Name

KOBAYASHI, Nobuyuki

Official Title

Professor

Affiliation

(School of Culture, Media and Society)

Contact Information

URL

Web Page URL

http://www.f.waseda.jp/kobayashi/

Grant-in-aids for Scientific Researcher Number
30225528

Sub-affiliation

Sub-affiliation

Research Council (Research Organization)/Affiliated organization(Global Education Center)

Educational background・Degree

Degree

Dr. phil. Thesis the University of Wuppertal(Germany) Philosophy/Ethics

Career

1990-1996Kyoto City University of Arts, Faculty of Fine Arts, Lecturer
1996-2008Kyoto City University of Arts, Faculty of Fine Arts, Associate Professor
2008-2009Waseda University, Faculty of Letters, Arts and Sciences, Associate Professor
2009-Waseda University, Faculty of Letters, Arts and Sciences, Professor

Academic Society Joined

Waseda University Philosophical Society

The Japanese Society for Aesthetics

The Philosophical Association of Japan

The Kyoto Philosophical Society

Nishida Philosophy Association

Japanese Society of Existential Thought

Japan Society of Image Arts & Sciences

Interview Guide

Category
Humanities

Research Field

Keywords

Aesthetics and Modern Philosophy

Grants-in-Aid for Scientific Research classification

Humanities / Art studies / Aesthetics and studies on art

Humanities / Philosophy / Philosophy/Ethics

Research interests Career

1993-Study on The Art Theory of Martin Heidegger

Current Research Theme Keywords:Art, Technology, Poesy, Ontology

Individual research allowance

Aesthetics as a theory of sensitivity

Current Research Theme Keywords:Aesthetics, sensitivity, art

Individual research allowance

Paper

ふれることについて—触覚の現象学

小林信之

早稲田大学大学院『文学研究科紀要』 第60輯(第1分冊) p.21 - 362015/03-

Zwei Betrachtungen über die Kunst und die Dichtung. Der Einklang zwischen Heidegger und Nishida.

小林信之

Heidegger-Jahrbuch 7. Heidegger und das ostasiatische Denken, Hrsg. Von Alfred Denker, Shunsuke Kadowaki, Ryôsuke Ôhashi, Georg Stenger, Holger Zaborowski. 7p.402 - 4182013/09-

在るてふことの不思議—場所と像

小林信之

日本哲学史フォーラム編『日本の哲学』第14号(特集: 近代日本哲学と論理) 14p.29 - 442013/12-

秋来ぬと風の音にぞ─アイステーシスと生活世界」、 NO. 1、2013、p.6-p.16.

小林信之

早稲田大学総合人文科学研究センター『WASEDA RILAS JOURNAL』 1(1) p.6 - 162013/10-

かぎろひの立つ見えて —「いまここ」の知覚風景

小林信之

感性文化研究所(East-West Center for Research into Culture and Aesthetics)『紀要』 (7) p.1 - 182012/03-

アイステーシス —感性論としての美学をめぐって

小林信之

東北大学大学院文学研究科 美学・西洋美術史研究室内・第62回美学会全国大会・実行委員会『たそがれフォーラム発表報告集』(電子版) p.1 - 132012/03-

痛みについて

小林信之

感性文化研究所(East-West Center for Research into Culture and Aesthetics)『紀要』 (6) p.35 - 582010/03-

Die Kritik Heideggers an der Aesthetik und eine Andere Moeglichkeit des aesthetischen Denkens

小林信之

The Proceedings of the twenty-first World Congress of Philosophy vol.12 (Philosophical Trends in the XXth Century), Philosophical Society of Turkey, Ankara p.15 - 222007-

美的仮象について

小林信之

京都市立芸術大学美術学部『研究紀要』 (52) 2008/04-

時と像

小林信之

理想 (680) p.59 - 712008/02-

The Veil of Isis –on purity

小林信之

Nishida Philosophy and Esthetic Reflection (第33回三菱財団人文科学研究助成「比較思想的観点に基づく近代日本美学思想・芸術理論の基礎研究」研究成果報告書) p.60 - 762005-

Welt als Spiegelbild -Zur „poietischen“ Besinnung Kitaro Nishidas

小林信之

Selected Papers of the 15th International Congress of Aesthetics, published by The Organizing Committee of the 15th International Congress of Aesthetics, Tokyo p.160 - 1672003-

デモンの系譜—シミュラークル論(3)

小林信之

京都市立芸術大学美術学部『研究紀要』 (50) p.33 - 402006/04-

西田哲学と美学的省察

小林信之

第33回三菱財団人文科学研究助成「比較思想的観点に基づく近代日本美学思想・芸術理論の基礎研究」研究成果報告書 p.1 - 772005/03-

場所と像

小林信之

『四大の感性論—思想・アート・自然科学の関わりについての基盤研究』平成13-16年度科学研究費補助金(基盤研究A1)研究成果報告書 p.129 - 1482005/03-

デモンの系譜—シミュラークル論(2)

小林信之

京都市立芸術大学美術学部『研究紀要』 (49) p.57 - 642005/04-

イシスのヴェール—純粋性をめぐって」『』第2号、2005、p.60.-p.79.

小林信之

西田哲学会年報 (2) p.60 - 792005-

わたしは聖母マリアです—創造の論理

小林信之

(44) 2004-

デモンの系譜—シミュラークル論(1)

小林信之

京都市立芸術大学美術学部『研究紀要』 (48) p.57 - 662004/04-

影像論

小林信之

京都市立芸術大学 美学文化理論研究会編『影像の美学』(「天門」002号) (2) p.66 - 772000-

個・あいだ・場所—ハイデガー・和辻・西田の思索から

小林信之

京都市立芸術大学美術学部『研究紀要』 (46) p.1 - 152002/04-

Kunst als Spiel -Zur Auseinandersetzung Hiedeggers mit Nietzsche

小林信之

Bulletin of Kyoto City University of Arts (Nr.45) p.25 - 492001/04-

芸術とテクノロジーをめぐる思索—ハイデガーの技術論から (Kunst und Technologie im Denken M.Heideggers)

小林信之

京都市立芸術大学美術学部『研究紀要』 (44) p.43 - 522000/04-

ハイデガーのニーチェ解釈

小林信之

京都市立芸術大学美術学部『研究紀要』 (43) p.53 - 781999/04-

ハイデガーと美への問い—無関心性をめぐって

小林信之

美学 (193) p.1 - 121998-

Sprache und Dichtung - aus der japanischen Erfahrung

Bulletin of Kyoto City University of Arts (Nr.41) p.41 - 601997/03-

Die Kunstauffassung im Denken M.Heideggers

小林信之

Bulletin of Kyoto City University of Arts (Nr.40) p.55 - 691996/03-

イメージの解釈学への序論—ガダマーの視点から

小林信之

平成6-7年度科学研究補助金(総合研究A)研究成果報告書『想像力—その評価をめぐる比較美学的考察』 p.65 - 731996/03-

感性の現在—ポストモダンの風景

小林信之

理想 (656) p.106 - 1151995-

空間と都市—シークエンスの概念を中心に

小林信之

京都市立芸術大学美術学部『研究紀要』 (39) p.11 - 211995/04-

Das dichterische Wesen der Sprache im Denken M.Heideggers

Aesthetics (edited and published by the japanese society for aesthetics) (Nr.6) p.87 - 981994-

Heideggers Begriff der "Stimmung"

小林信之

『〈感性的認識の学〉としての Aesthetik の可能性とその系譜』平成3-4年度科学研究補助金(総合研究A・研究代表者 岩城見一)研究成果報告書 p.19 - 291994/04-

ハイデガーの芸術論-その批判的考察

小林信之

京都市立芸術大学美術学部「研究紀要」 (大学・研究所等紀要 、1994 ) / 38 , 15-30 (38) p.15 - 301994-

新しさの神話(承前)-或いはデュシャンの沈黙について

小林信之

京都市立芸術大学美術学部「研究紀要」 (36) p.53 - 661991-

詩作と言葉-M・ハイデガーに即して

小林信之

美学 42(1) p.36 - 471991-

新しさの神話-現代芸術のために?

小林信之

京都市立芸術大学美術学部「研究紀要」 (35) p.43 - 541989-

ハイデガーの真理論-真理と芸術

小林信之

京都大学文学部美学美術史学研究室「研究紀要」 (10) p.91 - 1281989-

芸術と空間-M・ハイデガーに即して

小林信之

美学 38(4) p.13 - 241988-

作品と世界-M・ハイデガーに即して

小林信之

京都大学文学部美学美術史学研究室「研究紀要」 (大学・研究所等紀要 、1986 ) / (7) p.59 - 881986-

Books And Publication

Heidegger und die Kunst -im Zusammenhang mit dem Aesthetikverstaendnis in der japanischen Kultur

Nobuyuki Kobayashi

edition chora, Koeln2003/05-

Detali

ISBN:3-934977-07-3

Der Raum der Stadt –Raumtheorien zwischen Architektur, Soziologie, Kunst und Philosophie in Japan und im Westen.

Nobuyuki Kobayashi (共著)

Jonas Verlag2008/05-

Detali

ISBN:978-3-89445-398-5

Komparative Aesthetik. -Kuenste und aesthetische Erfahrung zwischen Asien und Europa

Nobuyuki Kobayashi(共著)

edition chora, Koeln2000-

Detali

ISBN:3934977030

Komparative Ethik

Nobuyuki Kobayashi(共著)

edition chora, Koeln2002-

芸術学の射程

小林信之(共著)

勁草書房1995-

Detali

ISBN:4326848375

ハイデッガーを学ぶ人のために

小林信之(共著)

世界思想社1994-

Detali

ISBN:4790705285

Translation und Interpretation (Schriften der Academie du Midi Bd.V)

Nobuyuki Kobayashi(共著)

Wilhelm Fink Verlag Muenchen1999-

京都学派の思想—種々の像と思想のポテンシャル

小林信之(共著)

人文書院2004-

Detali

ISBN:4409040634

アイステーシス—21世紀の美学にむけて

小林信之(共著)

行路社2001-

Detali

ISBN:4875347227

感性論

小林信之(共著)

晃洋書房1997-

Detali

ISBN:4771009198

芸術の線分たち

小林信之(共著)

昭和堂1988-

国立新美術館編・野村仁—変化する相

小林信之(共著)

国立新美術館2009/05-

ハイデガー読本

小林信之(共著)

法政大学出版局、20142014/11-

Detali

ISBN:978-4-588-15070-8

Lecture And Oral

Der Gedanken des “Ortes” (Basho) und seine raeumliche Artikulation in der japanischen Kultur -am Beispiel der Gartenkunst

Der Raum der Stadt- Raumtheorien zwischen Architektur, Soziologie, Kunst und Philosophie in Japan und im Westen2006/10

Detail

Oral presentation(general)

Tod und Schatten

2002/05

Detail

Oral presentation(general)

Zum “Zwischen”(aida) als interkultureller Basis der Ethik

2001/06

Detail

Oral presentation(general)

Research Grants & Projects

Grant-in-aids for Scientific Research Adoption Situation

Research Classification:

Integrated study on aesthetics and art theory in modern Japan from an intercultural perspective

2014/-0-2017/-0

Allocation Class:¥3120000

Research Classification:

About Aesthetic Senses and Feelings in Asia

Allocation Class:¥18530000

Research Classification:

The Problem of truth in the aesthetic experience - from the viewpoints of Nietzsche, Heidegger and the philosophical hermeneutics

Allocation Class:¥3700000

On-campus Research System

Special Research Project

公共性に対する美学的ないし感性論的諸問題の考究

2012

Research Results Outline:本年度はとくに、感情や気分の問題に焦点を合わせた研究をおこなった。その枠組みのなかで、感情や気分の言語性・公共性と私秘性(つまり言語化不可能性、語りえ本年度はとくに、感情や気分の問題に焦点を合わせた研究をおこなった。その枠組みのなかで、感情や気分の言語性・公共性と私秘性(つまり言語化不可能性、語りえぬもの)というテーマ、さらに語りえないものの表現としての美的ないし詩的表現の可能性について考察した...本年度はとくに、感情や気分の問題に焦点を合わせた研究をおこなった。その枠組みのなかで、感情や気分の言語性・公共性と私秘性(つまり言語化不可能性、語りえぬもの)というテーマ、さらに語りえないものの表現としての美的ないし詩的表現の可能性について考察した。その際とくに、現象学におけるエポケー概念やハイデガーの情態性に関する分析を取りあげて解釈を加えた。 感情、情動、気分等々とわたしたちが通常名づけている事柄は、ハイデガーによって存在論的に「情態性」と規定されている。この本質規定の意味をいま一度問い直すことを起点に、それをエポケー概念との連関において検討しようと試みた。そこからさらに、「詩的言語」の問題にも議論を展開させたが、それは、詩的な語りの固有の目標が、情態性のさまざまな「実存論的可能性」を伝達すること(『存在と時間』SZ162)だからである。 一般に日常世界における気分や感情(たとえば「こわい」という感情)は、間主観的な共同世界における出来事として、公共的な言説によって分節化され理由づけられうるものと見なされる(「恐ろしい犬に出くわしたので、こわかった」等々)。つまり気分的・感情的に開示された世界は、すでに共同的・相互主観的世界であり、いわば「理由の空間」を前提している。したがってさまざまな気分や感情は、日常的なレベルでさまざまに名づけられ、共同的・間主観的な自己理解を伴いつつ言語的に分節化されているわけである。 だが、こうした日常的レベルでの気分・感情の分析に対してハイデガーは、「不安」や「退屈」の分析を対置し、それがある種公共的な自己理解を絶した、卓抜な開示性であることを明らかにする。つまりそれは、単独化された自己性の開示であり、公共的言語による分節化ではなく、固有で私秘的な自己存在の顕在化である。そしてそのような開示性から、詩や美的経験の可能性も開かれると考えられたのである。

〈場所〉の現象学的美学に関する基盤研究

2013

Research Results Outline:「場所」概念を現象学的に掘り下げるにあたり、本年度はとりわけ西田幾多郎の哲学とハイデガーの「情態性」に関する議論を中心に考察した。そこからさらに、場所「場所」概念を現象学的に掘り下げるにあたり、本年度はとりわけ西田幾多郎の哲学とハイデガーの「情態性」に関する議論を中心に考察した。そこからさらに、場所論を美学上の問題として展開する論考も公表した。まとめると、研究成果は下記の項目に集約される。1.ア...「場所」概念を現象学的に掘り下げるにあたり、本年度はとりわけ西田幾多郎の哲学とハイデガーの「情態性」に関する議論を中心に考察した。そこからさらに、場所論を美学上の問題として展開する論考も公表した。まとめると、研究成果は下記の項目に集約される。1.アイステーシス(美的・感性的働き)がわたしたちの日常的生活世界という「場所」において、どのように作動し、どのような意味をもちうるか、について。フッサールにはじまるエポケーの概念を再考すると同時に、それをよりラディカルに継承したハイデガーの「不安」概念を検討した。わたしたちの知覚経験は、たとえば風の音という「もの」のたち現れを聴き取る「気づき」の経験である。しかも、ものの現れは単独の孤立した現象ではなく、相互に連関しあったさまざまな意味の網目を構成し、わたしたちの生きる日常世界を指示している。世界は、わたしたちとものの出会いに先立って、意味の地平としてすでに開示されていなければならない。そしてそこからさらに、この世界を世界として可能にしている時間性が、たとえば「秋」という季節のおとづれの内に気づかれる(驚かれる)のである。 本論は、このように現象学的探求のなかで得られた世界概念とその構造への問いを遡及的に問い、そこから場所論へと展開する可能性を探求した。その際導きの糸となったのは、風の音に「驚く」というアイステーシスの経験であり、したがって本研究は広い意味での美学研究に位置づけることができる。研究成果は、早稲田大学総合人文科学研究センター『WASEDA RILAS JOURNAL』 NO. 1に公表した。2.西田幾多郎の場所論の考察。西田の場所概念と、その美学的展開可能性について検討した。その際、西欧において歴史的に形成された美学理論を相対化すると同時に、東アジア的世界に目をむける必然性に留意した。研究成果は、『日本の哲学』第14号に公表した。3.ハイデガーの情態性論を、とくにエポケー概念との連関において考察した。研究成果は、2013年9月におこなわれた学会(ハイデガー・フォーラム、於関西大学)にて公表した。

イメージと〈場所〉-芸術の時空間をめぐる美学的基礎研究

2008

Research Results Outline:「イメージと〈場所〉」というテーマに関して、本年度はとくに「場所」としての環境と、「イメージ」としての生態学的デザインとの関係という観点に絞って美学的「イメージと〈場所〉」というテーマに関して、本年度はとくに「場所」としての環境と、「イメージ」としての生態学的デザインとの関係という観点に絞って美学的研究をおこなった。 従来の狭義のデザイン概念は、物の設計や建造物の設計など、物象化された客体的側面...「イメージと〈場所〉」というテーマに関して、本年度はとくに「場所」としての環境と、「イメージ」としての生態学的デザインとの関係という観点に絞って美学的研究をおこなった。 従来の狭義のデザイン概念は、物の設計や建造物の設計など、物象化された客体的側面のデザインに限定されてきた。しかしながら場所的環境はさまざまな次元で複合的に分節化されており、それぞれの次元に呼応した細やかな企図が求められると同時に、たえず全体的な「場所」の布置が視野に収められねばならない。この意味で空間的・場所的企画(デザイン)という大きな構造をまず設定し、そのうえで個別的な設計がなされる必要がある。これは同時に、現在までの個別科学的な学問分野にもとづく蛸壺的な近代的構想とディスクールでは不可能なデザイン概念であり、認識論ないし存在論におけるラディカルな発想転換を要求すると同時に、学際的・横断的設計を前提とするものである。 さらに、以上のように規定されるデザインを社会内におけるあり方として見た場合、デザインとは、「作られるもの」と「そのものにかかわる側(使用者・消費者)」との間に介在し、構成していくひとつの感性的技術である、と定義できるのではなかろうか。そこにはすでに作られたものが既成の場所環境として規制的に働くと同時に、ユーザーや消費者の側も、個別の利用状況に応じて固有の仕方で既存のものを作り変えていく。このようにデザインとはそれ自体、モノとヒトとのあいだの文化的〈場所〉として成立しており、けっして固定的な形成作業に限定されるものではない。 こうした観点から従来のデザイン(製品・企図・環境構築)を見直してみるとき、デザインの生態学的・環境指向的方向において、感性レベルでの新たなデザインの創出を考えることができよう。それはつまり場所的感性に依拠したデザイン論であり、製品など客体的・物理的レベルでのデザインにとどまらず、いわば象徴的・表象的レベルにおいて、場所構築の一領域としてデザインを考えていくということである。本年度の研究では、その具体的なあり方までふくめ、研究を進展させることができた。

近代日本の思想形成と美学―比較思想的視点に基づく相対化の試み

2009

Research Results Outline:本年度は日本文化における美意識や感受性の問題に関して、とりわけ現象学における知覚論を参考に研究をすすめた。 (1) メルロ=ポンティの知覚論・身体論と本年度は日本文化における美意識や感受性の問題に関して、とりわけ現象学における知覚論を参考に研究をすすめた。 (1) メルロ=ポンティの知覚論・身体論と西田哲学とを批判的に対照し、たとえば「色彩」をめぐる問題について主題化した。 (2) 上記の現象学...本年度は日本文化における美意識や感受性の問題に関して、とりわけ現象学における知覚論を参考に研究をすすめた。 (1) メルロ=ポンティの知覚論・身体論と西田哲学とを批判的に対照し、たとえば「色彩」をめぐる問題について主題化した。 (2) 上記の現象学的研究をふまえつつ、とくに詩的経験をテーマとする論文を執筆した。この論考は、2010年3月に西田幾多郎記念哲学館において開催された日独哲学交流シンポジウム「形象の言葉/形象を見る―東と西West-oestliche(s) Bildsprache/Bildsehen 」で公表され、論文として出版される予定である。(タイトルは「かぎろひの立つ見えて ―〈いまここ〉の知覚風景」)。 目で見ること、耳を澄ますことで、わたしたちの前に直接知覚の風景が立ち現れ、この知覚の働きが、あらゆる認識の源泉として、たえずそこへと立ち返るべきところであると見なされてきた。しかしながら、たとえば空の虹を考えてみると、虹は言語的・文化的に規定されているから(とくに日本語の世界においては)七色に見えるのか、それとも言語的・意味的分節化に先立って、何か一般的な知覚経験が成立しているのか、容易に答えることのできない問いがここで生じてくる。知覚と言葉をめぐるこうした問いに関して、日本語の詩の言葉に注目することで考察は展開された。 詩的経験とは、生活世界における日常性をエポケーへともたらし、それを新たなまなざしのもとに見つめることを可能にするが、そこで露わとなるのは、わたしたちの知覚の働きの(1)非人称性と(2)身体性である。この二点に関して、メルロ=ポンティの『知覚の現象学』、ハイデガーの言語論、西田幾多郎の場所論、三木清の「構想力論」を参照しつつ議論をすすめた。 結論的に総括すれば、わたしという主体の基底には、歴史的・言語的に媒介された非人称的な「身」の次元があり、それは、「あらゆる特殊な定位可能性を一般的な企投のうちにふくみこんだ、匿名の〈諸機能〉のシステム」(『知覚の現象学』)であるということ、このことが明らかとなった。

感性的経験と公共性について―他者性をめぐる美学的・倫理的考察

2010

Research Results Outline: 感性的経験、とくに身体感覚と公共性をテーマとするに当たって、本年度は、「痛み」の問題に焦点を合わせて研究をおこなった。 痛みの問題は、哲学の議論にお 感性的経験、とくに身体感覚と公共性をテーマとするに当たって、本年度は、「痛み」の問題に焦点を合わせて研究をおこなった。 痛みの問題は、哲学の議論においてもっとも私秘的なものの事例として頻繁にあつかわれてきた。たとえばウィトゲンシュタインも、『哲学... 感性的経験、とくに身体感覚と公共性をテーマとするに当たって、本年度は、「痛み」の問題に焦点を合わせて研究をおこなった。 痛みの問題は、哲学の議論においてもっとも私秘的なものの事例として頻繁にあつかわれてきた。たとえばウィトゲンシュタインも、『哲学探究』の私的言語批判の文脈において執拗に痛みの例をとりあげている。そうした議論において主張されるのは、痛みの概念が、言語的公共世界のなかで習得され理解されるようになってはじめてわたしたちは、たとえば歯痛を歯痛として感じることができるようになる、ということである。公共的・言語的に意味づけられ分節化された歯痛はいわば「文化的歯痛」であり、わたしたちの歴史の文脈においてさまざまに語られうるようになる。 しかしながら痛みを、わたしの一回的個別経験として眺めた場合、言語化された意味を越えてずれと差異をおびてたち現れてくる。このときわたしの痛みは、他者にとって、けっして共有されえず、たえず無根拠な暗がりにむけて解釈の錘鉛をたらさねばならないような何かである。いや、他者にとってばかりではなく、すでに一時間前のわたし自身の痛みでさえ、いまここのわたしには疎遠でありうる。いまここで耐えがたく感じられている歯痛は、一回的な経験であるといわざるをえないのである。 このように、痛みという感覚経験の事例において、公共性と私性、倫理社会的観点と美的観点、等を鋭く対比的に考察することができる。さらにまた両者の対照は、いっそう具体化していくと、痛みの感覚実質の共約不可能性と表現可能性、言語に媒介された公共性と言語化しえない感覚の剰余、それら相反する両項の逆説的な関係を問うことへと展開せざるをえない。そうした課題に関して、理論的・哲学的議論にとどまらず、具体的な「痛みのイメージ」をめぐって、いくつかの事例を検討した(グリューネヴァルトのイーゼンハイム祭壇画、ラオコーン像、フリーダ・カーロ、石内都の写真作品等)。 なお研究成果としては、『感性文化研究所紀要』no.6 に論文として掲載する予定である。

Lecture Course

Course TitleSchoolYearTerm
Core Lecture 1School of Culture, Media and Society2019spring semester
Core Lecture 2(RE)School of Culture, Media and Society2019fall semester
Various Aspects of BeautySchool of Culture, Media and Society2019fall semester
Various Aspects of BeautySchool of Humanities and Social Sciences2019fall semester
Philosophy of CultureSchool of Culture, Media and Society2019spring quarter
Philosophy of CultureSchool of Humanities and Social Sciences2019spring quarter
Aesthetics and Philosophy (ICS Advanced Seminar)School of Culture, Media and Society2019summer quarter
Seminar on Sensibility (Contemporary Philosophy of Culture) (Spring)School of Culture, Media and Society2019spring semester
Seminar on Contemporary Philosophy of Culture (Fall)School of Culture, Media and Society2019fall semester
Aesthetics 2School of Culture, Media and Society2019fall semester
Aesthetics 2School of Humanities and Social Sciences2019fall semester
Philosophy Seminar (Graduation Thesis) spring (KOBAYASHI, Nobuyuki)School of Humanities and Social Sciences2019spring semester
Philosophy Seminar (Graduation Thesis) fall (KOBAYASHI, Nobuyuki)School of Humanities and Social Sciences2019fall semester
Philosophy: Research SeminarGraduate School of Letters, Arts and Sciences2019spring semester
Philosophy: Research SeminarGraduate School of Letters, Arts and Sciences2019fall semester
Philosophy 5Graduate School of Letters, Arts and Sciences2019spring semester
Philosophy 6Graduate School of Letters, Arts and Sciences2019fall semester
Philosophy 3-1: SeminarGraduate School of Letters, Arts and Sciences2019spring semester
Philosophy 3-2: SeminarGraduate School of Letters, Arts and Sciences2019fall semester
Philosophy 3-1: Research SeminarGraduate School of Letters, Arts and Sciences2019spring semester
Philosophy 3-2: Research SeminarGraduate School of Letters, Arts and Sciences2019fall semester