB2の発現陰性の乳がん細胞株においてNOTCH3が増殖に必要であることを報告してきた(Yamaguchi et al, Cancer Res, 68, 1881-1888, 2008)。しかし、NOTCH3がどのような仕組みで乳癌細胞の増殖を制御しているのかは不明であった。NOTCH3はリガンドとの結合後、細胞質側がγセクレターゼなどのプロテアーゼで切断を受けて、核に移行し転写制御因子として作用する。そこで、NOTCH3の機能を調べるために、NOTCH3の発現により誘導される遺伝子発現ネットワークを解析することとした。この目的のために、ErbB2陰性のBT549細胞株をもとにNOTCH3をドキシサイクリンで誘導できる細胞系を樹立した。この細胞株にドキシサイクリンでNOTCH3を誘導して、マイクロアレイ解析を行ったところ、129個の遺伝子(発現の上がるもの91個、下がるもの38個)を同定した。これらの遺伝子の機能をみると、上皮間葉移行(EMT)と代謝に関わる遺伝子群が含まれていた。特にEMT誘導に関しては、TGF-β非依存的にEMT誘導に関わるslugとSmad3の誘導されることが示唆された。(Dong et al, in preparation )。

NF-kBシグナル伝達経路を標的とした高悪性乳癌の治療法の確立

2011年度

研究成果概要: 我々は、これまでに高悪性度の乳癌細胞株では、タンパク質キナーゼNIK依存的に転写因子NFκBが恒常的に活性化し、細胞増殖に必要な役割を果たしていることを明らかにした。さらに、NFκBが乳癌幹細胞の維持に寄与していることも明らかに... 我々は、これまでに高悪性度の乳癌細胞株では、タンパク質キナーゼNIK依存的に転写因子NFκBが恒常的に活性化し、細胞増殖に必要な役割を果たしていることを明らかにした。さらに、NFκBが乳癌幹細胞の維持に寄与していることも明らかにした。本年度は、NIK活性化機構の解析と乳癌幹細胞維持に関わるNFκB標的遺伝子の特定を進めた。前者の解析においては、プロテオーム解析によりNIKの活性化を促進する新規タンパク質を同定した。このタンパク質はNIK活性化乳癌細胞株において高く発現しており、RNAiノックダウンにて発現を抑制するとNIK恒常的活性化は抑制され、さらにNFκBの活性化も低下した。ノックダウン細胞では細胞増殖が低下し、さらに抗癌剤耐性も下がっていた。このタンパク質の発現を欠損するマウス繊維芽細胞を用いてNIK活性化を導くサイトカイン刺激(lymphotoxin β, TWEAKなど)を行うと、NIKの活性化が顕著に減弱した。従って、このタンパク質は乳癌細胞のみならず、正常細胞においてもNIK活性化を促進する重要因子であると考えられた。この分子はタンパク質のユビキチン化を制御することが知られていることから、NIKやその制御因子のユビキチン化を調節することによりNIK活性化を導いていると予想している。 一方で、乳癌幹細胞維持に関わるNFκB標的遺伝子としてNOTCHリガンドの一つであるJAG1を同定した。乳癌細胞のNFκB を遺伝子導入やサイトカイン刺激により上昇させると乳癌幹細胞の割合が増加することを見いだしていたが、JAG1の発現抑制によりこの増加は顕著に抑制された。また、NOTCH阻害薬の添加によっても同様に抑制された。乳癌組織の構成細胞である繊維芽細胞やマクロファージにサイトカイン刺激を加えてNFκBを活性化させると、乳癌細胞と同様にJAG1発現が増加した。このことから、乳癌細胞やそれを取り巻く正常細胞群のNFκBが活性化されると、JAG1の発現が増加して乳癌幹細胞の増加に寄与すると考えられた。本研究により、NIK活性化を促進する新規タンパク質やJAG1が乳癌の新規治療標的になる可能性が見いだされた。

初代培養乳腺上皮細胞を用いたBasal-like乳癌発癌に関与する遺伝子の探索

2012年度

研究成果概要:乳癌はLuminal-like, Basal-like, ErbB2過剰発現タイプの3つのサブタイプに大別される。中でもBasal-like乳癌は癌細胞そのものの増殖能や運動性が高いことに加えて、従来の治療標的分子であるホルモン受...乳癌はLuminal-like, Basal-like, ErbB2過剰発現タイプの3つのサブタイプに大別される。中でもBasal-like乳癌は癌細胞そのものの増殖能や運動性が高いことに加えて、従来の治療標的分子であるホルモン受容体やERBB2の発現が見られず有効な分子標的治療法が存在しないため予後が悪い。本研究ではこのBasal-like乳癌における発癌および癌悪性化に関する因子を網羅的に解析するため、マウス由来の初代培養乳腺上皮細胞とマトリゲル三次元培養を用いたin vitroスクリーニング系の確立を目標として研究を行った。まず最初にBasal-like乳癌のcell of originであることが報告されているLuminal前駆細胞を含むLuminal細胞画分の単離を試みた。マウス乳腺fat padを酵素処理し得られた細胞懸濁液を白血球共通抗原CD45, 赤血球抗原TER119, 内皮細胞抗原CD31で染色して血球や血管に由来する細胞を除去し、残りの上皮および繊維芽細胞を含む画分をCD24およびCD49fで展開することでCD24high, CD49flowのLuminal細胞画分をセルソーターによって分取した。更にこの画分に含まれる細胞がLuminalケラチンであるKeratin 8およびKeratin 18を発現し、BasalケラチンであるKeratin 5およびKeratin 14を発現しないことを免疫染色およびRT-PCRによって確認した。次にこのLuminal細胞をマトリゲル上に播種して乳腺構造を模倣した管腔の形成を観察したところ、播種1日後にはマトリゲル上で細胞同士が細胞塊を形成することが分かり、播種後3~4日と早い段階で中空コロニーが形成された。また中空コロニー形成後に蛍光タンパク質を発現するレトロウイルスベクターを上清培地に加えることで中空コロニーの一部の細胞に蛍光が観察され、乳腺構造を模倣した管腔環境下での遺伝子導入が可能であることが分かった。しかしながらこのコロニーは播種8日後には中心が細胞で満たされてしまい、その後縮小してしまうことが分かった。実際の解析では中空コロニー形成後に癌遺伝子候補を導入して経過を観察することで癌化や悪性化の過程を解析することを目標としているため、中空コロニーの状態を解析期間の間維持する必要がある。そこで次に播種する細胞数の最適化を検討した。細胞数を2 x 104 cells/well程度まで薄くすると播種後細胞塊の形成は見られず、中空コロニーは播種後7~10日と遅れて形成され、その後15日目まで維持されることが分かったが1 well辺りに見られる中空コロニー数が最大50個程度となり、また実験毎にコロニー形成数が大きく変化するという結果が得られた。この原因としてLuminal細胞画分には比較的少数の増殖可能なLuminal前駆細胞と大半を占める増殖能に乏しい成熟Luminal細胞が存在し、この割合がマウスの性周期によって変動していることが考えられる。また、いくつかのwellにおいては繊維芽細胞のコンタミネーションが見られ、マトリゲルの下部で活発に増殖している様子が観察された。そこで、非上皮細胞除去の際に繊維芽細胞表面に発現するCD140a抗原に対する抗体を加えて繊維芽細胞の除去を行い、さらにLuminal細胞画分をCD61抗体で染色することでCD24high, CD49flow, CD61+の増殖可能なLuminal前駆細胞を濃縮することを考えた。これまでに、以前のLuminal前駆細胞に関する報告と同程度である、Luminal細胞画分の15~30%にCD61陽性細胞が見られることが分かった。また、実際の癌遺伝子導入実験においては癌抑制因子p53の機能を抑制しなければoncogene-induced senescenceによって最終的に細胞死が誘導されることが示唆されるため、現在p53欠損マウスにおいても解析を進めており、野生型マウスと同程度のCD61陽性Luminal細胞が得られることを確認している。今後はこのCD61陽性Lumina細胞を単離してマトリゲル上での培養を検討することで長期間中空コロニーを維持可能な系を確立しBasal-like乳癌に重要な因子の解析を行う予定である。

ローコストスクリーニングによる癌代謝異常の解析

2012年度

研究成果概要:ゲノムワイドの遺伝子スクリーニングは生命現象の新たな制御系を発見するために必須の技術である。最近はこの目的で次世代シークエンサーが注目を集めているが、膨大なデータ量の創出とその解析に高額の研究費を要する。震災後、科学研究費において...ゲノムワイドの遺伝子スクリーニングは生命現象の新たな制御系を発見するために必須の技術である。最近はこの目的で次世代シークエンサーが注目を集めているが、膨大なデータ量の創出とその解析に高額の研究費を要する。震災後、科学研究費においても危機的状況にある本邦においては、既存の技術や研究資源を統合する創意工夫を凝らしたローコストスクリーニングシステムを構築することが必要である。具体的には、近年注目を集めている癌の代謝異常に注目し、申請者の持つ遺伝子発現プロファイルと種々の公開データベースを横断的に解析し、三次元細胞培養系を組み合わせることで、ローコストの新規細胞制御遺伝子の探索システムを構築し、癌における代謝異常に関わる遺伝子をスクリーニングする。申請者はこれまでに独自に作成した遺伝子発現データベースを用いて、乳癌の新たな遺伝子増幅領域(アンプリコン)を推定するし(Ito et al, FEBS Lett. 581,3909-14, 2007)、複数のアッセイ系でアンプリコンに存在する癌の増殖や浸潤に関わる遺伝子の同定に成功している。また、細胞分裂に応じて発現変動する公共の遺伝子データベース等を横断的に解析したin silicoスクリーニングとsiRNAによる機能解析により、細胞分裂を制御する新たな遺伝子を20種以上同定した。これまでのノウハウと研究資源を他の生命現象にも応用すべく、代謝異常を検出するMCF10A三次元培養系と、代謝関連データベース、書誌情報を統合させたローコストのゲノムワイド新規細胞制御遺伝子の探索システムを構築して、癌代謝を制御する遺伝子をスクリーニングすることを計画した。今年度はこれまでに論文報告がなされている遺伝子について、結果の追試実験を行った。まず、セリンの生合成に関わるPHGDHをMCF10A細胞に導入し、マトリゲル中での三次元培養を行った。論文上は上皮細胞の極性が失われることが報告されていたが、これを再現することはできなかった。また、GLDCもまたNIH3T3をトランスフォームすることが報告されていたが、これも我々の細胞では再現を取ることができなかった。以上の結果より、代謝に関わる酵素の過剰発現だけで癌細胞の形質を付与することが可能なのかどうか、実験系の構築から改めて考え直さなければならないと言える。

乳腺構造の微小環境を利用した癌遺伝子の解析システム

2013年度

研究成果概要: 本研究は癌の悪性化への微小環境の影響を解析するため、①乳腺再構築系を用いて、人工的に微小環境を変化させて癌化を誘導し、解析するシステムの開発、および、②乳管内に直接的に細胞を導入してDCISを形成させ、その腫瘍環境からの浸潤・転... 本研究は癌の悪性化への微小環境の影響を解析するため、①乳腺再構築系を用いて、人工的に微小環境を変化させて癌化を誘導し、解析するシステムの開発、および、②乳管内に直接的に細胞を導入してDCISを形成させ、その腫瘍環境からの浸潤・転移などの悪性化を評価するシステムの開発を最終目的としている。 ①について繊維芽細胞などを加工した間質系と遺伝子改変乳腺上皮細胞の相互作用を観察する予定であったが、再構築させる乳腺側の幹細胞への遺伝子導入が、今後予定する多量の遺伝子スクリーニングには耐えられない効率であり、このシステム開発における大きな問題となっていた。そこで本年度は乳腺幹細胞を濃縮し、効率よく導入する方法の確立を最優先課題として検討した。セルソーターの利用を視野に、乳腺細胞を脂肪細胞・繊維芽細胞・血球細胞などから分離する技術を向上させた上、MACSとの組み合わせで効率よく幹細胞画分をソート可能なプロトコールを確立させた。また、感染させるウイルスのpackagingベクターの比を変えることで導入効率を向上させることに成功した。 ②では、乳癌サブタイプが明確で種類が豊富なヒト乳癌細胞株での解析を目指し、生着の試験としてヒト乳癌細胞株であるMCF7を免疫不全マウスであるrag2KOに導入したが、生着が著しく悪かった。皮下移植の検討で、免疫不全度がより重度のNOD/SCIDマウスの方が生着率が良いことが判明し、今後のレシピエントマウスの使用における重要な知見を得た。また、マウス乳腺から繊維芽細胞を採取し炎症性サイトカインで刺激した際にヒト乳癌細胞の癌幹細胞性の維持に重要なJAG1発現が亢進することや、乳腺上皮細胞においても妊娠を模倣したホルモン投与によってJAG1発現が誘導される事を明らかとし(文献1)、今後の解析における炎症や妊娠による乳腺微小環境の変化の重要性が示唆された。 また、①②に共通する腫瘍化後の経時変化の観察においてIVISの利用が可能となったため、用いる一連の細胞株にLuciferase遺伝子を導入した。また、rag2KOマウスはB6黒毛による発光吸収の改善のため、FBVマウスバックグラウンドのアルビノ化を進めている。

現在担当している科目

科目名開講学部・研究科開講年度学期
理工学基礎実験1A IIIブロック基幹理工学部2017春学期
理工学基礎実験1A IIIブロック創造理工学部2017春学期
理工学基礎実験1A IIIブロック先進理工学部2017春学期
理工学基礎実験1B IIIブロック基幹理工学部2017秋学期
理工学基礎実験1B IIIブロック創造理工学部2017秋学期
理工学基礎実験1B IIIブロック先進理工学部2017秋学期
細胞生物学B 生医・応化先進理工学部2017春学期
生物学実験基幹理工学部2017集中講義(春学期)
生物学実験創造理工学部2017集中講義(春学期)
生物学実験先進理工学部2017集中講義(春学期)
生命医科学ゼミナールI先進理工学部2017春学期
生命医科学ゼミナールI  【前年度成績S評価者用】先進理工学部2017春学期
分子細胞生物学A先進理工学部2017秋学期
分子細胞生物学A 【前年度成績S評価者用】先進理工学部2017秋学期
分子細胞生物学B先進理工学部2017春学期
分子細胞生物学B 【前年度成績S評価者用】先進理工学部2017春学期
分子細胞生物学C先進理工学部2017秋学期
分子細胞生物学C 【前年度成績S評価者用】先進理工学部2017秋学期
生命医科学ゼミナールII先進理工学部2017秋学期
生命医科学ゼミナールII  【前年度成績S評価者用】先進理工学部2017秋学期
Advanced Life Science and Medical Bioscience Laboratory先進理工学部2017春学期
生命医科学実験II先進理工学部2017春学期
生命医科学実験II  【前年度成績S評価者用】先進理工学部2017春学期
卒業研究先進理工学部2017通年
卒業研究  【前年度成績S評価者用】先進理工学部2017通年
遺伝医学先進理工学部2017秋学期
がんの生物学先進理工学部2017秋学期
細胞情報学A先進理工学部2017春学期
生命医科学実験IV先進理工学部2017春学期
生命医科学実験V先進理工学部2017秋学期
Life Science and Medical Bioscience Seminar I先進理工学部2017秋学期
Life Science and Medical Bioscience Seminar II先進理工学部2017春学期
Bioscience Practicals A先進理工学部2017秋学期
Bioscience Practicals B先進理工学部2017春学期
Graduation Thesis A先進理工学部2017秋学期
Graduation Thesis B先進理工学部2017春学期
修士論文(生医)大学院先進理工学研究科2017通年
Research on Molecular Oncology大学院先進理工学研究科2017通年
細胞情報学研究大学院先進理工学研究科2017通年
分子腫瘍学特論大学院先進理工学研究科2017春学期
細胞情報学特論A大学院先進理工学研究科2017春学期
Seminar on Molecular Oncology A大学院先進理工学研究科2017春学期
細胞情報学演習A大学院先進理工学研究科2017春学期
Seminar on Molecular Oncology B大学院先進理工学研究科2017秋学期
細胞情報学演習B大学院先進理工学研究科2017秋学期
Master's Thesis (Department of Life Science and Medical Bioscience)大学院先進理工学研究科2017通年
Advanced Molecular Oncology B大学院先進理工学研究科2017集中講義(春学期)
Advanced Molecular Oncology B大学院先進理工学研究科2017集中講義(春学期)
細胞情報学研究大学院先進理工学研究科2017通年
キャリアアップ実習大学院先進理工学研究科2017通年