氏名

ムラマツ ケイイチ

村松 慶一

職名

准教授(任期付)

所属

(グローバルエデュケーションセンター)

学歴・学位

学位

博士(人間科学)

学内研究制度

特定課題研究

色彩感情に関するセマンティックギャップ解決に向けた色彩感情オントロジーの構築

2012年度

研究成果概要:画像の特徴量から類似した画像を検索するという,内容に基づいた画像検索(Content-Based Image Retrieval)において,画像の表現と画像の意味内容が直接的に結びつかないことが問題である.画像の表現というlow-...画像の特徴量から類似した画像を検索するという,内容に基づいた画像検索(Content-Based Image Retrieval)において,画像の表現と画像の意味内容が直接的に結びつかないことが問題である.画像の表現というlow-levelな特徴量と,画像の意味内容というhigh-levelな概念との間の隔たりはsemantic gapと呼ばれており,その解決のための一つのアプローチとして,画像を構成するオブジェクトに関する概念を記述したオントロジーを利用されている.本研究では,色彩感情に関する概念をオントロジーとしてまとめると共に,色彩感情に基づく画像検索のsemantic gap解決に向けたオントロジーの適用を検討した.オントロジーを利用するアプローチでは,low-levelな特徴量および中間レベルの語彙を構成要素としてhigh-levelな概念が記述された体系を参照モデルとして利用する.例えば,画像における「空」というhigh-levelな概念は,上方領域で青色成分の頻度が高いというlow-levelな特徴量を指していると考えられ,さらに概念と特徴量との中間レベルの粒度では「空間的位置が上かつ色が青」と表すことができる.ここでの「空間的位置」「上」「色」「青」という語彙がオントロジーとして記述されるものであり,概念と特徴量を意味的・内容的に仲介する役割を果たしている.類似した色彩感情を与える画像を検索する際のsemantic gapを解決するためには,画像内のオブジェクトに関するオントロジーではなく,それによって生じる色彩感情に関するオントロジーが必要となる.色彩感情に関する多くの研究成果に共通して,明度はheavy/light,彩度はactive/passive,色相はwarm/coolの反応と対応することが指摘されている.そこで,それらの測定に用いられるSemantic Differential尺度の形容語を取集し,心理的な属性および属性値の概念として定義した.具体的には,明度,彩度,色相という属性概念と明度量,彩度量,色相量という属性値の概念である.これらの概念を定義するにあたり,上位オントロジーであるYAMATO (Yet Another More Advanced Top-level Ontology)を参照した.本研究の成果として,オントロジーで定義した明度量,彩度量,色相量の概念を用いて形容語と色空間座標の関係を明示することができた.画像検索で利用する場合には,ユーザが意図する色彩感情の概念についてオントロジーから形容語と色空間座標の関係を抽出することで,画像検索に用いる特徴量に対して適切な制約を課すことが可能になると考えられる.また,検索結果を出力する際に個々の画像と関連した形容語を提示することも可能であると考えられる.

熟達設計者の設計知識の表出と行為モデルに基づく知識共有による設計力向上の評価

2013年度

研究成果概要:日本の製造業が競争力をつけていくためには,品質,コスト,納期を確保する必要性が指摘されている.製品開発を行う中の上流工程となる開発・設計においては,設計品質の向上および設計力向上を目的として(1) 設計の自動化,(2) 設計ミスの...日本の製造業が競争力をつけていくためには,品質,コスト,納期を確保する必要性が指摘されている.製品開発を行う中の上流工程となる開発・設計においては,設計品質の向上および設計力向上を目的として(1) 設計の自動化,(2) 設計ミスの撲滅,(3) 設計資産の再活用といった設計業務の効率化が多くの企業で取り組まれている.(1) 設計の自動化に必要な諸々の数値解析や数値制御のためには,人が設計の中で行っていることを形式知化する必要がある.(2) 設計ミス撲滅に関しては,設計の開始前,途中段階,最終段階のそれぞれにおいて設計者および設計関係者が設計情報のレビューを行いながら,情報の共有を行う必要がある.(3) 設計資産の再活用については,設計資産の蓄積を図りながらデータベースの整備を行う必要がある.これらの取り組みにおいて共通した課題は,人が設計する際に用いる経験やノウハウといった暗黙的な知識を明示的に記述し共有するということであり,それを阻害している最大の要因は,設計に関わる知識が設計者の熟達レベルに強く依存していることである.そこで,本研究では,設計力向上に向けて熟達者が行っている設計方法に関して,設計者が持っている知識とノウハウを表出し,共有,伝承することを目的とした.具体的には,半導体基板の設計を題材として(1) 設計者の観点による設計行為(知識)の表出および設計行為モデルの記述,(2) 設計行為モデルに基づいた設計品質および設計力向上の実務的な評価である.本研究の成果は,設計力向上に向けて熟達者が行っている設計方法とその知識を表出・共有するための設計行為モデルの構築である.このモデルは既往研究で提案されている人間行動モデル CHARM(Convincing Human Action Rationalized Model)に基づいている.既往研究では看護行為を対象にして看護をする動作を扱ったのに対して,本研究の設計行為においては設計者の思考過程を扱った点が異なる.まず,設計者が設計行為を行う際に使用する設計手順書,設計基準書,そして作業マニュアルをもとに設計行為を熟達者の視点から整理することによって,設計の熟達者が何を考えて設計を行っているかということを明示することができた.さらに,構築した設計行為モデルの有用性を検討するために,(1) リファレンスを与えない初心者,(2) 作業マニュアルを与えた初心者,(3) 設計行為モデルを与えた初心者,(4) 熟達者による設計データを比較した.その結果,構築した設計行為モデルは初心者が設計に対する理解を進めるために有用であることが示唆された.ただし,同一の実験参加者の設計経験,参照するリファレンスの情報量の差による影響が明確でないという点が今後の課題として残されている.

現在担当している科目

科目名開講学部・研究科開講年度学期
人間的力量学基礎 1 01グローバルエデュケーションセンター2020秋クォーター
人間的力量学基礎 1 02グローバルエデュケーションセンター2020秋クォーター
人間的力量学基礎 2 01グローバルエデュケーションセンター2020冬クォーター
人間的力量学基礎 2 02グローバルエデュケーションセンター2020冬クォーター
プロフェッショナルズ・ワークショップ 02(医薬品)グローバルエデュケーションセンター2020秋クォーター
プロフェッショナルズ・ワークショップ 05(電気機器・IT)グローバルエデュケーションセンター2020秋クォーター
プロフェッショナルズ・ワークショップ 06(コンサルティング)グローバルエデュケーションセンター2020秋クォーター
プロフェッショナルズ・ワークショップ 07(自動車)グローバルエデュケーションセンター2020秋クォーター