氏名

ナカジマ トオル

中島 徹

職名

教授 (https://researchmap.jp/read0023900/)

所属

(大学院法務研究科)

連絡先

URL等

研究者番号
60366979

本属以外の学内所属

兼担

法学学術院(法学部)

法学学術院(大学院法学研究科)

政治経済学術院(政治経済学部)

論文

個人情報保護・管理と運用の実務

個人情報保護実務研究会編

新日本法規出版

「日本国憲法資料集」

樋口陽一・大須賀明編

三省堂1985年-2005年

書籍等出版物

憲法本41

長谷部恭男編

平凡社2001年-

現代行財政と憲法

憲法理論研究会編

敬文堂1999年-

社会国家の憲法理論

大須賀明編

敬文堂1997年-

変動する国際社会と法

島田・江泉ほか編

敬文堂1997年-

「リーディングス社会保障法」

山田省三編

北樹出版1998年-

「演習ノート憲法」

浦田賢治編

法学書院1998年-

「バージョンアップ法学入門」

植村ほか編

日本評論社1998年-

「憲法演習自習セレクト50」

小林孝輔編

一粒社1996年-

「プリメール社会保障法」

山田省三編

北樹出版1996年-

「戦後政治と日本国憲法」

永井憲一編

三省堂1996年-

新憲法学習のとびら

永井憲一ほか編

東京書籍1996年 04月-

「争点ノート憲法」

大須賀明編

法学書院1991年-2005年

外部研究資金

科学研究費採択状況

研究種別:

持続可能な共有型経済と憲法上の「近代市民社会における原則的所有形態」

2015年-0月-2020年-0月

配分額:¥4680000

研究種別:

土地・選挙制度・自治――代表民主主義の再構築

2014年-0月-2017年-0月

配分額:¥18070000

学内研究制度

特定課題研究

東日本大震災における法的諸問題

2011年度

研究成果概要: 東日本大震災における法的諸問題 東日本大震災の特徴は、地震という、それ自体は責任を問う相手が存在しない自然現象と、それがきっかけとなって起きた原発災害という人為的な事故が分かちがたく結びついて、復旧・復興を妨げている点にある。町... 東日本大震災における法的諸問題 東日本大震災の特徴は、地震という、それ自体は責任を問う相手が存在しない自然現象と、それがきっかけとなって起きた原発災害という人為的な事故が分かちがたく結びついて、復旧・復興を妨げている点にある。町や村を復旧・復興しようにも、放射能汚染を取り除かなければ、その先に進むことができないのである。その責任を負うのは誰か。家や仕事を奪われた人々の損害を賠償すべきは、誰なのか。政府なのか、事故を起こした民間企業なのか。まずは、この点を考えることが本研究の第一の課題であった。他方、「政府の役割と民間の役割」論は、もともと政府の役割の極小化を説く「小さな政府」論を正当化する文脈で登場した。そのことからもわかるように、実際にはそれまでの役割に変更を迫るときに、この種の問いが生じる。経済を司るべきは政府と民間のどちらなのか―市場における主要なアクターである民間だ、というおなじみの議論がそれである。この場合、震災からの復旧・復興を実現するために、政府規制を強化すべきか、それとも市場の自由を拡大すべきかが問われる。しかし、このレベルの問いであれば、せいぜい復旧・復興に有益な方を採用すればよいというだけで、一般論としてこの問いを検討しても得るものはない。しかし、復旧・復興の具体的文脈に即して考えてみると、実はさまざまな問題点が見えてくる。今回被災した地域は、最近ではモノ造りでも名高いが、伝統的には農業や漁業等の第一次産業で知られる地域である。誤解を恐れずにいえば、既得権の集積地である。そして、市場の自由拡大論によって大きく影響を受けるのは、後者に他ならない。被災地の漁業の多くが壊滅的な被害を受けたことは周知の通りであるが、復興基本計画においては、「漁業特区」構想が提起されている。これは、民間企業の参入を促進し、投資資金の確保や後継者不足の解消、設備の近代化等を図ることを狙いとしている。この構想の前提には、現在の漁業法では、漁業協同組合(漁協)だけが漁場ごとの漁業権の優先順位1位を持ち、漁協が拒否すれば、民間企業は参入できないという規制がある。これを緩和して、特区では地元業者が作る法人や組合も漁業権を持てるようにし、民間企業による出資や共同事業に道を開くことを可能にしようという構想なのである。一見すると、高齢化と後継者不足が深刻化しているといわれる漁業にとってはプラス面が多く、これを認めない理由はなさそうにも思える。 しかし、たとえば岩手県の漁業は沿岸漁協や養殖業を主体とした小規模経営が中心で、漁協が中心となって漁場を管理し、計画的な養殖など持続可能な水産業を実践し、後継者を育ててきており、地域のコミュニティ自体が、漁協を中心とする水産業を通じて形成されているから、復興にあたっても漁協が核となるべきだという議論もある。復旧と復興という言葉を、辞書的正確さを脇において感覚的に捉えると、前者は元に戻すことに重点があるのに対し、後者には、新たなことを始めて勃興するといったアニュアンスを感じとることもできる。ここに、「政府の役割と民間の役割」に関する第三の要素が顔を出す。果たして、震災からの復旧と復興のいずれを目指すべきなのか。復旧は、どちらかといえば既得権を擁護しつつ生活復興を目指すのに対し、復興は規制を緩和して既得権を打破しながら、経済復興を目指すものとやや誇張して捉えれば、これは市場の自由化論とも密接にかかわる問題であることがわかる。もっとも、どちらを採用するかはしょせん地域の実情に応じて異なる政策選択の問題で、法的評価の対象にはならないと考えるのが、法律家の一般的反応である。 だが、実はそうではない。憲法学の通説によれば、財産権は既得権の集積なのだからである。このような立場からすれば、漁業権規制を緩和するかどうかは憲法上の権利保障にかかわる問題として、政府の責任が生じる余地もある。このような目で復興計画や復興基本法を捉えると、それらが実は野放しの政策問題ではなく、憲法問題としての側面を有することがわかる。以上のような観点から、復旧及び復興における政府と民間の役割と責任を検討する際の基本的視点を得ることが本年度の課題であり、それは達成できたと考える。

アメリカ合衆国において銃の所持規制と医療保険の制度化に困難が伴う理由を近代憲法原理の観点から検討する

2013年度

研究成果概要: アメリカ合衆国における銃規制の不在をめぐっては、日本国内でも若干の先行研究が存在しているため、それらを検討することから研究に着手した。銃規制の不在に関しては、広範な国土において隅々に至るまで警察が秩序維持を実現することは困難であ... アメリカ合衆国における銃規制の不在をめぐっては、日本国内でも若干の先行研究が存在しているため、それらを検討することから研究に着手した。銃規制の不在に関しては、広範な国土において隅々に至るまで警察が秩序維持を実現することは困難であったこと、しかし他方で人種的差別観点からの特定人種の武装解除という意味における銃規制は存在したこと等が指摘されてきている。これらは概していえば同国の環境と歴史に銃規制の不在の根拠を求める点で、その特殊性に根拠を求めるものである。他方、本研究が着目するのは、こうした偶然の事情の背後にある原理的観点である。 それを要約すれば、自律・自助の原則であるが、それは警察力の不在の裏返しという面がある。自らの身を守るためには武装の権利が保障されるべきだという観点からのアメリカ合衆国憲法修正第2条の背後にある思考は抽象化すればそのようなものであろう。それはしかし、近代憲法原理の下では政府を通じて実現されるべきものともいえ、そうであれば銃規制こそが自然のなりゆきであったはずである。近代憲法原理を確立する一翼を担ったアメリカ合衆国憲法がなぜこれに逆行する態度をとるにいたったのかを、憲法理論の関係から考察することが本研究のテーマのひとつである。 他方、公的医療保険制度の不在についても、抽象的には自律・自助の原則ゆえに民間保険に依存するシステムが構築されてきたと説明することが一応可能である。実際、同国初の公的医療保険制度は2014年に実施が予定されながら、共和党の反対をはじめとするさまざまな要因によって、延期を余儀なくされている。2012年の大統領選挙ではオバマの対立候補であった共和党のロムニーは、マサチューセッツ州知事時代に、オバマケアと根本的違いはない公的医療保険制度を成立させていたが、大統領選ではオバマの医療制度改革に真っ向から反対の論陣を張っていた。 これは、共和党の掲げる「小さな政府」、その背後にある自律・自助の原則という同党の掲げる基本原則ゆえであろう。しかし、公的保険制度もまた欧米の近代国家において一般化したものであり、アメリカ合衆国だけが異なる態度をとることには固有の理由があるはずであるそれを近代憲法原理との関係で原理的に検討することを本研究はもうひとつのテーマとしている。このように、銃規制と公的医療保険制度という一見すると全く異なる問題の背後にある原理を検証することで、アメリカ合衆国の「例外」性を明らかにすること、それを通じてアメリカ流のルールをグローバル化することと近代憲法原理との相克を示すことが本研究の基本的課題である。 現在、医療保険制度改革をめぐって下された連邦最高裁判決を軸に、公的医療保険制度の導入がなぜこれほどに抵抗を受けるのかに関する論考を執筆中であり、近日中に公刊予定である。

国民国家における人権保障とグローバル化

2013年度

研究成果概要: 本研究は、グローバル化する世界の中で、一国の憲法がいかなる役割を果たしうるかを検討することを主題とする。その際、TPP交渉や社会経済構造の改革論等、グローバル化の下で日本社会が直面する諸問題をめぐってはもっぱら国益の確保が強調さ... 本研究は、グローバル化する世界の中で、一国の憲法がいかなる役割を果たしうるかを検討することを主題とする。その際、TPP交渉や社会経済構造の改革論等、グローバル化の下で日本社会が直面する諸問題をめぐってはもっぱら国益の確保が強調されがちだが、本研究は、国のあり方を定める憲法の選択とグローバル化の関係を検討することを中心的課題とし、以下に述べるように現在までにその基礎的検討を終えている。 TPP交渉に典型的に示されているように、グローバル化の名の下に掲げられる基準の多くは、アメリカ合衆国の提案によるものである。しかし、アメリカの提唱する基準が世界標準であるとは限らない。筆者はすでに、漁業権をめぐり、日本国内における市場開放論、すなわち、地域漁民に排他的利用権を認めてきた旧来の制度を市場原理に委ねるべきことを説く近時の議論を検討してきた。欧米諸国では、従来の自由漁業の原則を転換し、地域漁民に排他的利用権を認めることにより、漁業の持続可能性と環境保護を図るべきだという議論が最近では有力化しつつあり、アメリカでも状況は同様である。つまり、グローバル化は市場の自由化を帰結するとは限らないのだが、その点を無視して、グローバル化の文脈では自由化があたかも自明の前提であるかのごとく論じられ、時に他国から強要されることすらある。 ちなみに、漁業権は、憲法解釈論上、憲法29条が保障する財産権のひとつと長年位置づけられてきた。そうであれば、自由化の可否は憲法問題であるはずだが、グローバル化の掛け声は、それを既得権擁護論と批判する。だが、憲法上の財産権保障は、歴史的にも理論的にも本来的に既得権擁護論としての側面を持っており、そうした批判は的外れである。このように、グローバル化の名の下に推進されるルールが、国内と他国向けで異なるダブル・スタンダードである例は、他にもみられる。一例をあげれば、アメリカではオバマ政権の下で医療保険制度改革が行われ、国民皆保険制度が導入されようとしている。これに対し、日米のTPP交渉においては、アメリカは日本に医療の自由化(市場化)を求める意向とも言われる。仮にそうであれば、アメリカの態度は一貫性を欠いているといわざるを得ない。また、グローバル・スタンダードともいえる銃規制が実現できない点など、近代国家の標準装備的な制度を欠いたアメリカ合衆国が世界標準足りうるのかという疑問が残る。 なお、以上の点はすでに別途研究を進めつつあり、本研究ではそれらを踏まえて、こうしたダブルスタンダードの背後にある自由観や市場観の特殊性を析出することにより、それをグローバル基準とすることが他国の人権保障や統治構造に与える影響を、日本のみならず社会的市場経済理念を掲げるドイツなどとも対比させながら検討してきた。そのうえで、加速するグローバル化の流れの中で日本国憲法が果たすべき役割を憲法論として提示することが本研究の最終目的であるが、前記のように、この一年でその前提作業の目途をつけたところである。 今後は、アメリカ合衆国が主唱するグローバル化が日本国憲法の人権保障や統治構造に与える影響、とりわけ両者が矛盾抵触する可能性がある点を具体的に検証し、その原因を原理的に析出することで、一国の憲法が経済や社会のグローバル化と共存するありかたを検討することに重点を移し、引き続き検討を行う。

アメリカ合衆国における医療制度改革と銃規制にみる自由観―憲法の視点から

2014年度

研究成果概要:課題である「アメリカ合衆国における医療制度改革と銃規制に見る自由観-憲法の視点から」については、現在論文を執筆中で、掲載される書籍(古希記念論文集)も決定済みである。出版時期との関係で公刊されるまでには、まだ多少の時間がかかるかも...課題である「アメリカ合衆国における医療制度改革と銃規制に見る自由観-憲法の視点から」については、現在論文を執筆中で、掲載される書籍(古希記念論文集)も決定済みである。出版時期との関係で公刊されるまでには、まだ多少の時間がかかるかもしれないが、2015年中には出版される予定である。

例外的「近代」のグローバル化と日本国憲法

2014年度

研究成果概要:例外的近代とは、具体的にはアメリカ合衆国の「近代」を指しているが、それが世界標準としてグローバル化の表看板となることで、世界にいかなる影響を与えるか。現在世界中で生じているきしみは、こうしたグローバル化の推進と、それに対する反動と...例外的近代とは、具体的にはアメリカ合衆国の「近代」を指しているが、それが世界標準としてグローバル化の表看板となることで、世界にいかなる影響を与えるか。現在世界中で生じているきしみは、こうしたグローバル化の推進と、それに対する反動としてのナショナリズムの勃興という側面があることは否定できないであろう。本研究では、日本における自生的「近代」の不在(その前提としての「近代とは何か」という問い)と、事実においてアメリカ主導で制定された日本国憲法が「近代化」に果たした役割を踏まえて、現在のグローバル化がそうした日本社会の「近代化」にいかなる影響を与えつつあるかを日本国憲法の原理を踏まえて検証することが本研究の目的である。そのための予備的検討を現在取りまとめており、2015年中には成果を公刊する予定である。

存続可能な共有型経済の憲法論的考察

2015年度

研究成果概要:本年は、持続可能性を支える基底ともいうべき土地の所有権をめぐる連続と不連続についての基礎的研究を行った。通常、現在議論の対象となる土地所有権は、近代的土地所有権である。しかし、では日本の古代から中世、そして近世に至る土地の「所有」...本年は、持続可能性を支える基底ともいうべき土地の所有権をめぐる連続と不連続についての基礎的研究を行った。通常、現在議論の対象となる土地所有権は、近代的土地所有権である。しかし、では日本の古代から中世、そして近世に至る土地の「所有」はそれ以前のものとして今日では全く視野に入れる必要はないのか。土地所有権は、土地への資本投下がなされる農業社会において成立すると考える場合には、少なくとも墾田永年私財法が私的土地所有権成立を前提としての墾田の国家管理としての意味を持つはずである。そして、その前段階における国家的土地所有としての意味を持つ公地公民制のありようは、政治権力と土地所有の関係を墾田永年私財法と対照を示すものとして、身分制と土地所有の関係を考える視点を提供してくれるのではないかと考えた。それが近代的土地所有権へと変質していく際には、断絶面と同時に連続面があるはずである。その意味で、近代的土地所有権は、それ以前と次元を異にする観念と考えるべきなのかという基礎的問題を検討した。

福祉国家の「再建」

2003年度

研究成果概要: 表記課題について、「社会経済構造の改革と日本国憲法(上)(下)」というタイトルの論文を執筆した。福祉国家の再建という課題は、戦後に形成された日本型「福祉国家」が、高度経済成長の時代を背景に、競争制限的行政指導などの産業政策を通じ... 表記課題について、「社会経済構造の改革と日本国憲法(上)(下)」というタイトルの論文を執筆した。福祉国家の再建という課題は、戦後に形成された日本型「福祉国家」が、高度経済成長の時代を背景に、競争制限的行政指導などの産業政策を通じて実現されてきた側面があることから、その成立の背景を検証することが重要な意味をもつ。近時の「構造改革」論議は、そうした戦後社会の解体論としての側面を有するものであるが、果たして戦後経済社会、それを背景とする福祉国家の形成は否定的にのみ捉えられるべきものであったのか。本論文は、こうした問題を日本国憲法との関係で論じたもので、そのことにより福祉国家再建の道筋を考えることを狙いとしている。

現在担当している科目

科目名開講学部・研究科開講年度学期
憲法 I B法学部2019春学期
憲法 II B法学部2019秋学期
憲法特論 I(総論・統治)法学部2019春学期
災害と法 ―福島復興と早稲田大学―法学部2019秋学期
主専攻法学演習(憲法) D (春)法学部2019春学期
主専攻法学演習(憲法) D (秋)法学部2019秋学期
主専攻法学演習論文(憲法) D法学部2019秋学期
憲法研究I(中島)大学院法学研究科2019春学期
憲法研究II(中島)大学院法学研究科2019秋学期
憲法II Q大学院法務研究科2019秋学期
憲法I A大学院法務研究科2019春学期
憲法総合 T大学院法務研究科2019秋学期