氏名

オオタ シュンジ

太田 俊二

職名

教授 (https://researchmap.jp/read0052895/)

所属

(人間科学部)

連絡先

メールアドレス

メールアドレス
shun@waseda.jp

URL等

WebページURL

http://www.npp.nature.waseda.ac.jp/

研究者番号
10288045

本属以外の学内所属

兼担

人間科学学術院(大学院人間科学研究科)

研究院(研究機関)/附属機関・学校(グローバルエデュケーションセンター)

学内研究所等

人間総合研究センター

兼任研究員 1989年-

メディア研究所

研究所員 2013年-2017年

学歴・学位

学歴

-1991年 早稲田大学 人間科学部 人間基礎科学科
-1996年 早稲田大学 人間科学研究科 生命科学

学位

博士(人間科学) 課程

博士(人間科学)早稲田大学 1996年3月

所属学協会

日本生態学会

日本農業気象学会

委員歴・役員歴(学外)

2003年-(社)海外林業コンサルタンツ協会 CDM植林ベースライン調査事業検討委員
1999年-2003年(社)資源協会 地球資源調査のシステム検討委員

研究分野

科研費分類

環境学 / 環境解析学 / 環境動態解析

研究テーマ履歴

気候変化の陸上生態系への影響評価

研究テーマのキーワード:気候変化影響

個人研究

人口密度と森林面積の関係

研究テーマのキーワード:人口密度

個人研究

農業生産、食糧生産量の将来予測

個人研究

気候変化にともなう植物群系の動態予測

個人研究

植物生産のシミュレーションモデル

個人研究

水田水温のシミュレーションモデル

個人研究

論文

Effect of irrigation systems on temporal distribution of malaria vectors in semi-arid regions

Ohta S & Kaga T

International Journal of Biometeorology2013年01月-

DOI

Ecophysiological and Climatological Effects on Distribution of Vector Species and Malaria Incidence in India

Ohta S & Kaga T

Int. J. Environ. Res. Public Health2012(9)p.4704 - 47142012年11月-

DOI

Effect of Climate on Malarial Vector Distribution in Monsoon Asia: Coupled Model for Ecophysiological and Climatological Distribution of Mosquito Generations (ECD-mg)

Ohta S & Kaga T

Climate Research53(1)p.77 - 882012年05月-

DOI

Modeling the Spatio-temporal Distribution of the Anopheles Mosquito Based on Life History and Surface Water Conditions

Kashiwada M & Ohta S

Open Ecology Journal3(1)p.29 - 402010年05月-

DOI

The Effects of Plant Growth on the Temperature of Paddy Waters

Ohta S & Kimura A

Journal of Agricultural Meteorology65(2)p.167 - 1782009年02月-

DOI

Effect of Land Cover on Air Temperatures Involved in the Development of an Intra-Urban Heat Island

Yokobori T & Ohta S

Climate Research39(1)p.61 - 732009年01月-

DOI

Impacts of Climatic Changes on the Temperature of Paddy Waters and Suitable Land for Rice Cultivation in Japan

Ohta S & Kimura A

Agricultural and Forest Meteorology147(4)p.186 - 1982007年12月-

DOI

環境教育の在り方と環境の意味

太田俊二

ヒューマンサイエンス14(1)p.7 - 122002年03月-

環境教育へのインターネットの利用

太田俊二、西村昭治

ヒューマンサイエンス13(1)p.43 - 522001年01月-

Probable Effects of Climatic Changes on Plant Production of Monsoon Asia

Climate Change and Plants in East Asia (edited by K. OMASA,K. KAI, H. TAODA and Z. UCHIJIMA)/Springerpp.13-241996年05月-

地球規模の気候変化にともなう植物群系分布の移動と純生産力の変化

日本生態学会誌46;1; 73-811996年04月-

Effects of Changes in Land Use and Human Population on Plant Productivity of Indonesian Archipelago

FPEI International Symposium1996年07月-

Carbon budgets of forest ecosystems in Monsoon Asia and each country from mesh data analysis of potential net primary productivity

5th Japan-U.S. Workshop on Global Change1997年03月-

インドネシア島嶼域の人口密度分布と土地利用形態・植物生産力

日本生態学会第44回大会1997年03月-

モンスーンアジア域各国の炭素収支

日本生態学会第44回大会1997年03月-

中国の人口が森林面積・森林生産力に及ぼす影響

日本生態学会第44回大会1997年03月-

Effects of Doubled CO<sub>2</sub> Climatic Changes on Heat Balance of Ponded Shallow Water in Japan

Journal of Agricultural Meteorology52;1; 1-101996年04月-

Climatic Change Scenarios for Monsoon Asia Based on 2 × CO<sub>2</sub>-GCM Experiments

Climate Change and Plants in East Asia (edited by K. OMASA, K. KAI, H. TAODA and Z. UCHIJIMA)/Springerpp.3-121996年05月-

Probable Effects of CO<sub>2</sub>-Induced Climatic Warming on the Thermal Environment of Ponded Shallow Water

Climatic Change/Kluwer Academic Pub.23;11993年01月-

Probable Effects of CO<sub>2</sub>-Induced Climatic Changes on Net Primary Productivity of Terrestrial Natural Vegeatation in Monsoon East Asia

Journal of Agricultural Meteorology48;51993年03月-

Probable Effects of CO<sub>2</sub>-Induced Climatic Changes on Net Primary Productivity of Terrestrial Vegeatation in East Asia

Ecological Research/Blackwell8;21993年08月-

Climatological Assessment of Potential Carbon Absorption by Natural Vegetation in Mosoon East Asia

Carbon Sink Report/Japan International Forestry Promotion and Cooperation Center1993年10月-

異常気象下の植物生産力と水温

平成の大凶作 (日本農業気象学会編)/農林統計協会1994年06月-

Climatological Estimation of Dry Matter Production and Carbon-Absorption of Natural Vegetation in the Indonesian Archipelago

Toward Global Planning of Sustainable Use of the Earth (ed. by S. Murai)/Elsevier1995年07月-

Effects of 2×CO<sub>2</sub> Climatic Warming on Water Temperature and Agricultural Potential in China

Journal of Biogeography/Blackwell22;4-51995年08月-

Possible Effects of Climatic Changes due to Elevated CO<sub>2</sub> Concentration in the Atmosphere on Terrestrial Ecosystems in Monsoon Asia

An Interim Report of IGBP Activities in Japan/Science Council of Japan (日本学術会議)National Committee for IGBP1995年05月-

気候変化とモンスーンアジアの植物生産

日本農業気象学会1995年度大会1995年07月-

地球規模の気候変化にともなう植物群系分布の移動と純生産力の変化

日本生態学会第42回大会1995年08月-

中国の水田水温環境に将来の気候変化が及ぼす影響

日本生態学会第43回大会1996年03月-

Spatial Patterns of Anthropogenic Carbon Emission and Terrestrial Net Productivity

S. OHTA, A. KIMURA

Journal of the Environmental Sciences15(12)p.1087 - 10912006年12月-

Global Patterns of Energy Efficiency of Terrestrial Productivity

S. OHTA

Journal of Agricultural Meteorology60(5)p.861 - 8642005年02月-

Global Patterns of Energy Efficiency

S. OHTA

Food Production and Environmental Conservation in the Face of Global Environmental Deteriorationp.119 - 1202004年09月-

Carbon Sequestration of Man-Made Forests: Sequetration Estimate and Its Bearing on CDM

Y. MORIKAWA, S. OHTA, M. HIRATSUKA and T. TOMA

Proceedings of International Symposium on Forest Carbon Sequetration and Monitoringp.171 - 1812002年11月-

Estimation of Human Impacts on the Plant Production in Monsoon East Asia

S. OHTA and Y. Morikawa

GCTE-LUCC Open Science Conference on Global Changep.353 - 3541999年04月-

Effects of Climate and Population Density on Forest Areas -Global and Continental View-

OHTA, S and UCHIJIMA, Z.

Global Environmental Research3(2)p.89 - 992000年01月-

書籍等出版物

Possible Effects of Future Climate Changes on the Maximum Number of Generations of Anopheles in Monsoon Asia

Ohta S & Kaga T

InTech2011年 09月-

詳細

ISBN:978-953-307-419-1

からだと温度の事典

太田俊二

朝倉書店2010年 04月-

詳細

ISBN:978-4254301021

地球環境システムの中の生物圏 –植物群系と気候、人間–

太田俊二

朝倉書店2008年 09月-

詳細

ISBN:978-4254505276

変化する気候と食料生産 –21世紀の地球環境情報–

太田俊二

コロナ社2009年 07月-

詳細

ISBN:978-4339066159

自然のなかの人間

太田俊二

間主観性の人間科学, 言叢社1999年 08月-

詳細

ISBN:978-4905913665

外部研究資金

科学研究費採択状況

研究種別:

気候変動下の日本における感染症媒介蚊の個体群動態予測

2015年-0月-2018年-0月

配分額:¥4810000

研究種別:

変動気候下での感染症媒介生物の生息域評価

2012年-0月-2015年-0月

配分額:¥5460000

研究種別:

水温の広域シミュレーションモデルを用いたハマダラカの生息域評価

配分額:¥4420000

研究種別:

インターネットを活用した環境教育カリキュラムの開発と評価

配分額:¥3300000

研究種別:

モンスーンアジアの人口増加と気候変化が食糧生産に及ぼす影響

配分額:¥2800000

研究種別:

21世紀前半から後半にかけての日本の感染症媒介蚊の個体数と活性期間の変化

2018年-0月-2021年-0月

配分額:¥4420000

学内研究制度

特定課題研究

モンスーンアジアの人口集中が森林面積に及ぼす影響

2001年度

研究成果概要:モンスーンアジア地域にはゴビ・タクラマカン砂漠に代表される乾燥地帯やヒマラヤ山脈に代表される高山地帯のような特殊な地域が多いことから、一人あたりの人口扶養可能な生産力は地球平均に比べて極めて低くく、気候変化や人口圧力にたいしてとく...モンスーンアジア地域にはゴビ・タクラマカン砂漠に代表される乾燥地帯やヒマラヤ山脈に代表される高山地帯のような特殊な地域が多いことから、一人あたりの人口扶養可能な生産力は地球平均に比べて極めて低くく、気候変化や人口圧力にたいしてとくに脆弱な地域であると予想される。本研究では、人口増加率の高いインド、中国、インドネシアを抱えたモンスーンアジア地域に焦点をあて、人口密度分布から森林減少の大きさと速度を定量化した。このモデルを応用により、森林面積などの土地利用を空間的に表現することが可能になり、同時に農耕地として活用可能な面積と場所も特定された。これに加えて、アジアの主要作物であるイネの収量変化をOhta et al. (1993) の水田水温モデルと結合させることにより予測可能になり、気候変化の影響と人口圧による食糧生産の変化量を同時に定量化できた。これらの成果から将来の気候変化影響の広域的な特定が可能になるため、生態系保全地域の設定および規模、主要生物種の保全対策などに資する。また、広域の土地利用政策や農業政策(とくに作付)を展開する際の科学的資料として活用されることが可能になる。

気候変化と人口増加がアジアの食糧生産に及ぼす影響評価

2003年度

研究成果概要:1. 緯度経度0.5度グリッド化された各種データベースの整備、純放射量の計算年間値および月間値の気候データベース、地理情報(標高、太陽光反射率、土地利用形態)データベースの収集、整備を進め、これらを使って地球規模の月別純放射量を計...1. 緯度経度0.5度グリッド化された各種データベースの整備、純放射量の計算年間値および月間値の気候データベース、地理情報(標高、太陽光反射率、土地利用形態)データベースの収集、整備を進め、これらを使って地球規模の月別純放射量を計算した。純放射量は植物の生長にとって重要な温量資源であるにも関わらず、その計算方法の煩雑さから地理的な分布はあまりデータベース化されていない。同様に、水資源の指標でもある放射乾燥度も併せて計算して、2004年9月に開催される International Symposium on Food Production and Environmental Conservation in the Face of Global Environmental Deterioration において発表を行う予定である。高解像度の各種データを処理することが可能な大規模メモリを搭載したコンピュータの導入により、perlによる簡易的な処理が可能となった。このスクリプトも随時ウェブペイジで公開していく予定である。2. 人口密度分布と土地利用変化、純一次生産力の関係モデルの検証と修正過去の研究において、人口密度分布と森林面積、農耕地面積、都市面積などの土地利用変化の定量化と純一次生産力との関係をモデル化している。このモデル式の検証は行政単位で入手可能な社会統計値を利用してすでに行っているが、緯度経度0.5度グリッド単位のモデルに適応できるかどうかの検証は十分ではない。本研究では1. で整備した気候データや地理情報を利用して、グリッド単位で活用できるモデルに修正した。これらの結果の一部は国際会議で発表しているが、現在、アジア地域をモデルケースとした原著論文を執筆中である(Forest Ecology and Management誌を予定)。

水温の広域シミュレーションモデルを用いたハマダラカの生息域評価

2007年度

研究成果概要:本研究プロジェクトでは、マラリアを媒介するハマダラカのアジア地域での生息域判定を行うための基礎をなす水温評価モデルのブラッシュアップを目的の中心に置き、一年間活動してきた。モデルの精度向上はある程度達成し、農学系国際誌で高いインパ...本研究プロジェクトでは、マラリアを媒介するハマダラカのアジア地域での生息域判定を行うための基礎をなす水温評価モデルのブラッシュアップを目的の中心に置き、一年間活動してきた。モデルの精度向上はある程度達成し、農学系国際誌で高いインパクトファクターをもつAgricultural and Forest Meteorology誌に掲載(1)された。このモデルでは入力値として一般気候データと植生の繁茂のタイミングといったフェノロジーさえわかれば、0.5℃以内の精度で日平均水温を予測できる。これにより、ハマダラカの生息域を大きく左右する水温情報を広域にかつ高い精度で得ることが可能となった。また、ハマダラカは植被のない水たまりで生息するので、まったく植被のない状態の水面から植被が徐々に発達した水面までを仮定してそのときどきの温度変化や熱収支を明らかにした(2)。その結果、ハマダラカが生育する多様な地域特性を多面的に評価することが可能になった。一方で、ハマダラカの生息域を特定するための基本モデルとなるハマダラカの世代数の推定を試みた。熱帯性の生きものであるため単に年平均気温や年間降水量ではその分布域を十分に説明することはできないが、生息可能な温度域が連続3ヶ月続くかどうかといった単純な仮定をおいた世代数判定モデルだけでも現在のハマダラカの分布域に極めて近くなった。本年度の仮計算では気温を使っているが、これを先に説明した水温評価モデルによる水温情報を入力値として活用すれば、さらに分布判定の精度が高まることが期待される。具体的にはハマダラカの生育前期(ボーフラ)を水温、生育後期(成虫)を気温によってその活動を決定することで、生活史と気候の対応関係を含めた生理生態的なモデルとして発展していく予定である。なお、本研究においてはモンスーンアジア地域の気候データについて空間解像度を経度緯度15分格子、時間解像度を旬(10日)で整備しており、高速な計算機資源があれば来年度すぐにシミュレーションを開始できる準備が整ったと言える。

水温の広域シミュレーションモデルを用いたハマダラカの生息域評価

2008年度

研究成果概要:2007年度における、マラリアを媒介するハマダラカのアジア地域での生息域判定を行うための基礎をなす水温評価モデルのブラッシュアップに引き続き、熱収支研究の充実とあわせて、判定モデルの基盤を整えることを目的の中心に置いて一年間活動し...2007年度における、マラリアを媒介するハマダラカのアジア地域での生息域判定を行うための基礎をなす水温評価モデルのブラッシュアップに引き続き、熱収支研究の充実とあわせて、判定モデルの基盤を整えることを目的の中心に置いて一年間活動してきた。水温評価モデルに関しては Journal of Agricultural Meteorology誌に受理(1)された。植物体が水たまりの上に存在する場合であっても、非常に高い精度で熱収支を再現し、日平均水温を予測できる。まったく植被のない状態の水面から植被が徐々に発達した水面までを仮定してそのときどきの温度変化や熱収支を再現可能になった。これにより、ハマダラカの生息域を大きく左右する水温情報を広域にかつ高い精度で得ることが可能となり、ハマダラカが生育する多様な地域特性を明らかにしていく基盤が出来たと言える。また、都市部の温度環境としてヒートアイランド現象も重要な側面を持つことから、所沢キャンパス周辺でデータを収集し、将来的には熱収支の解析にも用いたいと考えている。なお、この成果は2008年夏の国際生気象学会で発表し(2)、現在国際誌に投稿中である(3)。一方で、ハマダラカの生息域を特定するための基本モデルとなる世代交代モデルの開発を試みた。昨年度の世代数の推定モデルを発展させ、ハマダラカの空間的な密度の高さを知るための個体群動態に主眼を置いた。この結果、たとえばある年の6月1日現在の分布世代数が何代いるかがわかり、より生物学的な議論が可能になる基本的な考え方を示すことが可能になった。ハマダラカの生育前期(ボーフラ)と生育後期(成虫)の生活史と気候の対応関係を含めた生理生態的なモデルとして発展しつつある。本年度の仮計算では先に説明した水温評価モデルによる水温情報やその他の気候値を入力値として活用可能であることまで確かめることが出来た。現在開発中のモデルは、一地点の計算をするために数分の時間を要するため、地理的分布を明らかにするためにはより高速な計算機が必要である。

移動観測法による局地温度の成立要因の解明

2010年度

研究成果概要:筒型の放射よけを自作して自転車にとりつけ、移動とともに温度・湿度を連続的に観測する方法を確立した。この手法以外に、移動観測ルート内の代表的な三カ所に定点用の観測ポイントも設定した。これら二つの方法の組み合わせにより、所沢市郊外域(...筒型の放射よけを自作して自転車にとりつけ、移動とともに温度・湿度を連続的に観測する方法を確立した。この手法以外に、移動観測ルート内の代表的な三カ所に定点用の観測ポイントも設定した。これら二つの方法の組み合わせにより、所沢市郊外域(所沢キャンパス周辺、所沢市三ヶ島地区)の局地温度の特徴を定量化し、さらにそれがどのように成り立っているのかに迫った。そのうち、所沢キャンパス南門地点と北門地点は直線距離で600mほどしか離れておらず、いずれも駐車場脇の森林内という点で観測条件はほぼ同じであるにも関わらず、この二点の温度の変化は非常に特徴的であることがわかった。夏季においては、北門のほうが2度近く南門より温度が高く、反対に冬季においては南門のほうが北門よりも3度も温度が高かった。このように局地温度は年間を通じて一定ではなく、季節変化をすることがわかった。また、所沢キャンパスから直線距離で1.1km西南に位置する所沢AMeDASポイントの同時刻のデータと比較したところ、冬季においては北門の温度と完全に同調していたが、夏季においてはキャンパス内のデータ数が少ないため明確な特徴を見いだすことができなかった。本研究計画は単年度で終了するが、今回の助成によって得られた機材を用いて、現在春から夏に向けての温度・湿度観測を継続し、夏季の特徴を確実に得たいと考えている。今年度の予備的な結果のみであっても、局地温度が季節変化することはほぼ間違いないと言えるので、局地温度を形成する主要因は複数あるのか、季節変化をするものかのいずれであることが考えられる。生じている規模が極端に小さいことから、接地逆転層の形成だけでは十分に説明することはできない。また、観測点のすぐ横を流れる小川の流量などに季節的な変化はなく、また50m程度の標高差による冷気流の形成も理論的には考えにくいことから、別の仮説を立てることを急いでいる。

湖沼とその周辺の局地気象学的研究

2011年度

研究成果概要:山口貯水池(通称狭山湖)に隣接する所沢キャンパスと所沢アメダスポイントでの気象観測を通じて、湖が気象現象に与える影響を調べた。本研究では、熱収支気候学的なモデル研究と現地での観測の二本立てである。本課題の助成によって、短波放射計を...山口貯水池(通称狭山湖)に隣接する所沢キャンパスと所沢アメダスポイントでの気象観測を通じて、湖が気象現象に与える影響を調べた。本研究では、熱収支気候学的なモデル研究と現地での観測の二本立てである。本課題の助成によって、短波放射計を二対購入し、従来までの温度、湿度や長波放射のデータとあわせて熱収支的な解明の素地を作った。また、温度、湿度の観測に関しても安定的な測定のための測器台の自作を試みた。同時に、短波放射、長波放射を正確に観測するための設置場所や設置法を探るための基礎的なデータを収集した。温湿度は約一年分のデータが得られているが、放射項のデータは欠損値が多く、本年度に関しては不十分である。しかしながら、これら気象観測によって以下のことが明らかになった。(1)所沢キャンパス南門と北門(両者の距離は700m)はほぼ同じ土地被覆であるにも関わらず、夏季の昼間には南門が北門よりも1度低く、冬季には南門が北門よりも3度高かった。(2)夏季の昼間の南門の気温は所沢アメダスポイントと同調していた。(3)冬季の北門の気温は所沢アメダスポイントと同調していた。以上の三点から、山口貯水池に隣接する所沢キャンパスの気温は湖の影響ではなく、キャンパス内の局地的な熱収支条件によって季節的に変わっている可能性が高いと言える。短波放射などの熱収支項のデータはまだ数ヶ月分が収集されたところで、年間を通じた季節変化などは解析できていないため、局地的な気象条件の変化のメカニズムははっきりしていない。本課題終了後も引き続き観測を続け、原因を探っていきたいと考えている。さらに、貯水池の水がなかったときの気象データの解析から、湖の水が風速に大きな影響を与えている可能性が高いことを突き止め、現在論文としてまとめているところである。一方のモデル的な研究においては熱収支式をベースに主体である水温や地温を一般気象要素から推定する方法を確立した。これを応用して生物の成長を評価するモデルと結合した。その成果は、国内学会発表2件、国際学会発表2件、論文発表2件によって公開している。

変動気候下の生産力の不安定性を考慮した地球の人口扶養力の定量評価

2017年度

研究成果概要:本研究課題では,地球の人口扶養力を定量的に評価するために,研究代表者らが開発した植物生産力モデルを用いて,全球スケールでの自然植生の総一次生産力(GPP)を推定した。植物生産力モデルに入力する気候値としてNCEP/NCAR再解析デ...本研究課題では,地球の人口扶養力を定量的に評価するために,研究代表者らが開発した植物生産力モデルを用いて,全球スケールでの自然植生の総一次生産力(GPP)を推定した。植物生産力モデルに入力する気候値としてNCEP/NCAR再解析データを用いたところ,GPPは2001–2010年の平均値で148 PgC year–1と推定された。この推定値はこれまでに報告されている他のモデルや衛星観測などの数値より少し大きかったものの,気候の年々変動に対応した生産力の変動をうまく捉えられていた。植物生産力モデルに入力する気候値をMIROC気候モデルの出力値に替えて同様のシミュレーションを行ったところ,全球でのGPPは129 PgC/yearと推定され,先行研究とよく一致した結果が得られた。

緑化した屋上の熱収支と温度の季節変化

2013年度

研究成果概要:都市化の進行にともなって気温が上昇するヒートアイランド現象は、熱中症などの健康リスクを高めることが懸念されてきている。気温上昇を緩和するという手法として、近年頻繁に用いられているのがベランダや屋上の小規模緑化である。実際に数十平方...都市化の進行にともなって気温が上昇するヒートアイランド現象は、熱中症などの健康リスクを高めることが懸念されてきている。気温上昇を緩和するという手法として、近年頻繁に用いられているのがベランダや屋上の小規模緑化である。実際に数十平方メートル以上の比較的大規模な屋上緑化については、これまでも夏季に周辺の気温を緩和する効果が確認されているが、ベランダ緑化や小規模な屋上緑化を想定した場合の熱収支的な解析研究は非常に少ない。そこで本研究では、数平方メートルという比較的小規模な緑化が付近の温熱環境(温度や熱収支)に与える影響について観測を行った。上記の観測を行うため、春季から秋季にかけて、早稲田大学所沢キャンパス100号館5階のE552実験室北側のベランダに約1.5m四方のシバの緑化区を新たに設置し、緑化区と非緑化区のそれぞれの温湿度と蒸発散量、および日射量等の各気象要素について、各種気象観測機器を用いて継続的に観測した。また、規模の異なる緑化域との比較のため、同じ所沢キャンパス内の学生会館前にも同様の観測装置を設置した。春季から秋季を通じて、小規模な緑化区のシバは、従来の大規模な緑化区とほぼ変わらない生育をしていることが蒸発散量や各熱収支項目から確認された。しかしながら、小規模緑化区の高さ1.5mの距離では、付近の気温を低下させる効果がほぼ見られないことがわかった。これは同様の高さにおいて夏季日中に顕著な気温の低下がみられた従来の研究や学生会館前のより規模が大きい緑化区の結果とは異なるものであった。一方で、夏季の小規模緑化区の湿度は、比較的規模が大きい緑化区と同様に、付近よりも顕著な上昇をしていた。以上の結果より、夏季や秋季の小規模な緑化は従来の比較的大規模な緑化手法と比べて、付近の気温を低下させる効果が非常に小さく、気休め程度の緑化であると言える。さらに、観測した気温と湿度などから、熱中症リスクを推定する指標であるWBGT値(Wet Bulb Globe Temperature)を求めると、小規模緑化区は夏季において熱中症リスクを逆に高める場合があることも今回の研究から明らかとなった。

食料循環研究に最適化した潜在生産力モデルにもとづく地球の人口扶養力評価

2014年度

研究成果概要:本研究課題では、潜在生産力モデルの基幹となる植物生長モデルを開発した。本モデルは、生物化学的、生物物理学的なプロセスにもとづいて生産量と蒸発散量を推定することに特徴がある。両者の計算値と葉の気孔開度との整合性がとれるまで計算を繰り...本研究課題では、潜在生産力モデルの基幹となる植物生長モデルを開発した。本モデルは、生物化学的、生物物理学的なプロセスにもとづいて生産量と蒸発散量を推定することに特徴がある。両者の計算値と葉の気孔開度との整合性がとれるまで計算を繰り返すことで、光合成や蒸散に関係する経験式やパラメータを減らした。その結果、群落の熱収支とともに生産量や蒸発散量の日変化をよく推定できた。また、分配モデルと結合することで、植生の観測データを入力しなくても、植物の生長の季節変化を再現できた。

食料統計センサスに接続可能な潜在生産力モデルの理論的基礎

2014年度

研究成果概要:本研究課題では、自然植生の生産力にもとづく作物収量評価の基幹となる、植物生産力モデルの理論的基礎を構築した。本モデルでは、気象データを入力値として植物の生産量を推定し、それをもとに植物の生長をモデル内部で計算した。また、生物化学的...本研究課題では、自然植生の生産力にもとづく作物収量評価の基幹となる、植物生産力モデルの理論的基礎を構築した。本モデルでは、気象データを入力値として植物の生産量を推定し、それをもとに植物の生長をモデル内部で計算した。また、生物化学的なアプローチと群落の熱収支・水収支的なプロセスを組み合わせ、生産量と蒸発散量などの整合性がとれるまで計算を繰り返すことにより、光合成や蒸散に関係する経験式やパラメータが少なくて済むようにした。その結果、従来型の経験式に強く依存しなくても、植物の生産力をより理論的に推定できた。本モデルにより、植生タイプごとの現実的な生産量や蒸発散量の時間的挙動を再現できた。

気候変動下の潜在的食料生産力評価のための簡易モデルの開発

2015年度

研究成果概要:本研究課題では,人間の生命維持に欠かせない潜在的な食料生産力を簡易的に評価するための植物生産力モデルを開発した。このモデルは,一般気象要素を主な入力値して,生物物理学的,生理生態学的なプロセスにもとづいて植物生産力を推定する。この...本研究課題では,人間の生命維持に欠かせない潜在的な食料生産力を簡易的に評価するための植物生産力モデルを開発した。このモデルは,一般気象要素を主な入力値して,生物物理学的,生理生態学的なプロセスにもとづいて植物生産力を推定する。このモデルを検証した結果,温度・水などのストレスに応じて葉の生長を表現することで,気候資源にもとづいて生産力を評価できることを確認した。このモデルで推定された生産力や蒸発散量の季節変動は,さまざまな気候帯で観測された変動とよく一致していた。半乾燥域ではフェノロジーをうまく再現できず生産力の推定誤差が大きくなる場合があったことから,土壌水分が葉の生長に及ぼす影響の表現を中心にモデルの改良が求められる。

植物生産力評価モデルによる潜在的な食料供給力の将来予測

2016年度

研究成果概要:本研究課題では,研究代表者らが開発した植物生産力モデルのパフォーマンスを評価し,修正および改善すべき点を模索した。シミュレーションの結果をFLUXNETで公開されている観測データと比較した結果,このモデルは生産力の時間変動と葉の生...本研究課題では,研究代表者らが開発した植物生産力モデルのパフォーマンスを評価し,修正および改善すべき点を模索した。シミュレーションの結果をFLUXNETで公開されている観測データと比較した結果,このモデルは生産力の時間変動と葉の生長の季節変化をよく再現できていたものの,草原サイトでは森林サイトに比べ再現性は低かった。さらに,生産力と気候の年々変動との関係を観測データと比較したところ,生育時期ごとに気候に対する植物に応答を正しく表現できていた。シミュレーションでは生産力が土壌含水量に対してより強く応答する傾向があり,水環境が植物の生産力に及ぼす影響をモデルに正しく反映させる必要があることが示唆された。

気候モデル出力データの簡易なダウンスケーリング法の開発

2016年度

研究成果概要:本研究課題では,全球気候モデル(GCM)の出力値を,研究代表者らが開発した植物生産力モデルに入力値ために,適切な時空間スケールにダウンスケールする手法を開発した。ダウンスケールした気候データを植物生産力評価モデルに入力し生産力を推...本研究課題では,全球気候モデル(GCM)の出力値を,研究代表者らが開発した植物生産力モデルに入力値ために,適切な時空間スケールにダウンスケールする手法を開発した。ダウンスケールした気候データを植物生産力評価モデルに入力し生産力を推定し,それを観測された気候値を入力値とした場合に推定された生産力と比較した。ダウンスケールした気候データを入力値として推定された生産力は,観測された気候データを入力値とした場合に比べて大きい傾向がみられた。続いて,GCMと観測データとの平均バイアスを補正したところ,補正前と比べ観測値との誤差は小さくなったものの,依然として多くの観測サイトで生産力を過大に推定していた。

人口密度分布と人為的な気候変化によるモンスーン・東アジアの陸上生態系への影響

1997年度

研究成果概要:生態学的な関心として、近年人為的な気候変化による陸上生態系への影響評価に関する研究は増加してきているが、社会科学的な発想とのリンクされた研究は少ない。本研究では、人間活動を人口の関数として表現する手法をとり、人口が増加すればするほ...生態学的な関心として、近年人為的な気候変化による陸上生態系への影響評価に関する研究は増加してきているが、社会科学的な発想とのリンクされた研究は少ない。本研究では、人間活動を人口の関数として表現する手法をとり、人口が増加すればするほど森林面積は減少するという仮定をモデル化した。このモデルをモンスーン・東アジアを緯度経度1度に区切ったデータベースを使って応用したところ、インドネシアの森林面積の社会統計値と極めてよい一致を示した。 同様に、東経70度~150度、南緯10度~北緯50度(18.99× 106km2)までに対して適用したところ、人間の影響のない潜在森林面積(13.67× 106km2)に対して72%まで低下して、6.59× 106km2となり、気候変化を考慮しないで、人口という関数を考慮するだけで、約28%の森林が無くなっていることがわかった。また、全面積に対してこの地域の森林面積はおよそ35%程度に留まっている。 一方、気候変化を考慮して全面積の植物生産力を計算したところ、将来の気候変化時にはモデルにより15%~30%の地域で植生が大幅に混乱し、現存の植生が存在不可能な状態になることが予測できた。研究成果の発表1998年3月 Estimation of human impacts on the plant production in Monsoon East Asia. The Earth's Changing Land, GCTE-LUCC Open Science Conference

現在担当している科目

科目名開講学部・研究科開講年度学期
人間科学概論 01人間科学部2019秋クォーター
人間科学概論 02人間科学部2019秋クォーター
環境シミュレーション実習人間科学部2019秋学期
地球生態系科学人間科学部2019春学期
基礎地理学人間科学部2019秋学期
基礎生態学人間科学部2019秋学期
世界地誌学人間科学部2019秋学期
地球生態学人間科学部2019夏クォーター
エコインフォマティクス人間科学部2019夏季集中
専門ゼミI(地球環境システム論)人間科学部2019春学期
専門ゼミII(地球環境システム論)人間科学部2019秋学期
人間科学概論 01人間科学部(通信教育課程)2019夏クォーター
人間科学概論 02人間科学部(通信教育課程)2019夏クォーター
人間科学概論 03人間科学部(通信教育課程)2019夏クォーター
人間科学概論 04人間科学部(通信教育課程)2019夏クォーター
人間科学概論 05人間科学部(通信教育課程)2019夏クォーター
人間科学概論 06人間科学部(通信教育課程)2019夏クォーター
人間科学概論 07人間科学部(通信教育課程)2019夏クォーター
地球生態系科学 01人間科学部(通信教育課程)2019春学期
地球生態系科学 02人間科学部(通信教育課程)2019春学期
生物圏生態学研究指導 A大学院人間科学研究科2019春学期
生物圏生態学研究指導 B大学院人間科学研究科2019秋学期
生物圏生態学ゼミ(1) A大学院人間科学研究科2019春学期
生物圏生態学ゼミ(1) B大学院人間科学研究科2019秋学期
生物圏生態学ゼミ(2) A大学院人間科学研究科2019春学期
生物圏生態学ゼミ(2) B大学院人間科学研究科2019秋学期
局地環境観測実習大学院人間科学研究科2019集中講義(春学期)
地球生態学特論大学院人間科学研究科2019夏クォーター
アグリインフォマティクス特論大学院人間科学研究科2019夏季集中
生物圏生態学研究指導(D) A大学院人間科学研究科2019春学期
生物圏生態学研究指導(D) B大学院人間科学研究科2019秋学期
環境科学基礎講座 2グローバルエデュケーションセンター2019冬クォーター

Waseda Course Channel配信動画

科目名学部公開年度

教育内容・方法の工夫

毎回講義終了後に要約を受講者に伝える

1999年04月-

詳細

概要:講義の内容は、講義終了後数週間以内に Web 上で要約を掲載し、学生からの評判は良好である。また、課題等、学生の授業外での学習促進も役立ち、復習の効果が高くなってきている。講義時間外の学習促進は、講義内容の水準を高くすることも可能となって、Webによる発信は欠かせない。また、学外の研究者の目も光り、授業水準の向上にも役立っている。

作成した教科書・教材・参考書

間主観性の人間科学(言叢社) (再掲)

1999年10月

詳細

概要:人間科学という学問体系はないので、理学系、工学系、人文系、社会系から著者を選び、学際的な書物の執筆の試みを行った。その際、各著者が担当する複合的な領域の科目において学生自身がじっくりと読み込むことができ、かつ註を充実させることで本格的に当該分野の扉を開けるような論文調の書籍を目指した。この基本方針は編集の柱となり、出版担当者も各大学において教科書として使うことを前提に編集を進めた。太田担当分は、自然という言葉や環境という概念について整理し、何をもって環境と呼ぶのかを考察し、さらに環境を媒介にしてひとつの科学論を展開した。いわゆる「環境問題」という問題の性質と特徴を解説することにより、環境に関わる一般的な誤解を解くことを試みた。

その他教育活動

早稲田大学所沢キャンパスネットワークシステム、サーバシステムの構築・運営

詳細

概要:早稲田大学所沢キャンパスのバックボーン敷設、サーバ系のシステム構築の設計に携わり、主として DNS、mail システムの設計において中心的な役割を果たした。このシステムは、代替わりしたものの、基本部分は今現在も供用されており、早稲田大学所沢キャンパスの重要なインフラストラクチャとして研究教育に活用されている。